謝晦19 謝晦キレる2  

そうこうしているうちに、

クソ王どものたわごとに丸め込まれた

到彥之とうげんし蕭欣しょうきんの軍が襲撃をしてきた。

速攻で奴らを撃退し、

遂に我々は軍を立ち上げたわけである。


自分は勇武の士ではない。

が、畏れ多くも荊州けいしゅう

預かっている身である。

国難に対する悲しみ、怒りは、

おのずと我が元にやって来る。


クソに権力が集まり、

君子がハブられる。

このようなことになれば、

多くの志ある者が

進むべき前途を閉ざされよう。


よって信義の士と共に立ち上がり、

大水軍として長江を下る次第である。



庾登之ゆとうしを総司令とする。


邢安泰けいあんたい昭弘宗しょうこうそう王韶之おうしょうしらは

精鋭一万を率いて前鋒に。

魏像ぎしょうがまた、その軍務を取り持つ。


陳珍ちんちんが率いるのは虎旅二千。

賀愔がいんは重装歩兵三千。

共に陸路で進軍中である。


郭卓かくたくの率いる重装騎兵二千は、

水陸双方を用いて進軍。


総勢三万の大軍が、

猛スピードで建康に進軍している。


謝遯しゃとん謝世猷しゃせいゆうは一万の兵と共に、

江陵こうりょうの守りを固める。


また竇應期ほうおうきは步騎五千を率いて

義陽ぎようより直接合流。


周超之しゅうちょうし胡崇之こそうしの率いる一万は

北のかた、高陽こうようより出撃。

また朱澹之しゅたんしは步騎五千を率いて

西のかた雁塞がんさいより出

彼らは劉粹りゅうすいを迎撃、

襄陽じょうようにまで追いやった。


我らが軍は速く、精強である。

建康の諸賢、同志よ。

いまこそが義を高らかに

歌い上げるべき時である。


命をも惜しむな、義に従え。

今こそが、立ち上るべき時である。




遂矯違詔旨,遣到彥之、蕭欣之輕舟見襲。即日監利左尉露檄眾軍已至揚子。雖以不武,忝荷蕃任,國家艱難,悲憤兼集。若使小人得志,君子道消,凡百有殄瘁之哀,蒼生深橫流之懼。輒糾勒義徒,繕治舟甲,舳艫亙川,駟介蔽野,武夫鷙勇,人百其誠。今遣南蠻司馬、寧遠將軍庾登之統參軍事、建武將軍建平太守安泰、宣威將軍昭弘宗、參軍事宣威將軍王紹之等,精銳一萬,前鋒致討。南蠻參軍、振武將軍魏像統參軍事、宣威將軍陳珍虎旅二千,參軍事、建威將軍、新興太守賀愔甲卒三千,相係取道。南蠻參軍、振威將軍郭卓鐵騎二千,水步齊舉。大軍三萬,駱驛電邁。行冠軍將軍、竟陵內史、河東太守謝遯、建威將軍、南平太守謝世猷驍勇一萬,留守江陵。分命參軍、長寧太守竇應期步騎五千,直出義陽。司馬、建威將軍、行南義陽太守周超之統軍司馬、振武將軍胡崇之精悍一萬,北出高陽,長兼行參軍、寧遠將軍朱澹之步騎五千,西出雁塞,同討劉粹,並趨襄陽。奇兵尚速,指景齊奮。諸賢並同國恩,情兼義烈,今誠志士忘身之日,義夫著績之秋,見機而動,望風而不待勖。

(宋書44-19_仇隟)

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