第87話 清き水を求めて

 ユリカ:ヤッホ〜イ、ゆりかだよ〜♪料理には水が不可欠だよね?ここアクガリタル国にも美味しい湧水わきみずの星があるんだけど、傘下の魁桜国にも魔界宇宙名水100選に指定されている星があるんだよ〜♪


 魔界時間9:52 魁桜国領 湧水藩ゆうすいはん


 氷売り:氷〜、氷〜、名水で作った冷たい冷たい氷は如何〜?


 露天商:ここに取りい出したるペットボトルのこの水、そんじょそこらに売ってるもんとは〜わけが違う!魔界宇宙名水100選にも選ばれたこの星で更に厳選した10大名水に選ばれた神室原水かむろげんすいから汲まれたとびっきり美味しい水だよ〜!


 恵:お〜っ!どれもこれも目移りする水ばかりなのにゃ〜♡


 ミリア:活気あるな〜♪


 シン:我が国の料理人が待望していた魁桜国は湧水藩の水ですからね。この国を傘下に加えたのは我が国にとって実に大きな成果の1つですよ。


 ミリア:酒屋さんにお茶屋さん、水が良いだけあってそういうところが繁盛するね♪


 水売りの試飲コーナーで試飲する恵


 恵:美味っ!うっま!あっちも美味いこっちも美味い、どれにするか迷うのにゃ〜♡


 シン:猫は飲み水にこだわりが強いといいますからね。


 ミリア:あ、うどん屋に蕎麦屋もある〜♪


 揚羽:良質な水で作れば絶品でありんすよ♡


 揚羽の襟を掴んで引き離すクミン


 クミン:な〜にどさくさに紛れてくっついてんのよ!


 揚羽:おやおや〜?嫉妬でありんすか?見苦しい♪


 両手いっぱいにペットボトルを抱える恵


 恵:大漁大漁にゃ〜♡そんで、この星に何しに来たのにゃ?


 ミリア:この星にある幻の名水、星流泉せいりゅうせんをね。


 周囲が一斉に注目する


 ミリア:え?何?


 揚羽:星流泉がどうしたでありんすか?


 蕎麦屋店主:そ、それが。星流泉のある泉華山せんかさんに妙なのが住み着いてまして。


 揚羽:妙な者?


 蕎麦屋店主:へぇ。何処の何某なにがしだったか、何かの調査とか何とか言って大勢で山に駐屯地作って観光客は勿論、地元民も山に入れんのですわ。


 揚羽:藩主の水上湧水守信綱みなかみゆうすいのかみのぶつな公には訴えたんでありんすか?


 蕎麦屋店主:そりゃあ、お奉行所通じて訴えましたよ!ですがお上からの返事は天界宇宙科学相の久遠様から直々の調査とかで殿様に令状突き付けられて手も足も出なかったらしいです。


 揚羽:14天界王の久遠様直筆の令状とあってはわっちが行っても文句も言えないでありんすなぁ。


 ???:それなら行けば一気に解決かな♪


 ミリア:く、久遠様⁉︎


 その場に居た全員が久遠に土下座する


 久遠:皆んな頭を上げて、今はあくまでお忍びだから♪


 ミリア:先ほどの言葉の意味は?


 久遠:理由は単純、私はそんな調査命令出してなければ令状も書いてないからさ♪


 ミリア:え⁉︎


 久遠:どうも天界宇宙には私の偽者がいるみたいでね。ま、正確に言うとクローンだね。こういうのは自身の目でちゃんと確かめて取り締まらなければ。それじゃ、行こっか♪


 ミリア:行くって何処に?


 久遠:それは勿論、泉華山さ♪


 次回へ続く・・・

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