第13話 印象は変わるもの
「おや?珍しいね。というよりも初めてもらうな~三姫からの手紙」
今日も数多の女性から手紙を貰う悠仁だが
三姫からの手紙を発見すると、他の手紙を机の脇におき、なんだろう?と手紙を読み出す。
「何々....私が今回の噂が発端で中傷されて傷ついていないかどうかが心配?」
悠仁は口元をにやりとし、もう1度読み直す。
「私の事を心配するようになったのは良い傾向だね」
悠仁は満足そうに手紙を眺めるとそれを綺麗に元通りに畳み、大切に引き出しにしまう。
「二人っきりで食事をすれば噂が立つことくらい事前にわかってはいたけれど....間接的であっても三姫を中傷したり嫌がらせが起きるとはね。 だからそこら辺の令嬢は嫌いなんだよね。さあてと、なんて返事しようかな?」
うかつだったと少し反省をするや否や悠仁は愉快な気分で手紙を書き始めた。
数日後......
「悠仁さまは特に困った事は起こってないみたい。それに私の心配をしてくださっている。」
嘘をついてないといいんだけど、と敬子に悠仁から届いた手紙を渡して意見を求める。
「さすがに椿家の次期当主を匿名で何か言ったりしようとは思わないのでしょうね」
「てっきり噂に狂ったどこかの令嬢が勝手に逆恨みしているのではないかと思ってたのだけど大丈夫みたい。」
よかった~という三姫に敬子は微笑んだ
「どうしたの?何んで嬉しそうにしているの?」
「悠仁様の事をご心配されるとは、三姫さまも変わりましたね」
「まー、えーっと、バカにされたりからかわれたりするのは好きではないのよ。でも、私のイギリスについての質問に嫌な顔せず丁寧に教えてくれたのが、意外というか悠仁様にも良い所はあるのねと見直したのよ」
ほら、今回の事を心配してくれたり、ただそれだけよ!と支度もできたから朝食へ行ってくるわと言って三姫はささと部屋を出て行った。
三姫が出ていく後姿を見届けた敬子は、三姫の寝間着を持っては、三姫様お可愛らしいと微笑みながら軽い足取りで洗濯間へ向かった。
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