5

[緊急!緊急クエストです!皆さんギルドへお集まりになってください!]

のんびり穏やかな町に轟音のギルド放送が流れる。

「なんだなんだ!」

僕はかわいい寝顔をしてお昼寝をしていたが爆音のせいで跳ね起きた。

夜寝てるとまた女神が邪魔しにくるのでちゃんと寝れるのこの時間帯だけなのに……

部屋を出てジンマのいる一階へ行くともう二人ともギルドへいってしまったらしい、


ギルドへつくと出入り口までパンパンに冒険者たちが詰まってた。

多すぎじゃね?

[皆さん!お集まりいただきありがとうございます!緊急クエストが発生しました!]

僕はすこし遠くにジンマを見つけ近づく。

「緊急クエストってなに?なにがくるの?」

「ヴァンパイアだ、お前がすこし前に倒したやつが復活したんだろ」

またあの女神か!また僕に殺されにきたのか!今度こそ許さない!

[今回の緊急クエストは魔王の幹部ヴァンパイアの討伐および撃退です!今回はもっとも危険とされる難易度星六つだそうなので上級冒険者様たち頑張ってヴァンパイアを撃退してください!英雄サキ様に続けぇ!]

とメガホンを使って話すギルドスタッフのお姉さん

僕の名前使うのやめて、緊張するから




町のそとへ出て思ったまた今回も女神だろうなぁと、だが……

「きさまたちがこの大きな大都会、バンバラの冒険者たちか!こんなよわそうなやつらしかいないのか」


あ、あれ?声男っぽいしちゃんとコウモリの羽はえてるし顔怖いし本物っぽいぞ………


おれ、今日死ぬかも。


「よわそうなやつらだと?!こっちには英雄サキがいるんだぞ!」

と冒険者の一人が言う。


無理だって!あれはいくらなんでも死ぬから!

あれ?異世界だから死んでもいいのか?だったら!


「やい、ヴァンパイア!今日をお前の命日にしてやる!僕の名前はサキ!さっきあの冒険者がいっていた英雄サキだ!」

僕は絶対殺されても生き返ると信じてずんずんとヴァンパイアに近づく。

死なないとわかったらなんだか急に楽しくなってきたぞ!

「貴様がサキかぁ、貴様が所属してるパーティー名をいってみろ!」

「『イオリちゃんとサキ様~愛を添えて~』だ!」

これ言うの恥ずかしいんだけど


ヴァンパイアはすこし間をおいて

言った。


「馬鹿にしてんのか?」

「してない!」


ほらぁ、このなまえいうと英雄でも大笑いされるから嫌なんだけど

毎回やらなきゃいけないのか、この戦い無事に終わったらパーティー名変更しよう。

そう胸に誓った。


「英雄サキ様をなめるなよ!必殺!『綴夜スペシャル!』うぉぉぉぉぉぉぉ!」

僕は必殺技を出してヴァンパイアに特効した。


これでかつる!


……………………………………………………………




なんだここは、すごく広い部屋だ。壁もないし、てかなんでこんなところにいるんだ?異世界の休憩場所か?

「ちょっとあんた、なにしてんの?」

目の前で何処かで聞いたことがある声がする。

声の主は……あの馬鹿(女神)だった

「なにって今、僕はヴァンパイア倒して気を失い休憩場所に運ばれてきたんだろ?」

「はぁ?なに寝ぼけてんの?あなたは死んだのよ?」

は?死んだ?なに?異世界って普通に死ぬの?

「え?死んじゃったの?相討ちで?」

「相討ちどころか全然違うところへいって池に落ち溺れて死んだのよ?覚えてないの?」

池?溺れた?日本では校内河童で有名な僕が?

「嘘だと思ったらこれ見なさい!」

女神がパネルを思い切り叩いたら異世界が映った。

「これが流行りの4Kかぁ」

「そこじゃない!ちゃんとみて!」

そこに映ってたのは先ほどの僕だった。

「あなたは必殺技を出して目を閉じそのまま方向がわからなくなり森へ突っ込んでったのよ!」

本当だった。目を閉じヴァンパイアの手前で直角に曲がりそのまま池に落ちてった。

「最悪だ、僕の死因は池ポチャかぁ、でも僕が今ここにいるってことはヴァンパイアどうなったの?」

「ヴァンパイアはジンマという男によって消滅したわ、ジンマは瀕死になりながらね、ちなみに今池からあなたが打ち上げられたところよ」

画面に写ったのはシュールな絵だった。

まるで僕が魚の水上げのように網で捕まってる。

「あの、僕これからどうすればいいの?女神」

「うーん、もう一度人生やり直す?」

と女神が聞いた。

人生やり直すということは晴れて日本に帰れるんだな!

「もう一度人生やり直して!」

ワクワクしながら女神に言った。


こいつも女神っぽいことするじゃん!

「了解、人生やり直してあげる!」

そういうと僕の回りに魔方陣が出た。

「じゃあね、いってらっしゃい!」


これで日本に帰れる!


第一声はやっぱり「うんぎゃー」かな?「おぎゃー」かな?

「あ!サキ様!生きてたんですか!」

「うんぎゃー!なんで日本にイオリが!?」

「なにいってるんです?早く報酬取りに行きましょうよ!そのあとにジンマさんのお見舞いにいってぇ」


まさか人生やり直しって日本じゃなくて異世界でなの!?


あの馬鹿女神!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る