第97話 惑星セイフンの義元さん

 ユリカ:ホ〜イ、こっちでは久々の現場復帰だよ〜ん♪さてさて、今どこまで進んでんのかなぁ?・・・ほむほむ、コナモン首長国連邦に居んのね・・・はいはい、成る程もう魔王会談まで進んでいるのね。え?そういうのって本番前に確認しておくものじゃないかって?別に良いじゃんよ〜。


 魔界時間9:20 コナモン首長国連邦領 惑星セイフン


 ユリカ:コナモン首長国連邦といえば、やっぱり粉物だよね♪この国で最も重要なのは製粉所のあるこの惑星セイフン。この星では1つの製粉所に専用の小麦畑を持っててね、しかも小麦の育て方から製法まで独自のものがあるから多くのバイヤーが何処で買うか迷うくらいなんだよ〜。


 ミリア:ガイドにも載ってたけど、本当に1つの製粉所に専用の小麦畑があるんだねぇ♪


 朱音:鉄板屋もたこ焼き屋もうどん屋も御用達があってな、中でもこの星1番の製粉所が此処ここ銀星製粉ぎんせいせいふんや♪


 シン:銀星製粉といば魔界宇宙財界に君臨する12人の王の称号を持つ財界人トゥエルブの1人、外食産業王エレノア・リーズレットが経営するデモンフーズグループ御用達の製粉所ですね。


 朱音:せや、エレノアはんはあのベルゼブブ公爵様の従姉妹いとこでもあるさかい食に関するこだわりはハンパないんや。


 製粉所の向かいにあるうどん屋の駐輪場に見覚えのあるバイクが停まっている


 ミリア:へぇ、ここ駐輪場があるんだぁ・・・おや?


 朱音:この星の住民は皆んな健康のために自転車を持っててな・・・ってどないしたん?


 ミリア:あのバイク、義元さんのじゃない?


 揚羽:ホントでありんすなぁ。  


 クミン:義元って最近登録偉人になったあの今川義元?そういやアンタんとこに住んでるんだっけ?何で居るの?


 揚羽:さあ?彼女は自由奔放でありんすから、たま〜にふらっとどっかに行く事がありんすよ。


 朱音:国境越えてる時点でふらっとっていうレベルやないやん。それに似てるバイクだったってオチちゃうの?


 ミリア:ううん、アレは絶対に義元さんのだよ。ホラ、バイクのボディーにある足利引き両紋はそうだもん。


『うどん屋 銀星製麺ぎんせいせいめん


 女店主:いらっしゃい♪


 朱音:ま〜た本業放ったらかしてこんなトコ居るんかいな、星奈ほしな


 星奈:まぁ、そないな事言わんといてください。お客さんの要望に応えるために麺に合う小麦粉作りの研究でやってるんですから。


 ユリカ:この姉ちゃんはお向かいにある銀星製粉グループ社長、星影星奈ほしかげほしなさん。種族は夜叉族だよ〜♪


 義元:おおっ!これはミリア様、奇遇でおじゃる♪


 揚羽:な〜にが奇遇でおじゃるでありんすか、毎度毎度フラフラとその放浪癖は治らないでありんすなぁ。


 義元:なんだか美味いうどんが食したくてのぉ、いざ食べてみれば長麺とは珍しゅうてついつい10杯も食べたでおじゃる♪


 クミン:うどんって戦国時代からあるの?


 ミリア:うどんはね、1000年前に弘法大師空海こうぼうたいしくうかいって人が中国から香川県に伝えたのが始まりとされてるの。空海さんの居た時代から100年前って説もあるんだけど、皆んなが知ってるうどんの長い麺は江戸時代に入ってからだからまだ義元さんは長い麺のうどんを知らないんだよ。


 クミン:へぇ〜、ミリアは物知りだねぇ♡


 朱音:てか、あの引き締まってくびれのある腹のどこに10杯も入んねや。


 揚羽:アレどう見てもお相撲さんが優勝の時に飲む大杯くらいはあるでありんすなぁ、あのどんぶり


 ミリア:私も食べた〜い♪


 星奈:ほな、今から作りますね♪







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