第10話月影市場の大競り

 アオイ:人間の皆さん。人界の日本という国の市場で競が日夜行われているらしいですね。魔界の市場にもそれはあります。アクガリタル国が建国される事で魔界宇宙3大市場の1つとなった月影市場。その競りの場に登場したのは魔界宇宙史上最大のものでした。


 大競り2日前 帝王都サタンヘイルダム 海鮮三昧かいせんざんまい本社前


 記者:アクガリタル国の月影市場にとんでもないものが入荷したとの事ですが、それは一体何でしょうか?


 康二:それは・・・『大成鮪たいせいまぐろ』です!


 アオイ:この方は魔界宇宙財界に君臨する12人の財界人の1人『外食産業王』旺妖おうようフーズグループ傘下の海鮮三昧社長、黒鯛康二くろだいこうじさんです。


 騒つくマスコミ


 記者:大成鮪は海産物の中で魔界宇宙一競争率の高いとされていますが、自信の程は如何でしょうか?


 康二:勿論自信はあります、お客様に安く美味しくいただくために頑張りますよ〜!


 一方 魔界宇宙鮪専門最大手『マグロ鮮魚』本社前


 記者:今回数多の大手が参戦する中であの海鮮三昧との事実上一対一の勝負となりますが、意気込みの方はどうでしょうか?


 譲二:負けませんよ!自信は充分ありますので♪


 魔界時間5:00 アクガリタル国南部 漁業都市シーフーズ 月影市場


 競り人:さ〜、本日の目玉『1』現在のキロ単価『ピン』


 アオイ:競り人は先ず競り番号を言います。競り番号が若いほど貴重でそれだけ高値で取引きされます。この場合1なのでとんでもない値段で取引きされますね。次にキロ単価ですが、ピンは人界だと1000円を指しますが、ここは魔界宇宙。この場合は1億ヘルネス日本円に換算するとキロ単価100億です。


 手を挙げ指で2を示す康二


 競り人:ニマル(2億)、ニマルないか、ニマル!


 すかさず手を挙げ指で2と1を示す譲二


 競り人:ニイチ(2億1000万)出た!ニイチないか、ニイチ!


 更に3を示す康二


 競り人:サンマル(3億)出た!サンマルないか、サンマル!


 美久:あれは・・・競りですね。


 ミリア:1か月に1度の『大競り』ですよ。普通の競りとは一味違うものが競りに出されるんですけど、今回はとんでもないのが出たなぁ。


 シン:幻の大鮪『大成鮪』ですね。


 ユージン:魔界宇宙貴族4大公様でも魔界宇宙最強の財界人トゥエルブの食卓にも滅多に出ない超高級魚ですよね。


 ミリア:これまでの大成鮪の最高値は100兆ヘルネス(人界換算1京円)


 鐘が鳴り響く


 ミリア:あ!誰かが競り落とした!


 競り人:海鮮三昧1000兆ヘルネスで落札!


 ミリア:いっ!


 ユージン:1000兆⁉︎


 シン:とんでもない値がつきましたね。


 ミリア:あれ外食産業王傘下の大手海鮮料理チェーンでしょ。あそこの社長かなりのやり手と聞いてたけどここまでやるなんて。


 月影市場の外で待ち構えるマスコミ


 記者:過去の最高値を更新した感想は如何ですか♪


 康二:ガッハハハ!これでお客様にご満足いただけるというものですよ♪


 美久:恵方巻きといい、大競りといい、魔界は面白いですね。また来させていただきますよ♪


 ミリア:いつでも大歓迎です♪





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