第6話腹ペコ魔王と腹ペコ勇者

 アオイ:旧クラウント王国魔王ルイズ・クラウントの墓前で再び全員が集う事を約束した勇者リズ・ヤキシャケさん達。今回桃さん達はアクガリタル国に来ているようです。


 魔界時間9:56 アクガリタル邸


 メイド:お待ち申し上げておりました。木天蓼またたび様、ミリア様は只今自室にてお待ちしております。


 惠:了解にゃ〜♪


 ミリア自室


 惠:お〜い!来たにゃ〜!


 ミリア:はいは〜い。


 自室のドアを開けるミリア


 惠:お、おま、眼鏡にトレーナーの上下に半纏はんてんって。真冬の締め切り前の作家じゃあるまいし、なんて格好してるにゃ。


 ミリア:え〜、いたって普通の部屋着だよ。


 惠:プライベートとはいえ一国の魔王の格好じゃないにゃ。


 ミリア:それはそうと、何か用があったんじゃないの?


 惠:あ、忘れるところだったにゃ。今日お前に取材が来るにゃ。


 ミリア:取材?私に?


 惠:そうにゃ、あの『トゥエルブ』の一角、黒羽文彦くろばねふみひこの経営する八咫烏文庫グループの記者にゃ。


 ミリア:え!あの『文芸王』の⁉︎


 惠:しかも政治を扱う週刊誌の中じゃメジャーの『週刊グローバルフォーカス』にゃ。


 ミリア:あ、あのグローバルフォーカス⁉︎どどど、どうしよう!


 惠:こんな姿雑誌に晒されたら魔界中の笑いモンにゃよ。


 ミリア:うわ〜ん!は、早く着替えなきゃ!シンさん何かコーデしてー!


 惠:4000億歳のババァのセンスじゃ相当古く・・・


 惠にドロップキックをキメるシン


 惠:うぐふぉ!


 ユージン:総理、缶塚様から連絡がありまして、少し遅れるとの事です。


 同時刻 首都レストランテ メインストリート


 辺りに響くお腹の音


 桃:リズさん、もうお腹空いたんですか?さっきバイキングに行って来たばかりじゃないですか〜!


 アオイ:初めて読む方のためにちょこっとご紹介。この方は八咫烏文庫グループ本社にある週刊グローバルフォーカス記者の缶塚桃かんづかももさんです。


 リズ:この辺りに立ち込める匂いを嗅いだら腹が鳴りっぱなしでな。


 アオイ:そしてこちらは人界で精神汚染物質カオスに侵された魔王ルイズ・クラウントを倒す事で救った勇者リズ・ヤキシャケさんです。今は桃さんの護衛として同じ屋根の下で同居中です。


 桃:も〜!キリがないですよー!


 リズ:流石は料理人の国というだけの事はある♪


 桃:この国の魔王様自身も元天才料理人っていうし。


 リズ:そうなのか?


 桃:料理人の国を目指すのを機に魔王と兼任という形で復帰したそうですよ。


 リズ:今回取材する魔王というのがそうだな。


 桃:そうです。


 リズ:・・・・・ほう。


 桃:まさかアクガリタル総理の手料理食べようと考えてるんじゃないでしょうね?


 リズ:な、何故わかった⁉︎


 桃:・・・・ヨダレ。


 リズ:うお!


 慌ててヨダレを拭くリズ


 桃:ほら、早く行きますよ!ただでさえ先方には遅れるって待たせてあるんですから!


 総理官邸 首相執務室


 桃:失礼します!


 ミリア:どうぞ。


 桃:お初にお目にかかります。八咫烏文庫グループ週刊グローバルフォーカスの缶塚桃です。


 リズ:リズ・ヤキシャケだ。


 桃:この度は取材をお受け頂き有難う御座います。


 ミリア:いえ♪


 桃:では早速・・・


 1時間後・・・


 桃:今日は有難う御座いました♪


 ミリア:こちらこそ有難う御座います♪


 ミリアとリズのお腹が鳴る


 桃:リ、リズさん!


 リズ:腹が減ってるんだ、こればかりは仕方ないだろう。


 ミリア:あ〜、何か作りましょうか?


 リズ:おお!助かる♪


 桃:まったく・・・


 桃のお腹が鳴る


 ミリア:フフッ、桃さんの分も作りますね♪


 桃:す、すみません。










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