第103話 釜の底の大穴
ユリカ:ホイホ〜イ、ユリカだよ〜ん♪普段ならとっくに浮上してる筈の大釜湖のヌシ、コイクチナマズ。どういうわけか、ここ最近全く浮上してないらしいんだけど、何があったのかな?
魔界時間12:38 大釜湖
恵:管理人が来たのにゃ〜。
朱音:そんで?いつから出て来ておらへんねや?
管理人:3日前からです。湖の中心にあるあの浮島に生えてる
朱音:湖底に調査隊を派遣しなかったんか?
管理人:コイクチナマズは
朱音:ほんなら次元空間ソナーで調べたったらええやないか。
管理人:それも検討したのですが・・・その・・・予算が・・・ねぇ。
朱音:そやった、次元空間ソナーってエゲツないくらい高いんやったな。オマケに消費次元エネルギーもハンパないときたもんや。
恵:結構儲けてるのにお金ないのかにゃ?
朱音:ウチの国は物を大事にする気質やさかい、予算を抑えるられるところはとことん抑えてそれでもアカンかったら新品買うねん。勿論、使えなくなったモンは欲しい所に売るねんで♪
ミリア:倹約家なんだね〜♪
恵:え〜?それってケチなだけ・・・
恵の顔面を鷲掴みにして持ち上げる朱音
朱音:失礼な事言うんはどの口や〜?
恵:ふぉ、ふぉふぇんふぁふぁひ。
湖を覗き込むミリア
ミリア:な〜んで出てこないのかなぁ?
恵を放り投げさり気なくミリアの隣にしゃがみ込む朱音
朱音:ホンマ、何でやろうなぁ?
2人の間に割って入るシン
シン:先程ソナーで調べさせたら湖底に張り付く様にピクリとも動かない超巨大生物の影があったそうですよ。
朱音:そら間違いなくコイクチナマズや。ってか、何で割って入んねん!
シン:総理に近付き過ぎです。それと湖底の地下に空洞が見つかったのですが、何か関係がありますか?
朱音:湖底の地下空洞?湖底にそんなモンあらへんよ?
シン:ちょっと行って見てきます。
瞬間移動するシン
朱音:ちょっと行って見てくるって。
ミリアに寄り添うとした瞬間に割って入る様に戻ってくるシン
朱音:おわっ!ビックリした!いきなり何してんねん。
シン:例の地下空洞ですが、人工的に掘られた痕跡がありました。おそらくその際湖底の岩盤を打ち破って穴を開けたのでしょう。
朱音:スルーかいな。そんで、長年手塩にかけて作ったソースが漏れるのを防ぐために己の身体で穴塞いどるってわけかいな。
ミリア:どうするの?
朱音:しゃあない、多少の出費はこの先の損害考えたら安いもんや。
建設会社に連絡する朱音
朱音:ウチや。急で悪いねんけどな、大釜湖の湖底に空いた穴塞いでほしいねんけどナンボする?・・・え?穴の規模にもよる?・・・穴の直径はな、3000Kmや・・・なんやて⁉︎そないにするんかいな!・・・しゃあないな、それで頼むで。
通話を切る朱音
朱音:穴塞いでくれるって。
ミリア:これでコイクチナマズも出て来てご飯食べられるね♪
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