クリスマス番外編一~たける視点~
━━━201X年12月25日
「ふぅ...こんな感じかな...?」
ここは、俺の部屋。今俺は、クリスマスの飾り付けをしている。
━━俺の家では、俺が幼い時からクリスマスの時、家中を飾る習慣が出来ていた。十年近く、親が飾っている所を見たり、手伝ったりする事で、いつの間にか一人でも飾り付けをすることが出来るようになった。そのおかげか、俺の両親が亡くなった後、俺はこうして一人で飾り付けをするようになった。それを始めてから今年で五年目になる。━━
そして、出来た飾りはクリスマスの日から正月が終わり、一月の末まで飾り続けている。
と言うか片付けるのが面倒なだけなんだが。
いつもはサスケさんとその家族が俺の家に遊びにくるが、今年は大変なことをした為、遊びに来るのを控えていた。
それに、今日は代わりにある人が来る事になっている...
「ふぅ...やっぱりココアはあったかい。このあたたかさはきっとお母さんとお父さんのあたたかさだろうな...」
ピンポーン...
待っている間、俺はココアで一息付いていたら、インターホンが聞こえてきた。
(よし、来たな!)
「おはよ、今日は一段と寒いね」
「うん、そうだね。あっそうだ、ちょうど飲み物作ったから飲んでく?」
「うん、じゃあそうする」
俺が玄関を開けるとそこに居たのはやっぱりきよみだった。
外がとても寒そうに見えたし、きよみが「寒い」と言ったから、ココアを飲んでもらうことにした。
ちなみに、俺はココアをやかんの中で一気に作っている。わざわざコップの中で溶かすよりも効率がいいと思ったからだ。ちなみに、お湯じゃなく牛乳を使ってホットミルクココアにしている。
俺はきよみを居間へと連れて行った。
そして、コップに作っておいたココアを注いできよみに渡した。
「さぁ、どうぞ」
「ありがとう...あ!ココアだ!」
「♪ココアはやっぱり林永りんなが♪」
「あはは!なにそれー!!」
俺がココアを持って行くときよみは嬉しそうにした。
俺は何となくココア会社のコマーシャルソングを歌ってみると、きよみにウケたようで、きよみは大爆笑していた。
「あはは...ウケてるし...」
「あ...ウケちゃダメだった?」
「いや...ウケちゃダメじゃないけど...」
俺は意外な所でウケていることに少しビックリした。
きよみがバツが悪そうに尋ねてきた為、俺は大丈夫だと返した。
「そ、そう...?じゃあ良かった」
「...とりあえずココア、冷めるから早く飲んでね?」
「うん...」
安心したようで、きよみがそう言った、俺はココアを見ながら飲むのをすすめた。
「…」
「…」
「…」
「…」
沈黙が続いていた。
「...なんで私達、黙ってるんだろうね...」
「...そうだね」
「…」
「…」
きよみが沈黙を破ってみるも、また沈黙が流れ始めた
「そうだ、どこかに出掛けるって言ってたけど、どこなの?」
「それは内緒」
俺は気になった事を聞いてみると、きよみは、右手の人差し指を口につけて、笑いながらそう言った。
「ふふっそっか」
「ふふふ...うん」
笑いあった
「行く?」
「そうだね、暖まっただろうし。行こう、どこか分からないけど」
きよみが出発するとのこと。俺は頷いた。
「それでは、行こう!」
「おー!」
「なんで『おー!』なの」
俺が出発!と言うと、きよみが大声で叫んだので、俺は突っ込んだ。
「てへへ...」
「...ふふっ」
「ははは」
きよみが恥ずかしさ隠しに笑っていたが、それが可愛く見えたため、俺は笑い出ししてしまったが、きよみも釣られて笑い始めた。
ガチャ...
二人が玄関から出て、たけるは鍵を閉めた。
「さぁ、行こう」
「うん!」
たけるが手を差し伸べると、きよみは満面の笑みで手を握った。
━ドキッ
たけるはまたドキッとしてしまった。
エレベーターでたけるの部屋の階からエントランスへと降りて行った。
「さてと、じゃあここからは私が案内していくね」
「りょーかいじゃあ、よろしくね」
エレベーターから降りてからきよみがそう言うと、俺は敬礼してきよみに任せる事にした。
そこから、俺ときよみできよみが行くと行っていたどこかへ歩みを進めて行った。
~つづく~
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