沈林子13 劉裕即位
祖父は覇業を支えた功績を讃えられ、
この話を祖父ははじめ辞退したのですが、
認められませんでした。
手紙で説得しております。
「封爵によって功臣を称えるのは、
古来よりの習わしである。
またその功に報いたいという思いは、
まこと、帝のお心に叶うもの。
陛下が封地をお与えになるのは、
国を同じくするものとして、
より一層の働きを期待し、
より一層の繁栄を願うためである。
ここでの辞退をしたところで、
それが君子にふさわしい
ふるまいであると、
どうして言えようか?」
そうして、これまでの官位はもとのまま、
ややあって中央に召喚を受け、
中央の軍務管理を担当。
劉裕様は祖父が
常に慎ましい格好をなされているのを見、
たびたび褒賞をお与えになりましたが、
祖父は、それらをみな親族らに
分け与えてしまうのでした。
家には余計な家財道具もなく、
家業に口出しをなさることもなく。
近隣の寡婦、貧者らは、こぞって
祖父を頼ったといいます。
高祖踐阼,以佐命功,封漢壽縣伯,食邑六百戸,固讓,不許。傅亮與林子書曰:「班爵疇勳,歷代常典,封賞之發,簡自帝心。主上委寄之懷,實參休否,誠心所期,同國榮戚,政復是卿諸人共弘建內外爾。足下雖存挹退,豈得獨爲君子邪!」除府諮議參軍,將軍、太守如故。尋召暫下,以中兵局事副録事參軍王華。上以林子清公勤儉,賞賜重疊,皆散於親故。家無餘財,未嘗問生產之事,中表孤貧悉歸焉。
高祖の踐阼せるに、佐命の功を以て漢壽縣伯、食邑六百戸に封ぜらる。固讓すれど許されず。傅亮は林子に書を與えて曰く:「疇勳に爵を班ぜるは歷代の常典なり。封賞を發せるは帝が心より簡ず。主上が委寄の懷い、實に休否に參じ、誠に心に期す所なれば、國を同じうせるの榮戚,政に復た是れ卿ら諸人と共に弘く內外を建つるのみ。足下に挹退存せると雖も、豈に獨り君子爲り得んや!」と。府諮議參軍に除せられ、將軍、太守は故の如し。尋いで暫し下に召ぜられ、中兵局事を以て録事參軍の王華に副さる。上は林子の清公勤儉なるを以て賞賜せること重疊なれど、皆な親故に散ず。家に餘財無く、未だ嘗て生產の事を問わず、中表の孤貧は悉く歸したり。
漢壽県って、曹操が関羽に与えた封爵地ですね。これは偶然なのかな? と言うかあんな八面六臂の大活躍をした偉大なる将軍様を足下呼ばわりするとかやるねぇ、傅亮さん!
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