第92話 納涼祭(前編)
シン:皆様おはようございます。アクガリタル国魔王秘書のシンシ・・・おっと、危うく本名言うところてした、シンでございます。無事?入国を果たした総理ですが、コナモン首長国連邦は夏の納涼祭で活気付いている様です。国民達は日中その準備で大忙しのご様子。
魔界時間9:06 首都メインストリート納涼祭会場前
ミリア:お〜っ!屋台が沢山ある♪
シン:どうやら今日はこの国で夏の最大イベント納涼祭がある様ですね。
恵:真ん中にバカでっかい祭り
シン:この国の納涼祭は歴代首相が主体となって開催されるもので、祭り櫓で盆踊りの太鼓を叩くのは歴代首相の伝統となっている神聖なものだそうです。その起源は初代首相が建国に携わった国民への
恵:ほへぇ〜・・・およ?
メインストリート前に建ち並ぶ呉服店に行列ができている
恵:何にゃあ?あの行列は?
シン:国民が粉物料理屋台の次に気合を入れているのが納涼祭に着て行く浴衣なのです。この国は衣料超大国ドレスティア王国や着物でも有名な遊郭超大国魁桜国と同盟を結び、両国の呉服店をこの日のために誘致しているそうで、その気合の入れようは呉服店専用エリアを設けるほどだとか。
恵:チョイ待ち、今サラッと魁桜国とドレスティア王国って言ったのかにゃ?
シン:ええ、言いましたよ。
恵:ドレスティア王国はベジタリア帝国の同盟国でもある。って事はあの2人、用があるってまさか・・・
シン:どうやら、そのまさかかもしれませんね。では私も所用がございますので。
恵:あの3バカババア共もしかして・・・
ミリア:お祭りあるって知ってたら私も浴衣用意するんだったなぁ。
恵:ま、良いんじゃにゃいのか?別に私服でも。それに、ミリアの場合はその心配はなさそうだけどにゃ。
ミリア: ?
『同時刻 魁桜国呉服店
番頭:いらっしゃいませ、大変申し訳ございませんが、列にお並びになって・・・これは、
揚羽:例の物出来てるでありんすか?
番頭:勿論でございます!ささ、奥へどうぞ♪
『ドレスティア王国呉服店
店員:お客様、当店は今お客様の予約順でお並びいただいておりますので列の最後尾へ・・・あ、貴女様は!
クミン:頼んでおいた物受け取りに来たわよ♪
店員:勿論ご用意できております!
『帝王都サタンヘイルダム呉服店
店員:こちらは会員制の呉服店となっております。大変申し訳ございませんが、一般のお客様並びに
シン:頼んでおいた例の物を受け取りに参りました。
店員:勿論、話は伺っております!さ、こちらへどうぞ♪
『都内ホテル』
ミリア:ここで待ってるの?
恵:そうらしいのにゃ。ま、あの3バカババア共の事だからオチは大体見えてるけどにゃ。
ミリア:オチ?
『ホテル前』
鉢合わせする3人
3人:あ。
シン:貴女方、その紙袋はまさか。
揚羽:こ、これは・・・そうっ!替の浴衣でありんすよ!
クミン:わ、私のもそうよ!そういうシンはどうなのよ。
シン:わ、私のも替の浴衣ですよ。
睨み合う3人を割って通る
朱音:ハイハイ、そこの3バカどいてんか!通行の邪魔やで。
シン:貴女は、朱音・アカシヤ!
揚羽:何で・・・って、その紙袋はまさか!
朱音:ウチはミリアはんが納涼祭に着て行く浴衣持ってきておらへんやろうと思って用意してたんやで〜♪それにそれ、中身予備の浴衣なんやろ〜?
モニターで4人のやり取りを見る恵
恵:まったく、懲りない奴等だにゃ。
ミリア:何が?
恵:何でもないのにゃ。それより、ちょっと祭りの下見行かないかにゃ?国が総力をあげてやる祭りなら確実に混むのにゃ。
ミリア:そうだねぇ、お目当てのお店を探しとかなきゃだねぇ。
フロアゲートから祭り会場へ空間転移するミリア達
朱音:こんちは〜!貴女の朱音が来たで〜♡・・・おや?誰も居らへん?
揚羽:抜け駆けは許さんでありんすよ・・・居ない?
クミン:ちょっと!そんなトコ立ってたら邪魔・・・あれ?何で誰も居ないの?
シン:変ですね、総理はこの時間いつも新しいレシピを考案きてる筈なので・・・まさか、あの猫こうなる事を見越して総理を連れ出したんじゃ!
4人:絶対に許さん!
『祭り会場』
恵:うぉっ!
ミリア:どしたの?
恵:なんだか悪寒がした気がしたのにゃ・・・ま、気のせいにゃ♪
中編へ続く・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます