6

「よかったじゃんまた仲間と冒険できるわよ!」

またまた真夜中、女神が顔を出した。

「よかったじゃねーよ!なんで日本じゃねーんだよ!普通そこは異世界じゃなくて日本だろ!」

「だってぇ、日本に送ったらぁ面白くないじゃぁん」

「面白い・面白くないって問題じゃねーよ馬鹿垂れ!期待して損したわ!てか何でかならず真夜中にくるんだよ!」

「だって女神世界だとその時間がちょうど人間を異世界に飛ばした女神たちの循環時間なんだもん」

この女神どころか全女神が鬼だったのかよ。

「苦情たくさん来てるんじゃないのか?」

一応聞いてみる、僕みたいな被害者がどれくらいいるか

「苦情?女神条例には『苦情は褒め言葉』って条約があるから苦情なんて女神の力の源になるの」

なにその『やればできるは魔法の言葉』的な言葉は……

「ちなみに一番ひどかった苦情はどんなだったんだ?」

「えっと、『俺をなんで異世界で魔王にしたんだ!おしえろ駄女神!』が私的に素晴らしい褒め言葉だったよ?」

「は?今なんて?」

「だから『俺をなんで異世界で魔王にしたんだ!おしえろ駄女神!』って言ったんだよ?」

「お前まさかここに無理やり日本の一般人を魔王にしたのか?」

「うん!」

「頭腐ってんのかテメー!」



次の日、僕はジンマとイオリに女神のことを話した。

「馬鹿言ってんじゃねーよ、女神様はそんなことやらねーよ」

「そうですよサキ様!例えサキ様の作り話でも女神様を馬鹿にしちゃいけませんよ!」

だめだ、信じてくれない。

「魔王幹部も倒したし、これでやっとまともなクエスト受けられるなサキ」

そういえば初クエストイオリを助けるためにリタイアしたんだっけ?

「さぁ、クエスト行きましょうよ!サキ様!」

僕の手を引いてイオリはクエストボートへ走った。


「あれ?豚スターの討伐クエストがないよ?なんで?」

クエストボートへいったらまともなクエストがあまりなかった。

「せっかく来ていただいたのにすいません、初心者クエストは今、メンテナンス中でして、豚スターの討伐クエストは今回で廃止になりました」

奥から女のギルドスタッフがやって来た。

「メンテナンスする前にいってよ!ギルスタのお姉さん!私たち『イオリちゃんとサキ様~愛を添えて~』の初クエストがないじゃないですかぁ!」

初めて見た、ギルドスタッフをギルスタって省略する人

てかその名前人前で言うな。みろギルスタのひと、僕をみて笑ってるよ。

「でも、一個だけ、中ぐらいの難易度のクエストがあるのですがそちらにしましょうか?」

「はい!」


イオリは僕の了承を訪ねず勝手にクエスト申請をした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る