一話目~きよみ視点~

今日は私の楽しみにしていた、サキちゃんが出ている雑誌の発売日!早く買わないと、売り切れちゃう!




私きよみはアイドルになりたい高校一年の十五歳。私はアイドルになるためにμ(ミュー)と言うアイドル雑誌を読んでいる。その雑誌にある、アイドルにアイドルのコツを聞くコーナーが好き!今日は、私の気になっていた『謎の多いアイドル』のサキちゃんが今週のそのコーナーに出るって先週のコーナーで言ってたから、私は今週号を何があっても買いたい。




「あ!急がないと開店しちゃう!」




部屋の時計を見たら、八時五十五分の少し前を指していた。


私の家からは、私がいつもμを買っている本屋が一番近い。歩けば十分で着くけれど、走れば五分位で着ける距離だ。


そして、その本屋は九時に開店する。




(走れ!走れ!間に合って〜!!)




私はとにかく全力で走った。


気が付くと、本屋の目の前に来ていた。


ギリギリ間に合った様で、本屋の扉はまだ閉まっていた。周りには、成人したと思われる男性が一人いた。


店の奥から店長と思われる男性がやって来て、入口の扉の鍵を開け、扉を開いた。


私は早足でμを探し始めた。




───「うー...中々見つかんない...」




私は必死にμを探していた。本屋の隅から隅まで探すつもりでいた。すると




「あ!あった!!」




本屋の隅に置いてあるのを見つけた。


私はμを持って急いでレジへ向かって、μを買った。




よし!あとは早く家に帰ってμを読むだけ!


走れ!!っとそこへ人が!




「あふんっ」




私は誰かにぶつかってしまった様だ、思わず声を上げてしまった。




「あ...ごめんね...?」




相手が申し訳なさそうに言った。




「いえいえ、こちらこそすいません」




私は深々と頭を下げた。頭を上げるとそこには、本屋の入り口にいたあの男性がいた。


よく見てみると、彼はイケメンだった




「...どうしたの?」




彼が不思議そうに尋ねてきた。




「...あ、いえ!何でも...ないです...」




尋ねられて私は慌てて返した。最後は自信なさげに言ってしまったが...




「...そう、まあとりあえずごめんね」




彼はそう言い残し、レジへと向かって行ってしまった。




(...か、カッコよかったなあの人...)




私はそこから家までゆっくり帰った。


ずっと『あの人』の事を考えながら。




(...もしかして、この気持ちって...こ、こ、こ、『恋』なの!?まさか私、恋に落ちてしまったの!?)




どうやら、私、恋に落ちてしまったようだ。


じ、人生十五年生きてきたけど、初めて...この気持ち。


私、恋なんて一度もしたこと無かったから分からないけれど、この気持ちが、恋って言うのかな?

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