第2話; 不登校と呼ばれる少女 (1)

<前編>

私は美しく育った。

見た目は美しい、でも私は学校でずっと苛められてきた。

小学生の低学年までは、見た目が可愛いから周りにはいつも友達がいて、お誕生会にだって必ず招待をしてもらっていた。

いつ頃からだろうか、学年が変わる新学期には友達が出来るけど、少しずつ彼女たちは私から離れていき、気付けばクラスで独りぼっちになっていて、最終的にはクラスメート全員の女子からは無視され、私は学校に行けなくなり、不登校と呼ばれる小学生となった。

私には、なぜ苛められるのかその原因さえ分からなかった。

ただただ「田中さんって変わっているよね」と良く言われた。


私の名前は、田中美紅。美しい紅(くれない)と書いて、みくと読む。

紅(べに)が似合う美しい女性に育って欲しいと、両親が願ってつけてくれたと聞いている。


毎年、小学校で行われる家庭訪問では、我が家に担任の先生がやってきた。

担任の先生がママと話している会話を聞いたことがある。

「田中さんは協調性に欠けていて、クラスメートと上手に付き合えていません。もう少し、みんなに合わせて生活する努力をして下さい」

と、先生は言っていた。

協調性って何?

私はみんなと仲良くしようと、もの凄く努力をしているのに、何をどうしたら協調性が持てると言うのか、私にはさっぱり分からなかった。

先生の話を聞いていたママが

「もう少し美紅の学校での様子を詳しく聞かせて下さい」

と尋ねると、

「なんて言うのでしょうか、田中さんは少しその場の空気を読めないところがありまして」

それを聞いた私は、益々混乱した。

そして小学6年生になった頃には、私は全く学校に行かなくなった。

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