第66話 寒岳白菜

 ユリカ:野菜のしゃぶしゃぶを堪能したミリアさん。今回は温泉街に来てるみたいだけど、何しに来たんだろうね?


 魔界時間19:00 惑星サラダバ北部 白滝温泉郷しらたきおんせんきょう


 露天風呂の湯船に浸かるミリア


 ミリア:ふぃ〜、極楽極楽♡


 シン:良い湯加減ですねぇ♡


 揚羽:身体の芯まで暖まるでありんす♡


 恵:いや〜、アンタ等画になるにゃね〜。


 シン:温泉に入る女はどことなく綺麗に映えるからですか?


 揚羽:ま、わっちらなら当然でありんす♪


 恵:いんや、混浴とかで超絶美人を期待してたらババアだらけだった画の方♪


 湯船の中に恵の頭を2人がかりで押し付ける


 シン:ほらほら、もっと浸からないと♡


 揚羽:風邪ひくでありんすよ♡


 恵:おぶぶぶっ!じ、じぬじぬぅ‼︎


 ???:あ、ミリアお姉ちゃんだべ!


 ミリア:小雪ちゃん♪


 大吾:これはこれは、アクガリタル総理。いつもウチの曾孫ひまごがお世話になっております♪


 ユリカ:このフロストドラゴンのお爺ちゃんは津軽大吾つがるだいごさん。ワイバニア芸術文化大学で人界食文化学の教授をやってる小雪ちゃんのあ母さんのお爺ちゃんでもあるんだよ〜♪


 ミリア:津軽教授、小雪ちゃんとご旅行ですか?


 大吾:ここはオラの友人が農家やってましてな、寒岳白菜かんだけはくさいを貰いに来たついでに立ち寄ったんだべ。


 恵:寒岳白菜?


 ミリア:私がここに来た目的でもあるんだよ。寒岳白菜っていうのは雪下白菜の事でね、晩秋に収穫した白菜を土付きのまんま放置して、冬季雪に埋もれた野菜を掘り起こす方法で出荷するの。冬季は気温低下、降雪、積雪で野菜の栽培が困難だから保存方法として発達したんだ♪


 恵:へぇ〜。


 大吾:雪ん中は常に0度の状態で保たされ、野菜は自身の持つアミノ酸を糖分に分解して凍結を防ごうとするから甘くて美味しいんだっぺ♪


 小雪:オラ毎年楽しみにしてるんだっぺ♡オラが赤ちゃんの頃はいつもじっちゃが持って帰って来るんだども、オラも大っきくなったから一緒に来たんだべ♪


 大吾:小雪には採れたてを食べさせたいからな♪


 ミリア:一緒に行っても良いですか?

 

 大吾:いつもお世話になっとるから勿論、大歓迎だべ♪


 小雪:やったあ!


 大吾に抱きつく小雪


 小雪:じっちゃ、大好きだっぺ♡


 大吾:お〜、お〜、めんこいのぉ♪


 翌日 惑星サラダバ最北端 雪下岳せっかだけ


 畑の様子を見る氷の龍神族


 大吾:待たせたのぉ、氷室♪


 卓:来たか、待っていたぞ♪


 ユリカ:この氷の龍神族のお爺ちゃんは氷室卓ひむろすぐるっていって、天界宇宙の裏社会を支配するドラゴニックマフィアの1つ氷河星龍会ひょうがせいりゅうかいの元会長なんだよ〜。


 ミリア:氷河星龍会って凄く大きな組織ですよね?そこの会長さんなんて凄いですね。


 卓:だいぶ昔の話さ。


 小雪:じっちゃ!オラ腹減ったべ。


 大吾:お〜、お〜、すまんすまん。


 卓:大吾の曾孫か、大きくなったな♪さ、ここは寒いから中に入りな。


 囲炉裏を囲んで座ると切った白菜を出す卓


 卓:先ずは生で食ってみな。


 小雪:・・・シャクシャクの甘々でうんまいべ〜♡


 ミリア:雪下野菜はこれまでにも食べた事あるけど、ここまで甘味の強い白菜は初めて♡


 恵:ホント、美味いのにゃ〜♪


 卓:今ウチの嫁さんが鍋を使ってるかなら♪


 白菜鍋を持ってくる氷の女神族


 ???:お待たせしました〜♪


 大吾:久し振りしゃのぉ、沙羅さん♪


 沙羅:大吾さん、お久し振りです♪


 大吾:随分と会わないうちに綺麗になって♪


 沙羅:大吾さんったら。さ、頂きましょう♪


 全員:頂きます。


 30分後・・・


 小雪:うんまかったべ♡


 ミリア:美味しかったね〜、小雪ちゃん♪


 沙羅:良かった♪












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