二十七話目~きよみ視点~

━━あっという間に私達は高校生活最後の日、卒業式を迎えていた。

私を含めたクラスのみんな、式中は必死に涙を堪えながら臨んでいた。

しかし、みんなで構成詩を言う時、言っていく毎に泣き声が少しずつ増えてきて、最終的には私を含めたみんなが泣いていた。

私は...


“高校生活がとても楽しかった”


と心底思っていた。

私達は卒業アルバムにそれぞれのコメントを書いて行っていた。


『今までありがとう!』

『これからも仲良くしようね!』

『いつまでも友達だよ!』


など、沢山のコメンコを貰った。

その後、私達は解散した。


私はたけると一緒に帰路についた。


「もうこれで高校が終わるのか...」

「そうだね...」

「俺は専門学校行くけど、きよみはこれからどうするの?」

「うーん...まだ何も決まってないんだよね...」

「え、それはやばいじゃん」

「うん...」


実は、私は卒業した後の進路がまだ決まっていなかったのだ。

さて、どうしたものか。


アイドルを目指してずっと頑張ってきたけど、もうムリな気がしてきた。

アイドルを本当に諦めなきゃいけなくなったのかもしれない...


私がそんなことを考えているのを察したのか、たけるが私の肩を叩いて


「悲観することは無いよ、きっと見つかるよ、きよみを受け入れてくれるアイドル事務所」

「そうだといいね」


私達はそう言い合いながら、帰路についていた。


私がアイドルになれるのか怪しくなっちゃったけど、なれるように頑張りたいな。


“きっと、なれるよ”


━━たけるの言葉で元気が出た気がする。

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