星空

最終列車に乗り込んで、知らない駅で降りた。とても田舎の無人駅で、田んぼ道に街灯はほとんどない。山へと続く道へ登って、頂上へと辿り着いた。満天の星空に、大きなオリオン座を見つけた。

「さそり座はどこ?」

君はそう言った。その無邪気な顔が可愛かった。今隣に君がいたら、どれだけ幸せだろう。この星空も、もっと綺麗に見えただろうか。

僕はもう、君の傍にはいられない。あの星になって、君を見ていることしかできない。

それが悔しくて、涙が零れた。


星座を見に行こう。

君との些細な約束さえ、僕は守れなかった。君は怒っているだろうか。きっと怒っているだろう。

あの日は君の誕生日だった。君へのプレゼント。星の髪飾り。受け取ってくれただろうか。それとも、僕と一緒になって、壊れてしまっただろうか。

君は許してくれるだろうか。いや、許してくれなくていい。ただ、君が幸せでいてくれればいい。君が悲しまずにいてくれたら、それで。

君が、新しい恋を見つけられたら、それで、構わない。

本当は嫌だ。君を他の誰かのものになんかしたくない。でも、今の僕に、君を暖めることはできないから。夢の中でさえ、君を暖めることはできなかったから。

冬の星空を、君は見上げるだろうか。寒空の下、君の手を暖めてあげられない。

流れ星が流れ、僕は君が、他の誰かと幸せになれることを願った。

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年明け 月満輝 @mituki_moon

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