第8話 お茶会 その後

お茶会が終わり、椿家へ戻ったエドワードは、死にそうな顔で帰って来た。


その様子をみた、悠仁はくすくすと笑った。


”三姫のお茶会は、大変だったようだね”


”正座で死にかけました”


”アハハハ、三姫の事は悪く思わないでほしい。”


”座っている時も辛かったですが、立ち上がった時に痺れているのを悟られないで歩くのは大変でした。でも”


”でも?”


”三姫様は本当に興味深い方です”


悠仁はその言葉に目を細目、エドワードに問い詰める


”もちろん、彼女の事を本気にしてたりしないよね?”


”もし、そうならば?”


悠仁は笑顔で


”トライしてみたら? じゃ、晩御飯でまた会おう”


と言って、エドワードから立ち去った。


悠仁は気分を変えようと、バルコニーに出ると空を見上げた

「こんな風に空を見上げてたかな?」


夜にもかかわらず、空は曇りのため星は見えなかった


「あの時は、星が見えてたんだよね~。」


風がびゅーっと吹き、悠仁の髪の毛がサラサラと舞う。


「どんどん、寒くなってきたね」


季節は、真冬へと移行していく途中であった。


「ライバルが増えるのは、面倒だね」


悠仁はある方向をしばらく眺めた後、一階から ゴーン と夜会服に着替える(晩御飯を食べる為)合図であるベルが鳴り、自室へと戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る