第25話飲み女子in魁桜国

 ユリカ:ヤッホー!ユリカだよ♪このシリーズ普段本編でやってたんだけど、本編の方は暫く国土争奪戦争がないから外伝をあちこち移動するみたいだよ。


 魔界時間17:00 首都朱麗門 『旅籠翡翠屋はたごひすいや


 ミシェル:は〜い、皆んなお風呂行くっスよ〜♪


 シャルロット:お着替え忘れずに持っていくのですよ♪


 由夢:走らないでね〜♪


 シエル:アンタ達いつから移動保育始めたのよ。


 ミシェル:あ、シエル。おひさ〜っス♪


 ちびっ子達:おひさ〜っス♪


 リタ:またおさけのむの〜?


 シエルを上目遣いで見つめるリタ


 シエル:うっ!


 ミシェル:そんじゃお酒抜けた頃にリタちゃんと遊びに行くっスよ。


 リタ:いくっスよ♪


 シエル:は〜い。


 凛:そろそろ行くぞ。


 シエル:今行く。


『30分後 飲屋街』


 シエル:流石は遊郭超大国、飲み屋さんが充実してるわね〜♡今回はアンタのおススメの店だっけ?


 凛:ああ、焼酎の美味い店がる♪


『居酒屋 夢行燈ゆめあんどん


 ディアナ:お〜い!こっちこっち〜♪


 シエル:へぇ〜、居酒屋って言ってたけど随分お洒落な所ね♪


 凛:若い女性が気軽に来れるがこの店のコンセプトらしい。


 シエル:良いわね・・・って、エリカはどうしたの?グッタリしてるけど。


 エリカ:・・・今天界にいる幼馴染の国を復興する手伝いやってるんだけどね、そこの科学大臣になった子がやたら絡んでくるの。


 3日前 天界ローラント王国


 科学省庁舎建設予定地の広場で小躍りする奇子きこ


 エリカ:無言無表情で何やってるのよあの子・・・ん?あのシャツの文字・・・日本語?魔界の言葉に訳すと・・・・


『脱法』


 エリカ:だ・・・え?つ、ツッコミ入れたら負けよエリカ!


 小躍りする奇子に近付き耳打ちする秘書、その後エリカに歩み寄る


 エリカ:ん?


 奇子:脱法♡


 ユリカ:この子は天界のローラント王国で科学大臣やってる知恵の女神で道極寺奇子どうこくじきこちゃん。無口無表情な子だけど中身はとっても明るい子なんだよ〜。この子の事について詳しくは『天空の架け橋』読んでね♪


 キレの良いツッコミを入れるエリカ


 エリカ:脱法何よ!


 ハイタッチする奇子と秘書


 奇子&秘書:うぇ〜い♪


 エリカ:あ、アンタ達〜!


 秘書:そう怒らないでください総裁。魔界宇宙4大メガバンク4総裁のお一人となられただけでなく、この国の復興に尽力なされているご苦労を察しての事なのですよ。


 エリカ:・・・・・・


 秘書:なので私達は総裁が嫌いでやってるわけじゃなく好きで・・・


 奇子&秘書:おちょくっとんのです♪


 猛ダッシュで追いかけるエリカ


『そして現在』


 シエル:そりゃまぁ・・・・ご苦労。


 凛:としか言えんな。


 ディアナ:え、えっと。凛、このお店のおススメは?


 凛:ん?あ、ああ。この店のおススメはなんといっても春麗芋しゅんれいいもから出来た銘酒『春華麗しゅんかれい』だな♪焼酎では珍しくスッキリとした甘みのあるのが特徴なんだ。


 ディアナ:焼酎って独特の辛味がウリでしょ?ホント珍しいわね。


 エリカ:へぇ、一口に焼酎って言っても凄い種類があるのね。あ!シルフィード王国産の『天上小麦てんじょうこむぎ』を使った『天乃煌あまのきらめき』ってのがある!私これにする♪



 シエル:私はそうね〜・・・焼酎の王道お米を使ったヤツで〜・・・あ!この焼酎、天界で幻の品種『羽衣小町はごろもこまち』使ってる!じゃ、私はこの『天女の泉』で♪


 ディアナ:私は・・・この『酒呑殺し』かな?


 店内が一気に騒つく


 ディアナ:え?ええ?何、何なの⁉︎


 凛:・・・・ディアナ、その銘柄は魔界宇宙最強の酒豪である酒呑童子族をたった一滴で酔い潰れさせたっていう魔界宇宙最強度数を誇る銘柄だぞ。


 キメ顔で語るディアナ


 ディアナ:凛、酒飲み女が一旦口にした銘柄は覆す事は出来ないものよ。それが『漢』ってもんでしょ。


 凛:・・・クッ!ディアナ、骨は拾ってやる!


 エリカ:・・・・何この寸劇。


 店主:肴は如何なさいますか?


 凛:私は春華麗に合う『夕霧鮭ゆうぎりじゃけのなめろう』


 エリカ:じゃあ私は天乃煌に合う『高尾海老たかおえびの蒸籠蒸し』


 シエル:だったら私は羽衣小町に合う『薄雲烏賊うすぐもいかのお造り』


 小刻みに震えながらメニューを見るディアナ


 ディアナ:この凶悪なのに合う肴って・・・あるの?


 凛:酒呑殺しを好んで飲んでた14天界王の八岐大蛇やまたのおろち様は『太夫鮪たゆうまぐろ』の旨味成分の中に最強度数アルコールを中和するのを発見して必ず肴にしてたって言ってたぞ。


 ディアナ:じゃあこの『太夫鮪の三種盛り』で!


 20分後 全員に注文したお酒と肴がくる


 凛:それじゃあ、乾杯♪


 3人:かんぱ〜い♪


 凛:ふむ、このアッサリとしていてかつ深い味わい。そこにこの脂の乗った夕霧鮭がまた合う♪


 エリカ:この透き通った天乃煌に注がれた『黎明切子れいめいきりこ』のグラスが映えるわね〜。それにこの高尾海老のゴージャスなこと♪


 シエル:この羽衣小町のキレの良いサッパリした辛味に透き通った身で絶妙な甘みの薄雲烏賊と合う♪


 ディアナ:・・・・・・・


 エリカ:ディアナやめときなって。あの酒呑童子族も一滴で酔い潰れさせるようなやつだよ!


 凛:聞くところによれば、先に太夫鮪を食べてから飲むと良いらしい。


 太夫鮪の刺身を食べて一緒に飲むディアナ


 凛:・・・あ。


 ディアナ:・・・・・・美味しい♡


 3秒後急に酔い潰れるディアナ


 凛:太夫鮪一口に対し一口飲むのがベストだから一気に飲むなと言おうとしたのに。


 シエル:・・・お開きにしようか。


 エリカ:だね。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る