九話目~きよみ視点~
━━━告白した日の翌日
今は朝の七時ちょっと過ぎ
きよみは、いつもと違う朝を迎えた。
コンコン、と扉を叩く音がした。
きよみは寝起きのまま玄関へと直行した。
「おはよう!」
「ん...おはよ...」
そこにはたけるがいた。
おはよう、と言われたきよみは寝ぼけた声で返した。
「はやいですね...?」
「あぁ...ごめん...」
きよみは目をこすりながら、後ろにある時計を見て言った
それに対してたけるは少し微笑み、返した。
「それで...ちょっとお邪魔していい?」
「うん、いいですよ。ウチ、お母さんいますけど、大丈夫ですか?」
「うん、ありがと」
たけるが少し顔を赤くしながら聞くと、きよみは笑みを浮かべ、承諾した。
きよみ達は居間へ向かった。
「...ところで、なんでこんな時間に来たんですか??」
「きよみs...きよみと朝の時間を過ごしたいなって思って」
きよみが不思議そうに聞くと、たけるは顔をまた赤くして答えた。
「なるほど...朝ごはんは食べたんですか?」
「うん、バナナを食べてきた」
「バナナだけじゃおなかいっぱいになってないんじゃないですか?」
「まぁね、でもこれはいつもの事だから大丈夫だよ?」
きよみはふと気になったことを聞くと、たけるはバナナを食べてきた、と答えた。
きよみは目を丸くしながら問いかけると、たけるは大丈夫だと言った。
「それじゃダメですよ...ご飯持ってきますね」
「いや、大丈夫だってば」
「ダメです」
「大丈夫だよ」
善か悪かで言い争いになってしまった。
「...分かったよ、お願い」
「...はい!」
しかし、すぐたけるが折れてしまった。
きよみはすぐに台所へ向かい、目玉焼きと味噌汁を作り始めた。
慣れた手つきで作っていく姿はまるでプロの料理人のようだった。
出来上がった目玉焼きを皿に盛り、その横にトマト、キャベツを盛った後にご飯を茶碗に盛り、味噌汁を汁茶碗に注ぎ、それらをお盆に乗せ、たけるの所へ持っていった。
「お待たせしました」
「うわぁ、美味しそう。俺の為だけにこんな本格的に作ってくれたんだ...」
「バナナだけじゃ栄養が足りないですからね、これからは普通のごはんを食べて下さいね」
「うん、分かった。ありがとう」
きよみがごはんを持っていくと、たけるは驚きつつも喜んだ。
きよみは、たけるにこれからのしっかりとした食生活を約束させた。
━━━こうして、きよみとたけるとの恋人生活が始まった
「それとも、毎日私の家にごはんを食べに来ますか?」
「そうしようかな...アハハ...」
きよみが聞くと、たけるは苦笑いをしながら承諾(?)した。
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