第24話; 私も所詮はJK

 私はパパとママとの約束を果たした。それと学校では無遅刻無欠席という出席率を継続していることも高じて、パパもママも私がカナダの高校に行くことを認めてくれた。

サレー市教育委員会の入学登録締め切り目前だったけど、陽子さんは私の申込を間に合わせてくれた。KENが行くフレイザーハイツ高校の留学生枠は既に一杯だったらしいが、フレイザーハイツ高校には日本人の留学生が一人もいなかったので、教育委員会は、留学生の国籍を限られた国籍に固めたくなかったことから、私は特別にフレイザーハイツ高校への入学許可をもらうことができた。

これで、私は9月からフレイザーハイツ高校にKENと一緒に入学することが決まった。私は単位置き換え留学生として、日本の文部科学省が認めてくれる1年間をまずは行ってみようと心に決めたのだ。


 私はなんとかカナダでの生活に慣れ、ホームスティ先では家族との会話も全く不自由がなくなる程、英会話力は高くなっていた。

KENとの付き合いは順調だったが、語学学校の中では出来るだけ女子生徒は外国人としか付き合わない様に努めてきたけど、やっと日本人の女子生徒の中で友達と呼べる子が出来た。

彼女の名前はミイナ。

関西弁の強いミイナは、クラスの人気者だ。クラスメートの外国人たちは私とミイナの日本での生活ぶりを知らない。間違いなく普通の高校生だと思っている。私も相当な過去を持っているが、ミイナも相当なワルだったらしい。


 オンライン・ハイスクールから留学してくる高校生たちの多くが、不良系か不登校系かに分かれる。

私は今まで、彼ら彼女たちと付き合わない様にしてきたが、ミイナは英語の勉強だけは私に負けないほどに頑張っていた。だからミイナとは話があう。唯一ミイナは私の日本人の友達になった。

ミイナ以外の日本人女子生徒たちとは、私は表面上だけで付き合っていた。

彼女たちは、英語の勉強などしている様子はなく、クラスメートの外国人男子をゲットすることだけが留学の目的の様に見える。

彼女たちは、クラスメートの外国人男子に積極的にアプローチしている。

そんな彼女たちの狙いを知ってかいなか、男子生徒たちはセックスの相手は俺にしろよと自分のアピールを忘れない。それを自分はもてていると勘違いしている女子生徒たちは、休み時間に同じオンライン・ハイスクールから来ている女子生徒たちと話している。


「〇〇君とやっちゃたんだけど、日本人の男より大きいもの持っているから興奮しちゃった。もう日本人の男とはやれないかも。キャハハハ」

なんて話しながら盛り上がっている。

私は、すたすたと彼女たちの座っている席に近づいて聞いてみた。

「どこでやれるの?」

と聞くと、

「何あんたもKENとエッチ出来るとこ探してんだ?」

と聞かれた。私はKENとまだキスもしていないことなど教えてやる必要はない。

「いいからさっさと教えてよ」

「ホームスティ先よ」

「どうやって? ホストファミリーが家にいるでしょ?」

「だから私も必死だったわよ。ホストママの1週間のスケジュールを調べあげたしね。ホストシスターのピアノのお稽古日には3時間は誰もいなくなるの。ホストファミリーが家を出て行くのを外で見張ってさ、出かけた! さあ家に入ろう。ハイ、エッチしましょう。ハイ、終わった。ママが帰る前に出て行きましょうって感じ? キャハハハ」 

その話を聞いたもう一人の女子生徒が、私の話も聞いてよと語りだした。

「私なんかさ、私の部屋は1階にあるから、夜中にサントスをこっそり招き入れ、朝早く帰したら、未だにホストファミリーは、サントスがお泊りしたことに気づいていないもの。さすがブラジル人。聞いてよすごいだから。一晩に4回エッチしたのよ。私の記録よ、最高記録!」

まるで、武勇伝を聞いている様だ。つっこみあり笑いありの彼女が話す武勇伝に、私は思わず笑ってしまった。その横で、ミイナも一緒に笑っていた。

学校の日本人女子からは、〇〇君とやっちゃったという話をたびたび聞いた。

さすがに、陽子さんや亜子さんが、彼女たちの男遊びを知っているかまでは私は知らない。

「It’s not my business 私には関係がないこと」だ。私も所詮はJKなのだろう、決して日本人スタッフに告げ口はしなかった。

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