【Ⅱ】添える

 贈り物には付き物だと雑貨屋の主人に言われたので、手紙を添えることにした。

 そう言えば、君に手紙を書くのは初めてかもしれない。


「だって直接口で言ってくれた方が嬉しいじゃない」


という君の言葉のせいでもあったが、口にした側から霧散し形に残らない、言い逃げというやり方が自分の性に合っていた。形に残ると恥ずかしいだろう。


 でも今回ばかりは、少しでも長く君の所にこの想いを留めてほしいと思ってしまったから。


「やってやろうじゃないか」


 滅多に持たないペンを握りしめて、背筋を伸ばす。

 ああだこうだ言う前に、男らしく結論から書こう。

 口で散々言っているから、君は嫌と言うほど知っていると思うけれど。


「俺はやっぱり君が好きだ」



→【贈る】へつづく

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