謝晦23 辞世の句
周超を部下に取り立てようとした。
それを聞いた
すると到彦之、周超を捕縛した。
まだ処刑は執行されていなかった。
そこに謝晦らが到着。
そうしてようやく、刑が執行される。
対象者は
それと、配下の
なお謝世基は謝晦の兄、
才気煥発であり、処刑に臨み、
連句詩を詠んでいる。
偉哉橫海鱗 壯矣垂天
一旦失風水 翻為螻蟻
魁偉なるかな、大魚。
壮麗なるかな、大鳥。
だが彼らも、
ひとたび水を、風を失えば、
虫けらに
食い散らかされるしかないのだ。
これに対し、謝晦も同じ韻で応える。
功遂侔昔人 保退無智
既涉太行險 斯路信難
功績だけならば
先人たちにも負けるまいが、
身の処し方には
明るくなかったようだ。
思えば、太行山脈の険路を
歩むようなものであった。
まったく、なんとも取るべき道の
至難であったことよ。
こうして刑場の露と化した、謝晦。
時に三十七歳であった。
なお庾登之、
揃って処刑を免れた。
周超既降,到彥之以參府事,劉粹遣參軍沈敞之告彥之沙橋之敗,事由周超,彥之乃執之。先繫皭等,猶未即戮,於是與晦、遯、兄子世基、世猷及同黨庾登之、孔延秀、周超、賀愔、竇應期、蔣虔、嚴千斯等並伏誅。世基,絢之子也,有才氣。臨死為連句詩曰:「偉哉橫海鱗,壯矣垂天翼。一旦失風水,翻為螻蟻食。」晦續之曰:「功遂侔昔人,保退無智力。既涉太行險,斯路信難陟。」晦死時,年三十七。庾登之、殷道鸞、何承天並皆原免。
周超の既に降ぜるに、到彥之は以て府事に參ぜしめんとせば、劉粹は參軍の沈敞之を遣りて彥之に沙橋の敗事の周超に由りたるを告がしまば,彥之は乃ち之を執う。先に皭らを繫ぎ、猶お未だ即ち戮されねど、是に於いて晦、遯、兄の子の世基、世猷、及び同黨の庾登之、孔延秀、周超、賀愔、竇應期、蔣虔、嚴千斯らは並べて誅に伏さる。世基は絢の子なり、才氣を有し、死に臨みて連句詩を為して曰く:「偉かな橫海鱗、壯かな垂天翼。一旦び風水を失わば、翻りて螻蟻に食さるを為す」と。晦は之に續けて曰く:「功遂げたること昔人に侔し、退りたるを保つに智力無し。既にして太行の險を涉り、斯なる路の陟の難きを信ず」と。晦の死したる時、年は三十七。庾登之、殷道鸞、何承天は並べて皆な原免さる。
(宋書44-23_文学)
殺したはずなのに復活して許された庾登之さん不死身でカッコイイぜチッスチッスチィーッス。ところでそう言う揚げ足取りみっともないからやめましょうよ。あと蔣虔、嚴千斯の二人はじめて聞いたんですけど。誰だよお前ら。
処刑される前の句はカッコよくて好き。謝世基の「叔父さんよくやったしすげえと思うんだけどさぁ、やっぱタイミング逸しちゃうと俗人どもの喰いモンになっちゃうよね、残念だけど」に対して「まぁいったん名を上げちまうと、そっからの身の処し方ってなかなか難しいよな、太行山脈の険路から転がり落ちちまったなハハハ」と答える謝晦さん、このラストには素直に拍手。
そして孔延秀に周超みたいな勇将、むしろ先を見越して謝晦の足を引っ張った庾登之など、謝晦配下にはなんだかんだで人材が揃っていたんですなぁーと言う印象にもなる。
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