第5話魁桜国の将軍

 アオイ:魁桜国の魔王から濃い求愛を受けてるミリアさん。彼女にとっては災難と言うべきでしょうね。


 魔界時間11:00 首都レストランテ 首相官邸


 官邸職員:総理、魁桜国の征夷大将軍の咲妃さき様よりお目通りを願っておりますが如何致しますか?


 ミリア:とうとうきた。


 惠:間違いなく手紙の返事の催促にゃ。


 シキ:どうするんですか?


 ユージン:私としてははっきりとお断りするのが得策と具申します。


 ミリア:勿論そのつもりだよ。


 官邸職員:お繋ぎしますか?


 ミリア:お願い。


 宙に浮く液晶モニターに映る咲妃


 咲妃:お会い出来て光栄にございます総理閣下。某、魁桜国の政務の一切を取り仕切る征夷大将軍咲妃にございます。


 ミリア:政務の一切?それって貴女が魔王って事じゃないんですか?


 シキ:この国の政治体制特殊なもので、魔王である揚羽天皇とは別に政務えお取り仕切る官職があるそうです。


 咲妃:早速本題に入りますが、先のふみの返答や如何に?


 ミリア:答えは『NO』です。


 咲妃:・・・・・・・・・・・・・・・


 惠:だ、駄目かにゃ。


 咲妃:結構、その答えが聞きたかった♪


 ミリア:え?


 咲妃:率直に言って天子様の行動はあまりにも目に余る。加えて国土争奪戦争においては負け知らずだから更に調子に乗って拍車がかかって正直手を焼いていたのです。


 ミリア:あ〜・・・


 咲妃:貴女が天子様に打ち勝ち一度敗戦を味わうのが1番の薬と思っております。


 惠:あの色ボケ花魁魔王の下にもマトモなのがいて助かったにゃ。


 ミリア:ちょっ!惠!


 咲妃:いや、本当の事です。本来なら『阿沙魏あさぎ』様が即位して然るべきでした。


 惠:阿沙魏?どっかで聞き覚えのある名前だにゃ。


 ミリア:その方はどんな方ですか?


 咲妃:天子様の姉君にあたる方です。前天皇であらせられた白菊しらぎく上皇様が天皇の跡目を決める折に阿沙魏様は辞退なさったのです。その時は私を含め阿沙魏様が即位されると確信していただけに・・・


 惠:まさに『寝耳に水』にゃね。


 咲妃:ええ、私も臣下も民衆も皆、阿沙魏様の即位を願っておりました。


 ミリア:揚羽天皇にとっては棚から牡丹餅ぼたもち状態ってわけか。


 咲妃:そうです、その後文字通りやりたい放題。


 ミリア:わかりました。この戦、必ず勝ってみせましょう!


 咲妃:ありがとうございます!


 通話が切れる


 惠:本当に大丈夫かにゃ?


 シキ:先ずは相手の偉人を調べましょう。


 ユージン:それなら私が知っています。それを基に対策を練りましょう!


 ミリア:うん!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る