二次元の救世主さ!

藤宮 結人

第1話 女の子の1日


ある日、女の子になった。

容姿は銀髪巨乳でモデル体型。出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んでる。

正しく異世界姫ヒロインで絶対メインキャラでメインヒロイン。

ラノベや漫画の主人公なら果てしない冒険をする内、いつか恋心に気付き、そして手を繋ぎ、王国の祭りでデートし、砂浜で水着イベントでポロリ、そして辺境の中ボスを倒し真の魔王を倒し、世界の平和を取り戻し全てが丸く収まったのち、恋人から正妻として迎え、ハッピーエンド一直線のテンプレ夫婦生活を送り、「子供は女の子が先で、男の子が後がいいかな」みたいな会話をしてきゃきゃうふふのラブラブテンプレを描くであろうことを望む。・・・・・・俺もそうするし。

そうするんだが、この場合どうしたものか。


・・・・・・・・・・明日、高校の入学式なんですよ。


制服、私服、下着などもろもろ一式持ってないですよ。


「・・とにかく、こういう時に頼れる人に相談しよう♪ そうしよう♪」



(本当は♪なんて付けて喜んでないーーーー)






少し、ため息を付いて「神器スマホ」を持つ。

そして両親より信頼しているもう一人の家族に連絡、相談する。




「お姉ちゃ―――――――――――――ん!!!!!!!!!!!!!!!

 女の子になっちゃったよ!!!」




・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・只今、電話に出ることは出来ません。


「・・・・・・何だと、私より仕事ですか?」



信じてたのに裏切られた感があるのは否めない。

今を以って私は明日のことについて必死に考える。

いや、考えなきゃいけない。




――――――――――――――――



「という夢を見た体ね。それで現実はと?」


「意地悪はやめて。やっと現実逃避が完成しそうだったのに」


――AM10時30分 八重樫家 リビング


ベットで壮絶な思考回路を回し続けた結果、ショートしました。

なので助けてもらう為きました、幼馴染の家に。

築300年、リフォーム5回の道場を持つ格式ある家に。

しかしながらそれは「現実逃避」の妨げになった。


(まあ、別に「これが夢だったら~」とかミジンコレベルで期待していただけだし!)


・・・・・・そう、瞳のハイライトが無くなった瞬間である。





 




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