2.

 吉野の葬式から二日後、月曜日からの日常が戻ってきた。仕事は面白くはなかったが、辛いものでもない。緑川の勤め先はコンピュータシステムの販売会社で、緑川は営業支援部門の所属であり、顧客へのシステム提案のための調査や資料作成が主な仕事だった。先輩の指示で顧客への提案内容をプレゼン用のスライドデータにまとめていく。仕事中は、常に机上のノートパソコンと向き合っている状態だ。 

 最近、仕事中に小野京香のほうをチラチラと見ている。小野は事務関係の部署にいるので、接点はほとんどない。小野がいる島がやや離れていながらも同じフロアにあるので、見ようと思えば、常に小野を目に入れることができる。小野は最近入社してきた。年齢は緑川と同じぐらいだ。特に美人というわけではない。事務の制服に着替える前は、英字のTシャツに長めでモノトーンのスカートといった姿。髪は乱雑で、学生みたいな雰囲気で、目立たないが個性的な印象がある。自分が考えている女性という生き物と、ずいぶん違うような気がしている。ただ、女性経験の乏しい緑川は、自分の知識や感覚が一般と違うことも多いと分かっている。自分もいわゆる男性とは違うだろう。小野も自分と同じような一人だろうと勝手に思い、自分もまた世間からは少し距離を置いているので、小野とは何か通じ合うものがあるかもしれないなどと思っていた。小野は昼休みに、誰とも話さず一人イヤホンで音楽を聴いていることが多い。女性は群れておしゃべりするものだと思っている緑川には、その姿もどこか惹かれるものがあった。何の音楽を聴いているのだろう。そこに一人男性社員が来て話しかけた。飲み会好きで軽い調子の社員だ。小野はイヤホンを外し、笑顔で答えている。緑川はそれを見て何となくイライラする。仕事の話か? いや、そうではなさそうだ。彼は誘ってるのか? 小野は嫌じゃないのか? あんな軽い俗っぽい男に、愛想よく接するなんて。ふと、自分は何をこんなに考えているのかと思う。もしかして、小野を好きになったのだろうか。ほとんど会話してもいないのに。そんな時は小野の方を見ないようにするが、結局またチラチラと見始めてしまう。


 勤め先からの帰宅途中、遅くまで開店しているスーパーの総菜で夕食を揃える。家に帰り、テレビをつけてもあまり面白くない。大抵はパソコンの前でネットを見ながら夕食をとる。汁がはねたりして、キーボードもかなり汚いんだろうと思うが、あまり気にはならない。

 動画サイトで、ライフゲームを探してみた。すると、昔では想像もしなかったような動画がいくつも出てきた。ライフゲームはルールこそ昔と変わらないが、研究が進んでいて、規模も大きくなっていた。生命を表すドットを意図的に、特定の並べ方をすると、その後のステップを進めた結果は、まるで精密なシステムのように機能する。実際、ライフゲームは「チューリングマシン」といって、ドットの組み合わせ方によってはコンピュータと同じようにあらゆる計算ができるのだという。

 「グライダー発射機」というものがある。「グライダー」とは最も代表的な移動体であり、五つのドットが斜め方向に移動していくもの。発射機は、ある並べ方をすると、一定間隔で同じ方向にグライダーを発射するものである。さらに、グライダー発射機を組み合わせ、複数のグライダーから一つの大きな宇宙船のような形が組み立てられ、それが組み上がると発射していくという鮮やかな動画もあった。いったいどんな計算をしたら、ここまでのものができるのだろう。こうなると、ライフゲームがただの生命シミュレーションではなくて、非常に凝ったプログラミングをされたスクリーンセーバーか、あるいは街のきれいなネオンサインのようにも見える。

 しかし……緑川は吉野を失って以来の、心に開いた穴を感じながら思う。自分が見たいのはこういうものではない。吉野はどこに行ったのだ? 吉野の恋人の、寂しそうな表情も思い出す。あの人はどうしているだろう。自分も今同じ顔をしているのかもしれない。自分が見たいと思っているのは、こんな動画の遊びじゃなくて、この世を投影したような世界だ。生命が生まれて、そして死んだらどこに行くのかを示してくれる世界だ。吉野は、この世がライフゲームのようなセルオートマトンではないかと言った。それは違うと思うが、吉野がそう言うのなら、その可能性もあるかもしれない。光が美しく揺れる海を見ながら言ったことが、どうでもいいことのはずはないじゃないか。

 いやいや……美しい海を見ながら言ったから重要だなんて、全く科学的じゃないよな。緑川は一人で苦笑する。そしてまた、ため息を一つついた。最近の悪い癖だ。ため息なんかするものじゃない。

 ライフゲームのプログラムを呼び出し、ルールを変えてみる。ルールを変えることで、ステップが進んでいった時の展開が変わり、それは一つのパターンといった特色を持つ。ルールの変更は吉野とさんざん試したのだが、何となく忘れているものがある気がしている。一つのセルについて、周囲の生命体の数はゼロから八個である。何個ある場合にどうなるか、という条件の組み合わせは2の9乗あることになる。512通りだ。そのセルに生命体がある場合と無い場合にそれぞれ512通りの組み合わせが取れるので、結局全部の組み合わせ、つまり作れるルールは512×512。262144通り。さんざんやったといっても、これら全部の組み合わせについて確かめられるはずもない。

 とはいえ、条件の変更により影響の大きいところは決まっていて、周囲の生命体の数がゼロから四ぐらいまで。それ以上の部分になると、変えたところで、そんなにパターンに影響はないようだ。

 既に知られていることとして、パターンには四種類ある。セルオートマトンの用語で「クラス」といい、1~4に分類される。ステップが進むにつれ、生命体が無くなってしまうか、生命体で埋め尽くされてしまうものを「クラス1」、ある程度の生命体で数が固定されてしまうものは「クラス2」、大小さまざまなパターンでランダムに埋め尽くされ、カオスを感じさせるものを「クラス3」、そしてランダムと秩序がせめぎ合うように出現するものを「クラス4」と呼ぶ。ライフゲームはクラス4である。セルオートマトンにおいて、あたかも生命のような複雑な挙動を見せるのは全て「カオスの縁」と呼ばれるクラス4として現れる。そして、ライフゲームのルールをいくら変えたところで、クラス4はわずか二つしかないといわれている。また。一般的に使われているルール「周囲三つで誕生、周囲二つか三つで生存」、というものが最も生命を感じさせる絶妙な設定であることも間違いはないらしい。いくらルールを変えても、この知られているパターン以上に意味のありそうなパターンは出てこないというのだ。

 しかし……何か忘れているのでは、と緑川は思う。いや、忘れているのではなくて、これだけではないはずだという、何か期待のようなものがある。

 緑川は、動画サイトをさらに漁ってみた。ライフゲームでルールを変えたパターンというのは特にないようだった。普通のライフゲームにBGMを付けた動画はいくつかあった。その中で妙に心地いい音楽があった。いわゆる四つ打ちのリズムの中で、二つの電子音の旋律が絡み合う音楽。二つの旋律は関係を持つような、全く別々のような、何か微妙な距離感を保って流れてくる。投稿者は「二重ラセン」という名前だった。バンド名ではなく、個人名のようだ。彼はこういう音楽ばかり作っているらしい。他にも同じ二重ラセンの曲を聞いてみた。どれも歌のない電子音楽だった。テクノと呼ばれているらしい。悪くないと思った。緑川は流行の歌を聞くぐらいしか音楽に興味はないが、この二重ラセンはなかなかいいと思った。音楽を映像と組み合わせているが、人は出てこない。抽象的な模様や、宇宙のCG映像なども使っていた。ビッグバンから始まり、膨張していく宇宙だったが、それが次々と小さい宇宙を生んでいく。子宇宙や孫宇宙は数え切れないほどの数になる。驚いたことに旋律も宇宙の数に合わせるように分裂していった。映像と音楽が一緒に頭に入ってきて、何か頭がくらくらする。陶酔感がある。この二重ラセンという人は天才だと思った。

 いくつも聞いていると、二重ラセンは一人だけの活動ではなく、女性ヴォーカルとユニットも組んでいた。「モルフォジェネティク」という名前だったが、聞いてみると、音楽はより重低音が増していて、電子音もノイズが多くハードで、ヴォーカルは音が割れてけたたましく、こっちはあまり聴く気にならない感じだった。


 休日、緑川はあまり外出する習慣がないが、思い立って上野の科学博物館に行ってみた。何となく宇宙に関する展示が見たくなったのだ。二重ラセンの動画で見た宇宙のビッグバン。現在では彼の作品のように、宇宙からまた子供の宇宙が生まれるという説もあるらしい。宇宙関係の暗い展示室に入ると、地球や太陽系、銀河のモデルが浮かんでいる。そして、その一つにガラスの塊を宇宙と見立て、親宇宙から子宇宙、孫宇宙と次々と誕生していくという美しいモデルがあった。まるで彼の音楽のようだと思った。

 宇宙モデルについての様々な説明もあった。最近の仮説では、宇宙は自分達がいるこの宇宙一つではないかもしれない。他にも宇宙があって、その宇宙では物理定数も違うかもしれない。物理定数が少しでも違っていれば、現在の宇宙のような姿は成立できないという。この宇宙と違う物理定数の宇宙は、全く違う姿であり、そこには違う生命が存在しているかもしれない。いや、そもそも生命って何だろうか? この宇宙固有の現象だろうか? あるいはどんな物理定数の宇宙でも、何かしら生命というものは誕生し、存在するのだろうか? しかし生命が存在しなければ……もっと言えば、高等生物がいなければ、宇宙を認識する存在もいないことになる。認識するもののいない宇宙は存在していることに意味があるのか? そもそも何のために宇宙はあるのか、何のために宇宙があって、何のために自分達は生まれてきたのだろう……緑川はそんなことを考え、頭がくらくらしてくる。

 そのまま緑川は科学博物館を出て、広い上野公園内をぶらついた。宇宙の展示を見たことにはそれなりに満足していたが、吉野が言っていた、この世界はセルオートマトンか、ということの答えにつながるものは何もなかった。いや、展示を見ている時は、何も考えていなかった。ただ、思い返してみても展示物とセルオートマトンを結びつけるものはない。じゃあ自分は何しに行ったんだろうか?

 大きなシンメトリーの噴水の脇を歩き、桜並木の中を歩く。今は緑の季節だ。上野公園近くは美術館が多いためか、ところどころ似顔絵描きがいる。大抵折りたたみの小さな椅子に座っていて、傍らに似顔絵のサンプルを並べているが、だいたいはどこかで見た芸能人の顔だった。サンプルとして分かりやすいのだろう。どれだけ本人そっくりに描けるかを競っているかのようだが、結局どれもそっくりというだけで、緑川には絵描きの違いが分からなかったし、興味もなかった。ただ、公園の出口あたりで、ある似顔絵描きの絵に何か引っかかるものを感じ、足を止めた。見たところサンプルは芸能人ではないようだった。それに一枚一枚何かが違っていた。もちろん顔が違うのだが、それ以外。注意して見ると、輪郭などを描く線の太さや本数の違いらしいというのが分かった。しかし、それだけでもないような気がする。

 その絵描きも小さい折りたたみの椅子に座っている。腕を組んで目を閉じ、下を向いていた。若い男のようだが緑川よりやや年上か。しかしその風采は全身黒ずくめだった。黒いズボン、黒い上着、ついでに釣り鐘みたいな黒い帽子をかぶっている。緑川がまだ似顔絵のいくつかに見入っていると、男は顔を上げた。しばらく緑川を見ているが、緑川は気がつかない。男はどこか鋭い目で、緑川を観察しているようだった。

「描こうか?」

 男が言うと、緑川は驚いて男の方を見た。鋭い視線と合ってしまい、緑川は思わず視線を外した。座ったまま眠っているのかと思っていた。

「あ、いや、い、いいです……見ているだけなんで」

 緊張しつつ、小声でそうは言ったものの、何となく立ち去り難いものも感じていた。立ち去るのが悪いというより、絵に惹かれるものがある。

「あの……一人一人、線が違うんですね」

 そう訊くと、男は少し笑った。

「分かるか? そう……一人一人輪郭が違う。形の話だけじゃない。存在感のようなもんだな」

「はあ……」

「君はちょっと不思議だな。一見存在感が薄そうだが、見てるとそうでもない」

 緑川は学生のころ目立たず、存在感が薄いなどと言われたこともあり、気にしていた。今でも会社ではそう言われているのかもしれない。しかし、そうでもないなんて、褒められたような気がして、少し気分が良くなる。

「あのう、描いてもらうと、いくらですか?」

「三千五百円……なんだけど、俺も君をちょっと描いてみたい。三千円でいいよ」

 緑川は少し迷う。持っていないわけではないが、三千円は緑川にとって安くはない。ただ、ここまできたら勢いのような気がする。

「じゃあ、お願いします」

「うん、じゃそこに座って」

 緑川は、男の前にあるもう一つの折りたたみ椅子に座った。早速男は画用紙を出し、画板に固定して、緑川の顔を見ながら描いていった。彼が使っているのは木炭のようだ。紙の上に素早く走らせて描画する音を立てている。素早いが、何をどう描いているかは緑川からは見えない。描きながら男はしゃべった。

「心の中に迷いがあると、輪郭が分裂して薄くなり、不鮮明になる。俺の知り合いの話だと、世界は人が選択する度に分裂しているんだと。つまり世界がたくさんある。俺にはその分裂した世界の重ね合わせが見えるような気がする。まあ、そいつは信じてくれないがね。分裂していった世界は絶対に見えないはずだって言うしな。でも俺には見えるんだよ。迷っているヤツは世界の分裂が多い。だから輪郭がぼやけるし、多い分薄くなるんだよ。しかし君はどうも不思議だな。迷っているようだが、線が細くない。何て言うか、太い線が二重三重になっている感じだ。何か悩んでいないか? 強い感情にとらわれているってところかな」

 緑川はしばらくして、自分に質問されたことに気づく。

「え? あ……いや……」

 言おうかどうしようか、でも言ってしまう。

「強い感情なのかは分からないけど……先日友達が死んで……それから、命って何なのかとかって考えていて……友達の話だと、この世界はセルオートマトンだと」

「え? なんだそりゃ?」

 男は分からないが、別に分からないでも構わないというように鼻で笑う。

「ええ……と、その場のルールによって、次の瞬間が変わる、波に映る光のようなものかな……」

 吉野と見た海を少し思い出す。

「へえ、場所には記憶があるようだけどな」

「えっ?」

 あっさり言うので、緑川は驚いた。まさかここで同じような話を聞くとは。ただ、記憶とルールとは違うが。

「迷いが吹っ切れた場所や、何か大きなことを決断した場所には、痕跡が残る。つまり、そこで世界が大きく分裂するってことかな。世界は時間に沿って河のように流れているから、まあ河の大きな分岐点みたいなものだ」

「それ、分かるんですか?」

「まあ何となくね。輪郭ほどじゃない。俺は風景画も描くが、昔大きなことがあった場所には、ただならない気配があるよ……さてと、できた」

 男はそう言って、紙を画板からはがして、緑川に見せた。男がさっき言った通り、輪郭が何本もの濃い線が集まったものだ。思ってたものとだいぶ違う感じだが、何か力強くて、見た瞬間、絵を気に入っていた。

「どうだ? 悪くないだろ」

「はい……ありがとうございます」

 指定通り三千円払った。男は絵を丁寧に丸めてくれた。緑川は、画家の名前ぐらい訊いておこうと思った。

「あの、あなたの名前、何ですか?」

「俺か? ……カラスだ」

「カラス?」

「見て分かるだろ? 俺はこんな黒い格好しかしない。だからカラスだ」

「暑くないんですか?」

「別に……と言いたいが確かに暑いな。でも、この格好じゃないと落ち着かなくてな」

 男は口を歪めて笑った。悪い印象ではなかった。

 それから上野公園を出て、緑川は家に帰った。早速カラスが描いた絵をあらためて見てみる。そして閃いたことがあり、一人で身震いする。

「不確定性原理だ……」

 月は誰も観察していない時は、その位置が不確定である。つまり輪郭は不確定だ。人間ももちろん……輪郭は確定していないのだ。いや、でもカラスは自分を見て、観察しているんだから、輪郭は確定しているはずだ。だから、この絵と不確定性原理を結びつけるのは間違えている。科学的じゃない。カラスは世界が分裂しているとか言っていた。パラレルワールドと言ったろうか、何か聞いたことがあるような気がするが。いや、それより、場所に記憶があるという話の方が興味深い。個々の生命ではなく、場に記憶があるとなると、この世は場にルールを持っているセルオートマトンとも言えるかもしれない。

 緑川の考えがライフゲームの方に行く。今ある、あのライフゲームはルールが単純過ぎるんじゃないだろうか。例えば、生命体が一種類ではなく、男と女に相当する二種類を使ったらどうなるだろうか。つまり、一色のライフゲームではない、二色のライフゲームを作ってみたら……そう思いつき、緑川はプログラムの作成を始めた。

 セルとなる縦横(二次元)の配列変数を二つ用意する。最初の生命を、一つ目の配列変数にランダムに配置する。配列変数の端から見ていき、決められたルールに従って、もう一つの配列変数に並べていく。それを画面に表示したら、全てを一つ目の配列変数にコピーして同じ処理を繰り返す……一色でも二色でも、処理の流れは変わりない。

 深夜までプログラムを組んでいたが、結局もう少しというところでできなかった。倒れるように眠り込んで、朝はいつも通りに起きたが、寝不足気味で、会社では頭がぼんやりしていて、どうにか言われた仕事を進めていた。幸い急ぎの仕事ではない。途中、書類を出しに管理部の島まで行く。小野がいるはずだが、その時は席を外していた。例え小野がいたとしても、緑川は用もなく話しかけるタイプではないし、軽い世間話も苦手だ。そのかわり、帰り際に机を一瞬見てみた。CDアルバムの中に入っている冊子が置いてあった。休み時間に聴いて歌詞でも見ていたものらしい。その表紙を見て驚いた。「モルフォジェネティク」だった。あの二重ラセンと女性ヴォーカルのユニットだ。インディーズで何枚かCDを出しているが、決して有名ではないはずだ。自分しか知らないと思っていたが、小野が聴いていたとは。心臓が妙に高鳴ったまま席に戻った。変な汗もかいている。小野と話したい。そのユニットを自分も知っていると伝えたい。自分が関心あるのは二重ラセンの方だが、それでも、いつも気にしている小野と話すきっかけになるに違いない。緑川はライフゲームのことなど忘れ、頭の中は小野のことでいっぱいになってしまった。モルフォジェネティクをどこで知ったんだろうか? 動画で見た限りでは、ヴォーカルは音程もなくけたたましく絶叫しているだけのような、とにかく破壊的な感じだった。緑川はどうにも、いいとは思えず、すぐに聴くのをやめてしまったが、小野が聴いているのなら、もう少しちゃんと聴いた方がいいかもしれない。そういえば、今日は会社を辞めていく人の送別会だ。小野も出るだろうか? 出るならどうにか話をしたい。

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