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僕たちはギルスタのお姉さんオススメの中ぐらいの難易度のクエストを行うところだった。だが……

「イオリ、ひとつきいていいか?あのお姉さん、中ぐらいの難易度のクエストって言ったよな?」

地図をみて僕はイオリに尋ねる

「は、はい……いってましたね」

「中ぐらいの難易度なのになんで俺たち今魔王の城にいるの?」

「さ、さぁ?」

僕たちは今、魔王が住んでる城の出入り口にいる。

「てかおかしくない?なんで一番簡単なクエストは町の外でやるのにたいして中ぐらいの難易度のクエストは魔王がいる城の探索なの?」

「もしかしてメンテナンスで慌ただしくて超上級者向けのクエストを持ってきちゃったのかもしれませんよ?」

「下手すりゃモンスターに捕まるかもしれないぞこれ」

僕は恐る恐る城へと足を運んだ。

ギィィィとすごくボロい感じの音が扉を開けるとなった。

「真っ暗だ、誰もいないのかな?」

とその瞬間城中が明るくなって


パン!パパーン!

「アンコーラ様!魔王幹部昇格おめでとうございま~す!」


魔物たちが僕たちを祝ってくれた!いや、たぶん見間違いだと思うけど

「さぁさぁ、アンコーラ様、こちらに!」

ゴブリンたちが僕たちを真ん中の特等席に座らせた。

「さぁさぁ、アンコーラ、飲みなぁくいなぁ!」

次々に出される不思議な食べ物。

やはりここでも豚スターの丸焼きが出てくる。

「あの、君たち、勘違いしてない?」

すこし怖い魔物に僕は質問しました。死ぬ覚悟で……

「勘違い?なにいってるんです?僕たちは今日、ここに来るアンコーラ様の顔も声も今まで知らないで待ちわびてたんですよ?」

顔も声も知らないでパーティーするなんてスゲーな魔界って。


一時間ぐらい魔物たちと戯れていると

「よー!君たちが今日から私の下で働くものかぁ!」

いかにも魔王幹部らしき女の死神が城へ入ってきた。


ものまね番組でよくある真似してるとご本人登場のシーン


アンコーラ様(きっと)本人登場!これはまた女神のところへいくの……

アンコーラ(本人)はこのどんちゃん騒ぎを見て硬直する。


「イオリ!ヤバイかも!僕達逃げよう!」

僕はイオリの手をつかみ城の出入り口に走ろうとすると

「なにうそついてんだよ!にせアンコーラ様は消えろ!」

『消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!』

なぜだか知らないが本物のアンコーラは魔物たちに追い出されそうになってる。

「な、なぜだ!私はアンコーラだぞ!この間山の外れのいなか町の人々を助けたアンコーラなのだぞ?」

半泣きで言う幹部。


いま人助けがどうとか言ってなかった?


なに?魔物なのに人間助けると魔王幹部になれるの?


まぁ、魔王が転送された一般人なら悪いことしないか


「人助けした?最近人助けしたやつって女だったな?じゃあ君たちは何者?」

と魔物の一人が僕たちを見る。

「僕たちは……えっと……あなたたちをぶちのめすためきた…冒険者です………」

その言葉を聞いてアンコーラ様ご本人は

「確保!」

その言葉で魔物たちは僕達に襲いかかった。



ですよねぇ!


僕達はあっさり捕まった。




魔王の城で捕まってから数日、ここら辺はちゃんと悪役っぽいことしてるんだな、食事も出ないし拘束されてるし……もしこれを一般人魔王がみたらどう思うんだろ。

そう考えてると

「やっほー!なんか捕まったみたいだね!」

馬鹿女神がすごく殴りたくなるような満面の笑みでこちらを見ている。

もしこの世界の冒険者に付録としてまほうが使えるならこの女神まほうでぼろくそにしてやったのに。

「捕まっちまったよ!どーすればいいんだよ!」

すこし大声を出すと監視のやつが来そうなので小さい声で女神を怒った。

「なに怒ってるの?ここの城は魔王が前世でマゾだったらしく魔王になった瞬間みんなあなたのような格好で魔物も魔王もぐっすり寝てるわよ?」

「馬鹿なの?」

「うーん、最初はこの方法提案したとき半殺しにされそうになったらしいけどいつの間にかブームになりこのスタイルがここでは定着したらしいのよ、ちなみに食事なしは一部の魔物に人気だけどね。」

いい人が魔王になったんだと思ったらマゾって、異世界に転送されてちゃんとここで生きてる普通の一般人はぼくひとりだけかよ。

「てかお前、女神だよな?なんかここで使える魔法ある?」

「あるわけないでしょ?人と女神が会話してる時点で魔法みたいなもんよ」


使えねぇ。



次の日なんかよくわからないが魔王の城から脱出(アンコーラ様が出してくれた)できた。

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