6.
ヤヨイがついに消滅した。といっても何も見えなくなっただけで、そこに存在はしている。新しい画像は、何も写っていないようなものだったが、ヤヨイのある場所には星の光も見えない。それは円形の暗黒だった。議論は活発で早苗も何か意見を言いたかったが、既に地球の情報を知るのに一ヶ月のタイムラグがあり、送ると同じだけかかってしまう。地球からの指示は来ていたし、その結果も送っているが、地球から隔離されつつあるのを実感する。それでもヤヨイについての議論の中では、コーネルの話題が出ることも少なくないので、忘れられたわけではない。コーネルはヤヨイに近づきつつあるが、直接観測できるようになるまでには、まだ何年もかかる。
既に光速の六パーセントという目標速度に達している。人工重力は加速によるものではなく、回転による遠心力に戻っていた。コーネルは一秒間に地球半周分近い距離で、地球から離れていく。たった一秒で。二秒あれば地球を一周する。この瞬間にも。どの瞬間にも。早苗はあまり考えないことにしていた。不安が襲ってきた時は、外を見ることにしている。進行方向に目を向けると、光のドップラー効果で、星の光はやや青みがかって見える。星は居住ユニットの回転に伴って動いているが、見かけの位置は全く動いていないようだった。宇宙があまりに大きく、宇宙スケールで見れば光速の六パーセントなど、止まっているのと同じようなものだからだ。
ヤヨイは再び光を取り戻すだろうか。早苗は取り戻すと思っている。無人観測機はあと何台到達するだろう。ごく軽量で単純な構造なので使い捨てだが、もう残りはそんなに多くないのではないか。無人観測機が尽きると、もう新しい情報は来ない。次はコーネルからの観測情報となるが、それまでに自分の存在など忘れ去れられてしまうかもしれない。
超高速通信実験の決行日が迫ってきた。地球軌道上の超大型加速器を使い、量子を消滅させる。恐らくは同時に、その量子と絡み合った関係にある、コーネルに搭載した対の量子も消滅し、エネルギーの放射が確認されるはずだ。しかし、本当に同時であるのかどうか、測定するのは難しい。以前の火星軌道での実験では、同時どころかマイナスになってしまった。これは理論上出るはずのない値だった。
光速の六パーセントで移動しているコーネルの中では時間の進み方が異なる。相対性理論により、光速に近づくほど時間の進み方が遅くなる。地球におけるある特定の時刻が、船内のいつの時刻であるのか、時間の歪みを補正して、算出することはできる。そしてこの時刻にコーネル内の量子消滅が観測されれば、同時であるという結果が生まれる。あるいは少し遅れて消滅するのか、光速と同じ時間がかかるのか、あるいは消滅しないのか。
決行日と決行時刻が決められてから、超高速通信ユニットのディスプレイにはカウントダウンが表示され、対象となる量子が存在していることを示す「ALIVE」という言葉も表示された。存在が確認できなくなったら「DEAD」という表示となる。量子について生きるとか死ぬとかいう言葉を使うのも妙だが、直感的で分かりやすくもある。量子は魂のエネルギーを放出して死ぬのだ。
記録も結果の送信も自動的に行われるため、早苗は見守っていることぐらいしかできない。結果を地球に届ける手段は通常の通信なので、一ヶ月半ぐらい必要になる。光の速度で一ヶ月半。もう地球からそんなに離れてしまったと思うが、まだ0.1光年も離れていないのだ。先は長い。
早苗はカウントダウンを見る。あと一時間。カウントダウンは二列ある。一つは何があっても止まらない。もう一つはDEADの瞬間に止まる。一秒以下の単位は表示上十万分の一秒が最小だが、内部的には十京分の一秒単位で計測しているはずだ。
結果がどうあれ、その瞬間を共有する相手がいないのは寂しい話だった。カラスに話しても、彼は科学は苦手でもあり、よく分からないらしい。それに、現実の人間をもとにしたといっても、所詮テラというシステムの中にいる仮想人格の一種だ。記憶があまり蓄積せず、会う度に前に言ったことをだいたい忘れていた。あるいは、数分前のことを忘れていることもある。ただ、覚えていることもあるのが不思議でもあった。幸いというか、竜也と会ったことは、割と覚えているようだった。
椅子に座ったまま、数字が減っていくのを見ている。百分の一秒の桁までは動いているのが分かるが、それより下の桁は、うっすらとした表示が持続しているだけにしか見えない。画面の更新速度も、せいぜい一秒間に百回ぐらいだろう。そして暗い画面に光、ALIVEという緑の表示。もつれた関係にある量子の存在。地球側で消滅させるエネルギーが足りず、生き残ることもあり得る。軌道上の超大型加速器は、数々の発見をしてきた。高次元をこじ開けて、いくつかの量子を獲得した。全くの無から量子が生まれるかのような現象。マイナスとプラスの量子が同時発生するのは珍しくはなかったが、マイナスだけや、プラスだけの量子が生まれた。この宇宙のこの次元における量子とエネルギーの総量が変化したのだ。高次元には何かが存在している。
あと三十分。早苗はため息をつき、立ち上がって体を動かして体操をした。考えごとをしつつ待っているだけではつまらない。数字さえ見逃さなければいい。いや、見逃しても止まるときは止まるのだ。竜也は今どうしているだろうか、と思ったりする。カラスや佐伯の話では別の世界にいるらしい。彼らのように、せめてその世界の存在でも感じ取れればいいのにと思う。万界散華の曼荼羅を見ることにより、その能力がつく人がいるというが、全員ではない以上、それは何かが不完全なのだ。曼荼羅も世界の実相の近似でしかないというが、それでも能力がつくのは体質か、あるいは個性か。
あと二十分。佐伯は今頃軌道上の超大型加速器のところにいるのだろう。何を思っているだろうか、ただ実験のことだろうか。夫を失った自分の元に、メッセージを届けようなんてしないだろうか。何かしてほしいと思っている自分に気づく。佐伯であれ、クリストファーであれ、他のスタッフであれ、通信に日数がかかるようになると、常時連絡ができず。コミュニケーションも減ってきて、大昔の手紙のやりとりのようになってくる。関係者はほとんど他の仕事と兼務となる。コーネル専任の人もいることはいて、船の状態を監視している。しかしそれは光速で伝えられた、何週間もの過去のデータなのだ。こちらで何か異変が起きても、その情報が地球に届くまで一月半、状況を分析し、指示を待っているとさらに、少なくとも一月半がかかる。往復三ヶ月以上。重要な決定も、もうこちらでしなければならない。そういう意味でも、宇宙時代に超光速通信は必要だと思った。それが可能であるなら。本音を言えば、実務的なことより、やはり何か寂しいのだ。
あと十分。早苗はディスプレイを見つめた。この実験でもし無限の速度が存在し、やがて超光速通信ができるようになれば、佐伯とも宇宙空間を越えて会話ができるようになるかもしれない。いや、会話は無理だろう。コーネルは光速の六パーセントで動いているから、地球とは時間の進み方が違う。瞬間瞬間に「同時」は存在するけれど、連続すると長さが異なっているのだ。もしリアルタイムで会話ができたとしても、一人はひどく間延びしていて、一人はとにかく早口になる、といったことが起こり得る。もっとも、光速の六パーセントだと時間の歪みはそこまで大きくはない。一時間と一時間七秒ぐらいの違いなので、ほとんど同じだ。
しかし、この実験だけでは、まだ会話はおろか、数個の文字情報すら送れない。でも文字情報ぐらいなら難しくはないだろう。もつれた量子を複数用意しておいて二進数の文字コードを量子消滅で送ればよいのだ。
あと三分。早苗は椅子に座り、数字を見つめた。多分、この実験が成功したとしても、自分が生きているうちに超光速通信ができるようにはならないだろうと思えた。かかるエネルギーを減らす、何か画期的な発見が必要だ。
あと一分。早苗はカウントダウンの数字を見つめる。手を握る。汗ばんでいる。ディスプレイは無音で、自分の呼吸だけが聞こえるようだ。あと三十秒。とにかく止まってほしい。遅れてもいいから。何も起こらないと、地球との連絡が消えるようで怖い。あと十秒、九、八、七、六、五、四、三、二、一、ゼロ。
下の数字が止まった。
地球側の量子を消滅させたことで、コーネルの量子も消滅したのだ。数字は百万分の一秒まで全てゼロが並んでいた。同時だ。早苗は震え、誰に見せるともない笑顔になり、涙が出てきた。地球と時を同じくしてつながっていることに、単純に感動していた。
この結果は、自動的に地球に送信されている。向こうで結果を受け取るまで一月半。早苗はしばらく画面を見つめたままだったが、涙を拭うと、手を伸ばして操作した。百万分の一秒より下はどうなっているかと、ふと思ったのだ。結果のファイルを開いてみる。そして驚く。ゼロばかりが並んでいたわけではなかった。一億分の一秒以下はランダムに見える数字が並んでいた。
同時ではないのか? あるいはただの測定誤差だろうか。測定誤差だと早苗は思った。時間の歪みを一億分の一秒まで正確には補正できないだろう。コーネルの現在の速度だって、宇宙に絶対座標がない以上、地球との相対速度であり、様々な観測装置を用いた想定値でしかない。むしろ百万分の一秒まで同時だったことが驚きだ。同時の現象なのだ。無限の速度で伝わる現象に違いないのだ。しかし……気にはなる。ひっかかるのだ。
それは佐伯の話。伝達速度が無限ではなく有限であることが、世界分裂の証であると。有限であるなら、移動しているこちらにもし加速器があって、もつれた量子を消滅させると、向こうでは想定時間前に消滅するだろう。相対性理論により、光速を越えることで過去に向かって情報が行くのだ。
ふと古典的な話を思う。宇宙に絶対座標がないのなら、地球を中心にする必要があるだろうか。地球からコーネルが離れているのではなくて、コーネルから地球が離れていくと見ても同じではないだろうか。そうなると、コーネルから超光速の信号を送ると時間を遡る、という話に正当性はなくなるのではないか。いや、これは次のように考えられる。コーネルは地球から出発している。地球が持っているベクトルに加えて、反水素エンジンで新たなベクトルを加えた結果、地球から光速の六パーセントで離れていくのだ。つまりコーネルは既に地球のベクトルを含んでいるのであって、その意味では地球を中心をする考え方で間違いはない。
これは時間の考え方も同じだ。実際のところ、宇宙に絶対時間が流れているわけではない。光の速度が誰から見ても同じであり、それに合わせて時間の流れが個々に異なっているというのが定説だ。だからこの実験で同時と呼ばれている瞬間についても、地球を中心としてコーネルの時間を補正したものに過ぎないのだ。
今回の実験で、伝達速度が光速を越えた有限のものであるなら、タイムパラドックスを簡単に起こせる。
地球とコーネルで、絡み合う量子のペアAとペアBがあるとする。地球でAを消し、コーネルでAが消えたのを確認してBを消すとする。伝達速度が超光速で有限の場合、地球でAを消すと、少し遅れてコーネルのAが消える。それを確認してコーネルでBを消すと(消すことが可能として)、コーネルが十分な速度、つまり光速に近い速度で運動していれば、時間を遡ることで地球ではAを消すよりも前にBが消えるはずだ。そこで、Bが消えたのを確認して、Aを消すのを中止したらどうなるだろうか。これが因果律を壊すと言われるタイムパラドックスである。Bが消えたということは、Aを消した結果である。しかしBが消えたのを確認してAを消すのをやめたら、ではどうしてBは消されてしまったのだろうか。矛盾してしまう。
世界が分裂していくのなら、この矛盾は起こらない。起こり得る数だけ、世界は分裂していく。地球でAを消した時、世界はAを消した世界と、消さなかった世界の二つに分かれる。正確には、その分裂はAを消す可能性がある時の数だけ存在するので、それだけでも膨大な数ではある。Aの消滅を確認したコーネルがBを消すが、それが時を遡り、地球でのBの消滅時刻が、Aを消す前となった場合はどうなるか? それは単に、地球でその時刻にBが消えた世界が一つ分裂するに過ぎない。世界は時間軸に沿って枝状に分かれていくが、その枝が途中から一つ(正確には可能性の数だけ)増えるというだけなのだ。地球でAを消す前にBが消えた世界で、その後Aを消そうが消すまいか、そのBを消した世界とはもう何も関係ないのだ。
世界のあらゆる分裂は、その事項が起きた世界と、起きなかった世界という二つに分かれるものである。二つの世界は、さらに二つに分かれ、それらも二つに分かれていく。その全体の姿は次のようになるだろう。
1+2+4+8+……∞
早苗は不意に思い出した。竜也が見入っていた、山吹妃紗の絵のこと。あの絵に描いてあった樹の枝もこの規則で分岐していた。竜也は多世界の姿を見ていたのだ。
そして曼荼羅で見たパターンも同じように分裂していった。パターンは枝ではないが、時間軸を考えれば枝と同じように分かれていったと言える。でも佐伯は言った。それは飽和すると消滅するのだと。全ては消滅する。全てのものは誕生しては分裂して消滅する。
でも、なぜ誕生と消滅があるのだろう。そもそも誕生とは何だろうか?
再び日常が始まった。親しい何人かとメールのやりとりはしていて、それは自分を見失わないための大切な支えには違いなかったが、そのやりとりに三ヶ月四ヶ月とかかるようになってくると、何か寂しく、苦しい思いの方が心を覆ってくる。向こうからは日常の様々なことの報告が来るが、こちらから報告できることは何もない。外の景色にも変化はないし、それ以外は仕事だった。時々、自分が虚しい存在だと思えてくることもある。やはり間違っているのだと思えてくることもある。それでも、精神状態に関する自己申告に、心配されそうなことを書くつもりは全くない。自分は一人ででもヤヨイへ行く。それだけは揺るぎない決意。竜也との固い約束のようなものだった。
早苗はテラにいる時間が増えた。カラスだけではなく、何人か、実在の人間のデータをもとにした相手に出会えた。だいたい同じ場所にいて、同じような話をした。カラスはあいかわらず、輪郭と多世界の話をしている。
佐伯のメールだけがなぜか特別な気がしている。ほとんど超光速通信に関する進展についてだったし、彼の日常の話もほとんどない。彼に今、家族や恋人がいるかも分からない。それでも竜也と会えるとか、そんな話をしてきたりする。彼は何か自分の存在に関わる鍵を握っている気がするのだ。
超光速通信自体は、量子消滅の別の実験をやっているらしく、しばらくコーネルの量子を使うことはなさそうだった。最後のあの実験結果は、情報伝達が有限の速度であることを示していたが、佐伯自身が誤差を疑っていた。佐伯の予想では、今のコーネルの速度なら、もっと差が出ているものと思っていたらしい。多分、超光速通信が実現する前に、二十年が経って自分は地球に帰っているだろうと早苗は思った。地球に帰った自分は、もう初老だ。
外の星々は動かない。十年が経とうとしていた。あと約一ヶ月でヤヨイに着く頃、コーネルは減速を始めた。
コーネルから観測して何度目かの変化で、ヤヨイは再び明るくなりつつあった。ただ、それ以外の情報はほとんど得られない。無人観測機はプロジェクトを終えているので、新しい映像も入手できない。ネットワークでの議論もかなり減ってはいたが、コーネルがヤヨイに近づくに連れ、再び参加する者も増えると思われる。しかし地球から0.6光年離れている早苗が分かるのは、約七ヶ月前の地球の様子だ。コーネルに近づいている今も、ヤヨイの話題は少ないままにしか見えなかった。
ライブ映像を常に送信するようになった。動かない星々の中に、一つだけ、次第に明るさを増してゆく光がある。ヤヨイが肉眼でも分かり始めた。光学望遠鏡を使うと、無人観測機と同じ、まだら模様が確認できた。いよいよ、その時が近い。コーネルは重力を計測し、ヤヨイを周回する軌道に乗せようと計算を続けている。
この十年で、ヤヨイよりも超光速通信の進展が大きかった。実際、ヤヨイの観測プロジェクトに等しい規模の大規模プロジェクトになりつつあった。実用性を考えれば、可能性がある限り大きくなっても不思議ではない。
量子消滅の実験は軌道上の超大型加速器を使ったあの時以来、行っていない。結局、量子消滅では必要なエネルギーが大きすぎて、一文字のメッセージを一方向に送ることさえ不可能だった。代わって登場したのは、超小型ワームホールを出現させ、そこにマイクロ波を通す方法だった。
ワームホールは強力な磁場で出現させることができるが、どこにつながるのか、またどこにつながっているのか全く分からなかった。しかし、絡み合った量子と関係づけることができれば、量子同士がワームホールでつながることが理論的に導き出された。実際にはワームホールが絡み合った量子と同じ位置で、重ね合わせの出口を持つというようなものだったが、片方から入れた信号は、もう片方から出てくるはずだった。
絡み合った量子を用いた実験は、地球にある古い加速器を分解して造った強力な電磁石を用いて行われた。想定通りワームホールは出現したが、一瞬にして消えてしまった。その際には量子消滅と同じ現象が起きた。ワームホールはできたものの、極めて不安定であった。
ワームホールを安定させなければ通信には使えない。そこで登場したのは反物質だった。反物質は負の質量を持つわけではないが、ワームホール付近で回転運動をさせることにより、負のエネルギーを出現させる。それがワームホールの口が閉じてしまうことを阻止するのだ。
ここまでの進展を見て、早苗は胸が高鳴った。コーネルには十年前までに人類が生産してきた反水素のほとんどが搭載されている。絡み合った量子も持っている。反水素を蓄えてくために加速器並の電磁石も持っているから、材料は揃っている。でも、ここには技術がない。残念でならない。もし帰還して、反水素が余っていれば(予定では三分の一は余る)、この技術に全て提供しようと思った。
しかし研究はさらに進んで、実際にコーネルを使う実験が計画された。コーネルに搭載された予備の電磁石を使用し、船外でメンテナンスロボットを使って装置を組み上げる。そのための設計図とロボット用のプログラムが送られてきた。早苗は指示通りに部品を用意し、あとはロボットがプログラムに従って加工するに任せた。そして装置はできあがったが、まだ使えないと言う。地球とコーネルでは時間の進み方が違うので、いくら反物質を用いても、ワームホールが安定しない。実験は減速したあとだ。絡み合う量子を装置にセットし、反水素の誘導路を接続して、その時を待つ。
ヤヨイが近づいてきた。早苗は光学望遠鏡の映像を見ながら、驚くと同時に、やはりという思いもあった。それは曼荼羅と同じものだった。かつて早苗が、佐伯について行って見せられた万界散華の象徴とも言うべき思想の造形物だ。まるで微生物がうごめいているようなまだらのパターン。その中を飛び交う光。それは次々と分裂を繰り返し、増殖していく。ヤヨイの映像は一見動いていないように見えるが、実際はゆっくりと動いていた。まだら模様も分裂する光も同じだった。偶然の一致ではあり得ない。ライブ映像は地球に向けて発信されているが、まだ届かないだろう。佐伯の話を聞きたい。
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