第7話 お茶会

本日、秋本家では初となる外人とのお茶会が開かれようとしていた。


最初こそ、両親に「西洋人の前で恥をかきたくない」とお茶会をする事を反対はされたが、花嫁修業になるじゃない?という三姫の説得に両親は確かに花嫁修業になると思い許可が出た。


自分の興味を満たす為に呼んだのだから、お礼の気持ちを込めて、

ここは、日本が誇る ”おもてなし” でエドワードにより日本を好きになってもらおうと三姫は意気込んだ。


エドワードは日本語の勉強をして喋れるくらいだから、少なくとも日本に興味があるはず!


緑茶に和菓子や日本版フラワーアレンジメントを見てもらおうと思い、生け花を生けたりもした。


客間はこれで完璧!準備は万端!あとは、エドワードが来るだけ。


お茶会の時間が迫ると、三姫以上に親の方がソワソワしていた。


何だかんだ言って、三姫の両親、特に父親はヨーロッパの文化に興味があり、本当はお茶会に参加したいのであった。


「エドワード様がお見えになりました」

召し使いが三姫が待っているお部屋にエドワードを通した。


どうかな?気に入ってもらえるかな? 


そんな不安を隠しながら笑顔でエドワードを迎えた


エドワードは、用意された茶菓子を見るなり感嘆の声を上げた


「スバラシイ~ ビューティフル~! ワタシノ クニ ニハ オハナの カタチ ヲ シタ スイーツ ハ アリマセン」


お茶菓子をじっくり見て、食べるのが勿体ないと言うと、今度は生け花が目に入ったらしく、こちらも素敵だとほめたたえた。


「ナニモカモ ワンダフル デスガ、イチバン ハ サンキサマ ノ キモノスガタです」


三姫は、面と向かって異性から自分の見た目を褒められる事がなかったので、顔が熱くなるのを感じた。


2人が座ると、さっそく会話をはじめた。


最初は文化の違いを語り合ったが、後半になると互いの趣味や好みといった雑談へと話題が移っていた。


久しぶりに兄に以外の男性とまともに話せた三姫は絶好調だった。


若い二人が話に花を咲かせていると、庭の茂みから二人を覗く三姫の両親がいた。


「ほぉ~、あれが、西洋人か!金髪!目も本当に青い!西洋人の中に、ああいう色を持つ人がいるという、噂は本当だったんだな!」


「しーっ!あなた、聞こえてしまいますよ」

三姫の父親がうっかり、大きめの声を出すので母親は人差し指を唇に当てて、静かにするように頼んだ。


母親は目の保養になったと言って立ち去ったが、父親はまだ二人を見続けた。


「うーん、彼が日本人であれば、うまく縁談へと繋げそうな雰囲気なのだが」


惜しいと思いながら、お茶会が終わるまで二人を”観察”していた。


後日、覗き見に途中で気付いていた三姫に


「お父様、気持ち悪い!」


と叱られる三姫の父親であった。


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