第7話 ユージンとスパイスサーペント

 アオイ:かつてこの地は多くのレストランが立ち並ぶ料理人の国がありました。今作の主人公もまた料理人の国を目指し日々努めております。それに呼応するかのように眠っていた巨獣達がまるで冬眠から目覚めるように次々に目覚めるのでした。


 魔界時間6:00 首都レストランテ 首相官邸内キッチン


 ユージン:(昨夜は泊まり込みで次の閣僚候補の方に会うためのスケジュールをシンさんと組んでたからなぁ。何か朝食作って・・・あれ?総理?)


 ミリア:う〜ん、やっぱ足りないなぁ。


 背後から呼びかけるユージン


 ユージン:何がですか?


 ミリア:うわっ!・・・なんだユージンさんか。昨日は遅くまでご苦労様でした♪あ、これ?新しいレシピ考えてたんだけど、決め手になる調味料が足りなくて。


 ユージン:調味料ですか。


 ミリア:あちこち問い合わせみたけど原料の在庫が無いみたいで。直接『コウシンの泉』まで採りに行く必要があって。


 ユージン:ですが朝一で来るのですよね?妖魔銀行の朝倉頭取。


 ミリア:うん。


 ユージン:では私が行ってきますよ。何処も人手不足ですし。


 ミリア:助かるよ〜♪


 2時間後 魔界時間8:00 コウシンの泉


 ユージン:ここがコウシンの泉、辺り一面あらゆる調味料の原料が自生してるんだ。


 惠:およ?ユージンじゃないかにゃ?


 ユージン:木天蓼またたび科学大臣!どうしてここに?


 惠:ん?ああ、2体目の巨獣が目覚めたって報告があったからにゃ。調査しにきたんにゃ。


 ユージン:2体目の巨獣?


 惠:『スパイスサーペント』っていう蛇型の巨獣にゃ。


 ユージン:名前からして調味料に関わるんですか?


 惠:そうにゃ。


 ユージン:それでそのスパイスサーペントというのは何処にいるんですか?


 地面を指差す惠


 惠:何言ってるにゃ、『この場所そのもの』がスパイスサーペントの頭の上にゃ。


 ユージン:え⁉︎


 念話で語りかけるスパイスサーペント


 サーペント:誰だい?アタイの頭の上にいるのは。


 惠:おわっ!コイツ、念話が出来るのかにゃ⁉︎


 サーペント:で?何しに来たんだい?


 惠:私はアンタが目覚めたって報告があったから調査に来たんにゃ。


 ユージン:わ、私は総理の新しいレシピの材料である調味料の原料を採りに。


 サーペント:へぇ、新しい魔王も料理人かい♪


 ユージン:はい、総理はこの国を料理人の国にするそうです。


 サーペント:へぇ、『あいつ』と同じように料理人の国を目指してるのかい♪ここに来て採る調味料の原料といえば『ホワイトリーフ』だね。泉の傍に咲いてる白い花がそうだよ。要るだけ持っていきな♪


 ユージン:凄い、正解です!


 サーペント:ホワイトリーフはここでしか採れないからね。


 ユージン:では頂いていきます。


 サーペント:あいよ、次来る時はそのも連れて来な♪


 ユージン:はい!







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