本編で書けないからってこっちに逃げるんじゃない
※この小説には
・オリキャラ・オリ設定
・えっちな部分
・クソ文章
などの成分が含まれています。
オリキャラと設定については
こちら二作品のものです。
獣人の楽園
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884938234
カミヒトエの色
https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054886502507
(上記の作品を読んでいただけた方向けに言うと、時系列的にはカミヒトエ開始後しばらくしてからです。何気なーい日常というとらえ方でお願いします)
極力知らない方でも読めるよう、ジェーンさんの良さを全面に押していきますが、世界観を楽しみたい方は、
是非読んでいただけると嬉しいです。
では、どうぞ。
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「はぁぁぁぁ、疲れた。パソコンの画面も優しくないな」
俺は独り言を呟いた。
いつものことだ。
今更だな。
今日も研究所はドタバタと忙しく、休む暇はなかった。
パソコンの横においてあったココアをズズズゥと啜り、パンをかじってなんやかんやとやってきた。
あぁ、白衣が重い。
別にこの仕事は嫌いではないけれど、
いかんせん忙しい。
今日は新型のセルリアンが発見された。
たしか湯飲みと急須…だったかな?
…は?セルリアンまでお茶してやがったの?
許さねぇ俺にも休みの一つや二つくれよ…!!!
すまない、お前誰だよって人もいるよね。
今、
紺色に輝く
カッコイイ愛機を俺身に纏った
俺の名前はシキ。
今日。お昼のパンが美味しかった。
かじっていたパン。ツナ。
おいしいと言えば今晩は何だろう。
すっかりおしゃれにお料理ができるようになった彼女の手料理は温かくておいしくてすごく優しい。いつもはふたりで話したりしながら仲良く作っているけれど、こうやって帰りが遅いと彼女に任せてしまう。
「あぁ…ごめんねジェーンさん。」
ほそりと呟いた
『詫びるなら仕事さっさと終わらせればよかったのでは??全く、作業効率がよろしくないんだからこの眼鏡。』
腕時計に搭載した人工知能も、戦闘機能も今日はもう必要ない。着けていてもきっとグチグチ言ってくるだけだ。
スリープモードに移行させて、
時計の文字盤を確認する。
「げぇっ、もう9時かよ…」
俺は急いでエンジンを噴かせた。
二人の巣に戻るんだ。
バーナーは地を焦がした。
_______________
「『遅くなりました。いまから帰ります。』」
このメッセージを受信したスマートフォンを握りしめて10分。
ソファにごろんと寝転がって、溜息をつく。
溜息は、空気に溶け出して行った。
生ぬるく。
ガッチャン!
「あっ!帰ってきた!」
ドアが音を立てた。
重い空気が一気に解放される。
抱きしめていたクッションを投げ捨てて私は玄関へ駆けた。
思わずいつもの敬語を何処かに、もしかしたらクッションと一緒にかなぐり捨ててきてしまったらしいけれど、彼の顔が見たくてしょうがない私は裸足でフローリングを踏んだ。
_______________
「ただいま~」
俺は靴を脱ぎながら言った。
光が暖かい。
研究所の明るすぎる蛍光灯は嫌いだ。
寄っていくのは小さなハエだけでいい。
俺はハエじゃない、
存在は虫ケラかもしれないけどさ。
「おかえりなさーい!」
廊下の奥からぺたぺたと音がする。
かわいらしい。
あぁ。恋しかった。
そうだ、せっかくの機会だ。
普段いちゃいちゃ報告が出来ていないので、精神だけを高速で動かす(格好良く言ってるけどただの回想というオチ、もっと言うと作者の趣味てんこ盛り。好きなもの詰め合わせセット。バイキング。大丈夫ジェーンさんがかわいいだけ。)事によって、経験したシチュエーションをおすそ分けしようと思う。
まず。
まず彼女は、ジェンツーペンギンのジェーン。
あの有名アイドルグループPPPのメンバーその人である。
まさか自分にこんな子がなついてくれるなんて思ってもみなかった。よくよく冷静になれば、何故俺に一目惚れなどしたのだろうか。
理由を聞いても彼女は、
「何故でしょう?私もわかんないです。」
って言うだけで。
ま、その通りなのかもしれないけど。
彼女はとっても可愛い。
かわいらしさの暴力。
かわいらしさの化身。
流石純情可憐正統派乙女アイドルのジェーンさん。ちょっかいかけたくなってしまうこのかわいらしさは犯罪。
ソファに並んで座っているとき、肩に頭を置いて来る。そのまますやすや眠り出すときもある。かわいいかよ。
最初は、
「えへへ…落ち着きます、ここ」
なーんて言ってにんまり。
他愛ない話をしていて、俺が
「そう思うんですけど…」
とか言って同意を求めた時には、
もう既にすやすやと寝息を立てている。
こうなると起こすのも可哀想なので、ナメクジ並みの動きのスピードと滑らかさで彼女をソファに一旦寝かしてから、いわゆるお姫様だっこをしてベッドまで運ぶ。
ベッド上で気持ち良さげに眠る姿は童話の少女のよう。
寝ぼけた彼女に抱き付かれて離してくれない事もあるけど、その時俺はもう諦めて寝る。
例え眠たくなくても。
「あまえんぼさんめ!」
などと言う、そんな彼女は隙を見て抱き着いてくるハグ魔である。
まったく、どっちがあまえんぼさんなんだか。
そんな彼女は、ドジ。
こける。
躓く。
そして涙目で寄ってくる。
かわいいかよ。
あと彼女らしさをあげるとすると…。
・つやつや、まる、キラキラ、とにかくかわいい石ころを集める。
・というか収集癖。髪飾りとか。
・ペンギンなのに方向音痴。
・切り替えが結構早い。
・独り言や文章は敬語じゃない。(日記とか)
・本番に弱い。
・うまくできないと泣いちゃう
など。
は?かわいいかよ。
しかも、ちょっぴり毒も持っている。
時々Sの片鱗を感じる、でもゾクゾクはよいスパイスになるので個人的にはこの時々ってのがミソだなぁなんて思う。
…。なにを言っているのやら。
でも、彼女ってこんな感じです。
彼女の容姿も色々。
まず黒髪、そして長い。
ロング。
普段から、アイドルとして活動している時と同じ服を着ている。寝る時はオレンジ色のおおきめのシャツやパーカーを着たり、
「子どもの頃を思い出します…」
と言って茶色っぽい服を着ている。
あと家の中だと裸足でいる時が多い。
きれいな足が…いいね。(ごめん)
いってきます
おかえりなさい
おはよう
おやすみ
これはちょっとした話。
俺は職業柄、いつ今の生活が終わるかわからない。
それに、経験上孤独が長すぎて。
彼女と離れるのが怖いけど。
でもいつか離れるなら。
なら、明日死んでも。
今日死んでも。
今死んでもいいように…。
だから絶対に。
どれほど忙しくても、絶対言うようにしている。
唐突に自分語りしやがってこの野郎という感じだが、できれば許してほしい。
それだけ彼女は大切。
なんとなく、重い話になってしまったし、
回想もやめて、目の前を受け入れようかな。
「おかえりなさい!」
「うん、ただいま。」
きらきらの笑顔。
ぐっ。っと抱きしめた。
どうやって頑張っても合体はできないし、
どうやっても俺たちは血も何も繋がっていない、まして種族が違う。
ただの、ただの、彼氏と彼女。
でも、大切な人。
血のつながり、
年齢、
性別、
種族、
次元。
関係ない。好きだし。
社会とかいうなにかに
愛のカタチを
示されるこの世の中
…なんだか、不思議。
「ん~…落ち着きます。やっぱり。」
「そう、ですか?」
「はい」
「ジェーンさん、今日もきれいです。」
「たまにはジェーンちゃんとか、ジェーンって呼び捨てにするとか。そういう事してくれませんか?」
「わかりました。けど、何でですか?」
「ん~。理由は、ないです。」
なんだそれ。
でも可愛いしいいや。
許した。
「ただいまジェーン、会いたかった」
「…わたしも、ですっ」
べたべたにベタなセリフだったけど、
満足してくれたらしい。よかった。
晩御飯、できているようだし食べよう。
_____________________________________
しばらくして。
「おやすみなさい。ふぁ…」
ぬくぬくの布団に、
ふわふわのジェーンさん。
彼女の髪が俺の顔にかかってくすぐったい。
いい匂い。眠りにつける、最高の香り。
深層心理などというよく分からない理論はどうでもいいので、とりあえず深み感じる寝心地だという事。それだけでいい。
すやすやと眠る彼女の背中に抱き付く俺の姿は、まるで母に全てを預けるサルやコアラのようでは無かろうか。
なんの話だ。全く。
よく無理をするなと彼女に言われるけれど、無茶言い放題なセルリアンくんが大人しければいいのになぁと思う。とは言え多少の無茶が出来るのもジェーンさんのバックアップがあってこそだ。
俺は彼女に顔を埋めた。
向こうはもう寝たのだろうか、
すこしくすぐったそうに体を動かしたが、
すぐにその動きをやめた。
代わりに、
俺の方へ寝返りを打った。
髪の毛が擦れ反対側に行き、
彼女の顔がこちらを向く。
すこし寝汗でしっとりとした首筋に貼り付くように取り残された数十本ほどの黒髪は未だに俺に香りを届けてくれる。
欲情なんてしていない。
俺は純粋に彼女を
ただ欲情“しない”と欲情“していない”は、
地と天程無くとも、木綿豆腐と絹ごし豆腐位の差がある。
要は今は彼女がいとおしくてたまらないだけの状態で、そりゃたまには欲情位する。
でも、
彼女が悪いと思う。
普通に一緒に風呂入ろうとしてきたり普通に俺に子供のように甘えたり普通に俺を焦らすような事をしてくる、
そんな彼女が悪いと思う。
いわゆる、
「痴漢されるのはお前の格好がエロいからだしお前が悪い」
という理論と一緒だ。
申し訳ないが俺はフェミニストの自分の事を未だに女子などと自称しすこしお洒落なレストランでアホみたいに叫ぶうるさいおばさん連中と戦う気は無いのでこれ以上はやめておく。
どうでもいいな、でも可愛いのは仕方ないね。
「ねぇ、まだ…起きてますか?」
閉じられた口が急に動き出した。
「って、起きてなきゃ私に近づいてくるわけないですよね」
おっと、どうやらバレていたらしい。
「ごめんなさい、起こしちゃいましたか?」
「いえ、私も起きてました」
あなたが近すぎるからいけないのだと、
お𠮟りを受けた。
まったく勝手だ。
最初に眠りだしたとき、
まるで雛のようにスリスリと寄ってきたのは
まごうことなき君だ。
せっかく大きめのベッドなのに
きゅうきゅうに使う天才め。
「私もあなたの匂いに誘われて寝たい」
俺は彼女にぐるんと腕を回して抱き寄せた。
寝息が聞こえたのはすぐだった。
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