第31話; Boxing Day

翌日の12月26日はBOXING DAYだ。

ボクシングデイとは、スペルの通り箱(BOX)にクリスマスに飾った飾りを箱に入れる(IN)という意味でそう名付けられたそうだが、実際のボクシングデイの意味は、バーゲンのスタート日だ。格闘技のボクシングとは全く関係していない。

クリスマスイブには、新聞にボクシングデイをターゲットにした広告が山ほど入れられていた。

「殆どの商品が半額になるから、美紅も広告をしっかりと見て、何か買いたい物がないかプランを立てなさい」

と、ホストママから言われた。

 日本のパパとママから送られてきたクリスマカードに10,000円札が2枚入っていた。カードには「カナダドルに換金して好きな物を買いなさい」とメッセージが添えられていたので、約200ドルで何を買おうかと考え、最近バンクーバーに出来た若者ブランドのVAN CITY のスエットシャツ(トレーナー)を買うことにした。

25日のクリスマスには最高の家族の時間を過ごしたが、わずか1週間後のニューイヤー(1月1日)にも、クリスマスとほぼ同じメンバーがこの家に集まった。

 お正月料理は七面鳥ではなかったけれど、もちろんお節料理でもない。それぞれが一品の夕食を持ち寄って、ポットラックパーティが行われた。ポットラックとは、料理や飲み物を持ち寄るという意味がある。

 カナダではお年玉という習慣はないらしいが、私はマッケイファミリーの長男のトラビスの子供にあげ様と、バンクーバーダイソーに行き買っておいたポチ袋にコインを入れて用意していたが、渡すタイミングがなくて、トラビスが帰る時に、子供のミッシェルに渡したら、ミッシエルは大きな声で

「I got money from Mikuミクからお金をもらった」と騒ぎ出した。

トラビスと奥さんは、

「高校生からお金は受け取れない。」

と言われたけれど、

「日本ではお正月にお年玉を渡す風習があるので、でも本物のお金じゃないの。中に入っているのはコイン形のチョコレートだから。」と言うと、

「Oh, It is a lucky coin. Good for Michael 」と、「美紅からラッキーコインをもらったよ。良かったねミッシェル」

と言い聞かせて、受け取ってくれた。

初めて過ごしたカナダのクリスマス、マッケイファミリーの愛情に包まれ、最高のクリスマスだった!


 北米のお正月とは日本の様に三が日お休みのわけではない。お正月休みは1月1日のみだ。明日の2日から、社会人は会社へと戻っていく人もいる。

私は今現地校に通っているので、冬休みは2週間ある。

次の月曜日から学校が始まるが、ケンに会えると思うと早く学校に行きたい。

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