[1-21] スプーンとフォークの関係性についての哲学的な問いかけ
ウィスはある明かり用の火炉を手元に引き寄せながら、ペン先にインクを染みこませた。
彼女は、遠征から公爵家の屋敷へ帰還すると、あてがわれた部屋にこもった。
すぐにでもミハエル王子への報告書をまとめたかった。なにせ強行軍だったので、簡単なメモくらいしか取る暇はなく、経験した出来事の記憶がまた新しい内に仕上げてしまいたかった。
彼女は途中まで書いたところでペンを置き一息つく。インクが乾くのを待ちながら、書いた内容に偽りがないかを確認する。
手元の報告書は、以下のように書いた。
斥候部隊「狐の目」から、東部山岳部の村を飛竜傭兵が拠点としているとの報が入る。すでにいくつかの村が襲撃され虐殺の痕跡ありとのこと。
この斥候部隊はレヴィア様が新たに考案したスマホなる魔道具により、馬で数日も要する場所との会話を可能にする。この部隊の隊長にはソーヤ殿が任命され、平民だけで構成されている。
ソーヤ殿はこの報を家宰クヴァル様に伝え、助言を行った。
この助言は採用された。周辺の村々は物資を破壊あるいは焼却し、民の避難をただちに開始。この先導は現地に展開していた狐の目が行った模様。小規模ながら焦土戦を展開する。目的は飛竜傭兵の一団を足止めすること。結果的にこれは効を奏す。
同時に、聖騎士による強行軍を開始。
観察を継続するため、我ら聖騎士団もこれに同行。その一隊をなす。
他に家宰のクヴァル・スヴェロ様、フェン公爵家の後見人カーラ・フェン様が指揮官として同行。さらに、レヴィア様も当主として従軍。ソーヤ殿も斥候隊長として加わった。
ここまで確認して、ウィスは少し迷った。
行軍中の様子については報告すべきだろうか?
めぼしい報告内容としては、ソーヤ殿が嫌がるレヴィア様を、紐で縛り背負って連れ出したことだろう。
ふと、それを読んだミハエル様が楽しそうに笑う姿が目に浮かんで、やっぱり書くのは止めよう、と思い直した。他にも書くべきことは沢山ある。
さて、インクも乾いたようだ。続きを書こう。
斥候部隊「狐の目」のヘイティなる男が、飛竜傭兵が滞在する村に潜入。このヘイティなる人物は極めて下品な男であり、彼の部隊に招いたソーヤ殿の判断には疑問ありと私は考える。
その後、このヘイティから飛竜族の大族長であるロンシャンのリュウが村に出現の報が入る。
ヘイティなる愚か者はリュウに追い詰められたが、近くまで進軍していたソーヤ殿が鏡渡りで村へと転移。これを救出する。ヘイティは生き残りである地方貴族の娘をつれ、飛竜を一匹奪って脱出した。
また、この貴族の娘が帝国の奴隷の首輪をつけられていたことも重要事項として記しておく。その背後には、以前より懸念されていた飛竜傭兵と帝国の同盟関係があると考えられる。
これと同時に、家宰クヴァル様は聖騎士を率いて突撃を開始。我々もこれを追走。よって、以降は私が見たことではなく、伝聞によるものも含まれることに注意されたし。
ソーヤ殿は村でロンシャンのリュウと交戦、討ち取ること叶わずも、再び鏡渡りで本陣に生還。
直後、クヴァル様、カーラ様、そして当主であるレヴィア様の委任をもって、全軍の指揮をソーヤ殿が統括。本来の統括であるクヴァル様が一隊を率いて突撃したための臨時の処置だと思われる。また、これ以降の命令指揮はスマホの術で行われたことは記するべきと考えられる。指揮命令、斥候など軍運用においてこの術は非常に有効であると判断する。
この術により、飛竜傭兵30騎あまりが逃亡中のヘイティを追跡中との報が入る。
先行するクヴァル隊と飛竜傭兵の接触を間近にして、レヴィア様の大規模魔術が発動。属性は火、術式は火球なれど威力は甚大。一撃にて、飛竜傭兵を吹き飛ばし、この陣形を大いに乱し、体勢を決定づけた。
以降は掃討戦。
我が隊、クヴァル様の隊ともに展開し、大地に落ちた生き残りの飛竜傭兵に対処。
空中に旋回するロンシャンのリュウらしき少数の部隊を確認するも、これは友軍の壊滅を確認後、東方山脈へと撤退。北方公爵軍も我らもこれを追わず。
以降、飛竜傭兵による襲撃の報は途絶え、遠征隊は領都へ帰還した。
——以上。
取りあえずこんなものだろうか?
ペン先に余ったインクを布で拭き取りながら、念のために後半部分を確認していく。
……さて。
あの遠征で見たことがまだ信じられない自分がいる。
それを文章にした結果がこの報告書ではあるが、読む者によっては報告者の精神異常を疑いかねない内容になっていた。
あの爆発はまだこの目に焼き付いている。
あの鏡から聞こえたソーヤ殿の「伏せてください!」という命令に、我々はすぐに反応できなかった。一方で先行する北方の聖騎士たちはすぐさまに足を止め、馬から下りて結界を貼り合わせていた。
何をしている。敵は目前なのだぞ、と怪訝に思った時だ。
空で光が
音が鼓膜を刺した。風圧で馬から吹き飛ばされるところだった。
実際、周りの聖騎士達の何人かは落馬した。馬の下敷きになった者も多い。ああ、そう言えば、その自軍の被害を報告書に書いてなかったな。骨折したものが何人かいたはずだ。書き加えておかねばなるまい。
……あれが、災厄令嬢か。
正直なところ、恐ろしかった。
ペンを持つ手が震えだして文字を乱す。あわてて左手で押さえ込むが、肩から震えて止めることができなかった。
もし、彼女が本気になれば、一国すら容易に落とせてしまうだろう。ほんの気まぐれで、あの癇癪もちの激情が揺らぐだけで、自分のような一介の聖騎士ごときは消し炭にされてしまう。
今思えば、この護衛隊として初めてレヴィア様にまみえた時、私は大変な失礼をした。あの時はミハエル様の婚約者であるのに、従者を追いかけて不埒な噂の元凶となっている彼女に抗議する腹づもりだったのだ。
しかし、今はただただ恐ろしい。
あの時の彼女は噂とはまったく違っていた。年齢不相応なほどに淑女な態度で、ただ穏やかに私を許した。
しかし、この遠征であらためて見せたその気性は噂通りの激しいものだった。もし、あの強大な力の一片でもこちらに向けられたとしたら……。
そんな恐怖と同時に、もう一つの記憶が思い浮かぶ。
それは災厄令嬢の滑稽な様子だった。
ソーヤ殿と彼女の行軍中の様子だった。彼は、嫌がる彼女をまるで聞き分けのない子どもを扱うように抑えつけ、背負い上げて無理矢理に連れ回していた。従軍中の二人は、まるで乳飲み子を背負いながら畑仕事にいそしむ農民みたいな様子だった。
その姿を思い浮かべると、どうしようもなかった震えが、ぴたっと止まった。
——ソーヤだ。ソーヤをよく見て、そして報告してくれ。
ミハエル様から仰せつかった命令を思い出す。
ああ、なるほど。そうだったのか。
ゆえに、ソーヤ殿なのか。だから、ミハエル様は私などではなく、彼を人差し指に選ばれたのだろう。
ウィスは書き終えた報告書を丸めると、火炉で蝋を溶かしてそれに封をした。
◇
「さあ、お義母さま。始めてください」
昼下がりの午後、キッチンで昼食の後片付けを終えた後だった。
私はリビングにある化粧台の鏡の前で、向こうの世界にいるレヴィアちゃんからそう言われた。鏡には二人の女の子が見える。椅子の横に腕組みをして立っているのがレヴィアちゃんで、椅子に座っている女の子は……だれ?
数時間前のことだ。
自分用の昼食と、家族の夕食用にとロールキャベツを煮込んでいた時のことだった。コンソメに、トマト缶を入れて煮込むのが我が家風だったりする。
(お義母さま。どうしてもお願いしたいことがあるのです)
「何かしら? あっ、そんな事よりも、宗谷に伝えてくれないかしら。今日はロールキャベツだから、こっちの世界に顔を出しなさいって。お父さんも玲奈も顔を見たがっているわ」
(あ、はい。伝えときます)
「ありがとう。で?」
(ええ、実は……)
彼女のお願いというのは、ある女の子に腐女子の素質があるかを調べて欲しいというものだった。
また、何やら怪しいことを言い出したわね。
ちなみに、腐女子というのは生まれ持った性質によるところが大きい。
あくまで一般論だが、女子はみんな恋愛が好きだ。この点については、腐女子だろうが夢女子だろうが一緒だ。しかし、自分が恋愛するのが好きな女子と他人の恋愛を眺めるのが好きな女子の二つに分かれる。
こういう分岐の果てに、単なる女オタクから夢女子や腐女子などに分類されるのだと、私は考えている。単純に楽しむカップリングの性別の組み合わせだけでも、BLにNLにGLの三つあるのだ。あっ、NLはNormal Loveだから異性間恋愛で、GLはGirls Loveだから女の子同士の恋愛だ。常識だよね。
この中で、腐女子の素質とは、BLの嗜好性を持ち他人の恋愛を眺めて楽しむタイプであることを言う。
「え〜と、この子の素質を見極めればいいの?」
「はい、そうです」
鏡の向こうに映るレヴィアちゃんは大きく頷いた。
「まぁ、いいけどさ」
「ありがとうございます。ほら、あなた。お義母さまにご挨拶をしなさい」
レヴィアちゃんは、椅子に座った女の子の肩を叩いた。
「は、はい。あの、レヴィア様。こちらの鏡の方は、レヴィア様のお母様なのでしょうか」
「ええ。血のつながりはないけどね。お義母さまは、池袋のお腐くろさんよ」
「はぁ、イケブクロ? オフクロサン?」
「ほら、お待たせしないで、さっさとなさい」
「は、はい」
椅子に座っている女の子は、椅子から立ち上がって会釈した。
あっ、この子、多分だけど貴族じゃない? 会釈の仕方がちゃんと作法どおりだもの。着ているものは素朴だけど、仕草からにじみ出てくる育ちの良さがある。
「初めまして、私はウル男爵家の娘でファーヴェと申します。飛竜の襲撃によりウル家の村は焼かれてしまいましたが、皆さまにこの命を救って頂きました」
「まぁ、そうなの。大変だったのね」
かなり重い過去を告げられて、思わず言葉につまりそうになった。こんな可哀想な子の腐女子の素質なんて見極めてどうするんだ。
「それで、またどうしてここに?」
「はぁ、実は」と彼女は後ろに立つレヴィアちゃんの様子が気になるようだ。
「レヴィアちゃんのことは気にしなくていいわ。正直に答えていいのよ」
「レヴィア、ちゃん……。 は、はい。分かりました」
大人しそうな子じゃないの。
もし、レヴィアちゃんがこの子をイジメようとしているのだったら、私が助けてあげないと。
「実は、ヘイティ様からご命令を受けまして、ここに来てレヴィア様の試験を受けるようにと申しつけられました。レヴィア様から新しい魔道具の作り方を教わってくるように、と」
「ヘイティ?」
「はい。飛竜にのって私を助けてくれた方です」
はぁ、ヘイティさんね。どこかで聞いたことがあったような、なかったような。
「ソーヤの友だちよ」とレヴィアちゃんが補足する。「今回の戦争で、ソーヤと一緒に色々とやってたみたいだわ。そいつからもっとスマホの魔道具を作ってくれって言われたから、ちょうど身よりの無くなったこの子に押しつけてやろうと思って」
「ちょっと、レヴィアちゃん」
「はい」
「ご家族を亡くしたばかりの子の前で、そんな風に言うのはよくないわ」
「……はい」
まったく、ぶっきらぼうなんだから。
「でも、まぁ、レヴィアちゃんなりに考えたのかな? まだお若いのにご領地もご家族をなくされては、生活も大変でしょう。そこでちゃんと生活していけるように、とか?」
「そんなことまで、考えてないわ。ただ、ヘイティの奴にもっと作れって言われるのが面倒だっただけ」
う〜ん。レヴィアちゃんは素直じゃないからな〜。
とはいえ、どうやらこれは悪いことじゃないと思う。
貴族とはいえ男爵といえば村の領主程度だ。それが家族も村も失ったとなれば、路頭に迷うことになるだろう。これが仮に伯爵クラスであったら、その魔力の血筋を入れたいと考える貴族たちから養子に来てくれと申し出もあるだろうけれど。
だが、男爵程度であれば、本人がかなり優秀じゃないと無理だ。
こういった没落した小貴族の末路については、学院でよく噂されているので耳にしている。かなり珍しい例として、ヴァン様のように手柄の大きな騎士の嫁に入ることもある。(しかも、あれは恋愛結婚らしい)
実際には、平民のどこかの豪商なりに嫁入りするなりすることが多いようだ。貴族からの下がり者ということで、いじめられることもあれば、大切にされることもある。そこは引き取り先の人柄で決まってしまう。
そう考えると、この子に魔道具の作成を教え、手に職を与えることは良いことだと思う。それと腐女子としての素質に何の関係があるかは分からないけれど。
「お義母さま。さっさと始めてくださいよ」
「はいはい、分かりました。では、」
姿勢を正して鏡の向こうの女の子に向き直る。
「これから、あなたには少し哲学的な質問をするわ」
「はい」
「正解はないから気軽に答えてちょうだい。現実的に考える必要もないわ。ふわふわしてて大丈夫。質問もふわふわしているからね。ほら、肩の力を抜いて」
「こ、こうですか」
「ええ。それでは始めましょう。これは『スプーンとフォークの関係性』についての質問なの。レヴィアちゃん、あれを持って来て。それと台座を彼女の前に」
「はい、お義母さま」
レヴィアちゃんは、まるで私の召使いみたいに台座を持って来て、そこに言いつけておいたものをならべた。
それは、スプーンとフォークだ。
「あ、あの、これは?」
「スプーンとフォークよ。だけど、お皿はないの。お皿が無いことが重要なの。さぁ、始めましょうか。まずはそのスプーンとフォークを両手に持って」
「こうですか?」
「ええ。そのまま台座に戻してもらうのだけど、その時、自分が一番好きな形に置いて欲しいの。ここには料理もないから、ただ、スプーンとフォークを置くだけ。作法もあるべき場所もないわ。何も無いところにスプーンとフォークを自由に置くの。あなたが、こうあるべきだ、っていう位置に。どう、できる?」
「は、はい。こう、ですか?」
彼女が台座に戻したスプーンとフォークを見る。
……なるほど。
スプーンの凹みにフォークの切っ先を当て、二つの持ち手の部分がピッタリと寄り添うようになっている。
その密着した二本の形は、スタンダードな純愛を示している。しかし、フォークの切っ先をスプーンに当てる置き方に、彼女が隠れ持つ男性的な部分が見て取れた。
「ええ、とても紳士な置き方ね」
「紳士、ですか」
「変な言い方だけど、これが恋愛だとしたら、スプーンとフォーク、どちらが男だと思う?」
「えっ? フォークだと思います」
彼女は頬を赤らめた。
やだぁ。こんな純粋な子に
「だったら、スプーンは?」
「えーと、フォークが男だから、スプーンは女でしょうか」
「ええ。分かったわ。では、今度は少し状況を変えてみましょうか。レヴィアちゃん、アレを彼女に渡して」
「はい、お義母さま」
レヴィアちゃんが差し出したそれを、彼女は両手で受け取る。
それはナイフだ。
「ナイフ?」
「ええ、じゃあ。それをその愛し合うスプーンとフォークがいる台座に置いてちょうだい」
「……」
その時、彼女の表情が固まった。
その様子を私はじっと観察する。明らかに困惑している。この子は不自然に気がついた。そう、スプーンとフォークが異性同士であるという仮定は彼女にとっては不自然なのだ。その不自然に気がつくことが出来た彼女には、素質がある。
「……できません」
「できない?」
「こんなの残酷だと思います。ナイフが可哀想です」
ほう……。この子は、かなりの逸材ね。
「どうしてそう思うの? 絶対に笑わないって約束する。教えてちょうだい」
「だって、だって。本当はフォークと一緒になるのはナイフなのに。それなのに、スプーンなんかに取られちゃって、そんなところに、ナイフを置くなんて可哀想で……」
「ええ、そうね。フォークの本当のパートナーはナイフよね。お肉や魚を食べる時はいつも一緒にいた。協力しあっていたのに」
「それなのに。スプーンとかいう女に取られちゃって。スプーンとフォークが一緒になる意味なんてないのに。スプーンなんて、スープを飲む時しか使わないし、それなら一人で十分のくせに。本当にフォークにとってのパートナーはナイフなのに……。そう思うとナイフのことが可哀想で、私にはもう見てられなくて」
その時、彼女の手がある決意をこめて、ゆっくりと動いた。
ナイフの刃が、スプーンとフォークの間に割って入る。そして、重なりあっていた二本を切り離し、その切っ先でスプーンをはじき飛ばした。
スプーンは台座から落ちて、カランと音を立てた。
「本当の形はこうです」
そう、彼女は静かに断定した。
彼女の手が、ナイフを動かす。その刃をフォークの切っ先に挿入して、二本を寄り添わすようにして置く。
そして、彼女はこちらの方に顔を向けて、ニッコリと笑った。
「……レヴィアちゃん」
「はい、お義母さま」
「この子は合格よ。また一人、恐ろしい子を見つけたわ」
横に控えていたレヴィアちゃんは私の判定を聞くと、彼女の前に回り込んで身をかがめた。
「レヴィア様?」
「あなたはお義母さまに認められた。私たちの同志よ」
「あ、あの」
「私と指輪を交換しなさい。そうね〜、人差し指が空いてるわね。そこでいいわ」
「レ、レヴィア様と指輪の交換など、畏れ多いです」
「綾取りの指輪じゃないわ。これよ」
レヴィアちゃんが取り出したのは、黒い糸の指輪だ。宗谷が使っている白い指輪と対になる黒い指輪。
「それは?」
「いいからつけなさい。面白いものを見せてあげる。悲しいことも全部忘れてしまうくらい、楽しい世界よ」
レヴィアちゃんは自分の人差し指に黒い指輪をはめた。
公爵のご令嬢ともあろう方が、そんな適当に人差し指に指輪をはめるなんて!? と、考えてしまう私も随分とあっちの世界に影響されてるな〜と思う。
そして、レヴィアちゃんは彼女の左手を手にとる。
「いい、これで私たちは友達。秘密を共有する間柄よ」
「そんな。私たち知り合いになって、間もないのに。それなのに強引ですわ」
「後悔はさせない。貴方に教えてあげる。BLの素晴らしさを」
「ビーエル?」
レヴィアちゃんは強引に彼女の人差し指に指輪をはめた。
そして、近くの鏡を引っ張り寄せると嬉しそうな声でこう言った。
「さぁ、見せてあげるわ。今回の冬コミでゲットした珠玉のBLマンガの数々。まず始めに、何といっても、この私が描いた傑作マンガからよ。さぁ、今日は寝かさないわよ!」
ああ、そうか。
レヴィアちゃんがスマホの魔道具を作った真の目的は、きっとこれだったのね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます