最終章:回想Ⅱ
美術館、ゼンにとって有用な申し出であったため招待を受けたのだが、関係者用の一室に座す面子を見て、オーケンフィールドは貌をしかめる。
この会の主催、ミノス・グレコから奪った地盤をもとに構成されている西方諸国裏の貌、秘密結社『幻日』の首領クラトス・ガンク・ストライダー、まさか代理人ではなく本人が出張ってくるとは思っていなかった。
彼が率いる取り巻きも、裏の世界では知らぬ者がいない武人であった。獅子の名を冠する者と、もう一つの狼の系譜。いずれも政変時に反政府側に回った、ある意味で愛国者の一族であり、どこの勢力にも与せず各々大勢力を築いていたが、片方は先代のグレコに、もう片方はミノス・グレコに喰われ、傘下に入る。
そして今、彼らは正しき王を戴くに至っていた。
いずれも怪物揃い、立っているだけで凄まじい圧を感じる。何よりも主である男が、一番恐ろしい気配を放っていた。
「……色々聞きたいことはありますが」
「ニケとは双子だ。当然似ている。それ以外の質問なら聞いてやるぜ」
「では、何故彼らも同席しているのですか?」
「あー、こいつらな、招待はしてねえよ。勝手に来ただけだ」
オーケンフィールド、クラトスが同時に視線を向けた先、そこには金髪碧眼の男が楽しそうに何かを操作していた。
「館内は撮影禁止ですぜ、アールトさんよォ」
「おや、これは失敬」
そう言いつつも操作をやめる気配のない男、アールトが上座にて足を組む。まるで、ここにいて当然と言わんばかりの雰囲気であるが、誰も招いていない。
来訪自体も極秘であったはず。
「なぁ、どっちから漏れたんだろうなぁ、アストライアーよォ」
「……調査は、するつもりです」
「仕方ないでしょう。急ごしらえの組織、穴がない方がおかしいのです。貴方はとても優秀ですよ。私が少し、苦労したので」
フィラントロピー代表アールトが微笑む。彼の脇に控える武人も怪物ばかり。これまた裏世界では知らぬ者無し、竜虎蛇の系譜。王政が崩れた際に消えたとある国の武家は全て、この男の血統と共に在る。
いつもはゼンがいないと強気の九鬼でさえ言葉が出ないほどの面子。不破も嫌と言うほど感じてしまう。ジェネラリストでは届かぬスペシャリストの極み。九鬼も強い。間違いなくこの世代では世界でも五指に入る。
だが、彼らは人の枠ならば世界で十指を争う怪物たち。武の極みと謳われる九龍とて渡り合えるのはごく一握り。
(巧く、デカい。私では、勝てません)
大部屋が小さく感じるほどの圧迫感。
「ふむ、良い駒ですが、少し落ちますね。アストライアー」
幻日、フィラントロピー、二つの視線がオーケンフィールドを射貫く。さしもの彼も背中に大量の汗をかく、が、貌だけは平静を装っていた。
「心音は?」
「脈拍増大、されど顔に色一つ浮かべず。優秀かと」
アールトの問いに一人、部下である糸目の男が答える。
「ふふ、ご安心を。今日は争う気などありませんよ。そもそも、今この場で一番強い駒を率いているのはアストライアーですからねえ。あくまで私たちの持ち駒は、人でしかない。今日はただ、見学です」
「人でしかない、ねえ。そいつらはともかく、他に関しては面白い話しか聞かねえなァ。随分、優秀なマッドサイエンティストがいるみてえじゃねえか」
「理念に賛同してくれる協力者、ですよ」
「かっか、そーかいそーかい」
笑っているクラトスを見ると、オーケンフィールドは嫌でもニケを重ねてしまう。姿かたち、雰囲気、何から何までそっくりなのだ。
違うのは、彼が英雄として召喚され、ニケがクズとして召喚されたこと。
ここまで近いのに、天地の差。
「なら、とりあえずこっちの用事を済ませるぜ」
クラトスは書類を放り投げる。
「必要とは思わねえが、一応、な」
オーケンフィールドは書類を取り出す。不破も視線をちらりと向け、少しばかり驚く。そこには個人情報がずらりと並んでいたのだ。
世界中、あらゆるジャンルの天才たち。様々な角度から数値化したデータをもとにした、順位付けである。
「第四の男、候補ですか」
「そういうことだな。そっちも独自で色々調べているみたいだが、今のお前さんじゃ時間がかかり過ぎる」
「対価は?」
「葛城善をくれ」
「では、お返しします」
即答するオーケンフィールドを見て、クラトスは笑う。
「冗談だ冗談。タダでやるよ」
「タダより高いものはありませんよー」
茶々を入れるアールトを無視し、クラトスは身を乗り出す。
「これは投資だ。お前らアストライアーはこれから世界の中心に躍り出る。お前らがトチらない限り、これはもう既定路線になった。世界中がお前らありきで、お前らの情報を正として動き出した以上、発信者が中心に立つは道理」
「そうですね、覚悟しています」
「オッケー。べったりする気はないが、互いに協力できることはあるはずだ。利害関係、お前らが表で俺たちが裏、これなら世界とも戦える」
世界と戦う、その言葉にオーケンフィールドと不破は貌を曇らせた。
「包んだ言い方をせずとも、賢人会議を潰しましょう、で良いでしょうに。彼らも尻尾ぐらいは掴んでいますよ。貴方は少し、彼らを子ども扱いし過ぎですねえ。彼らも馬鹿じゃありません。羊の領分を超えた以上、勝算はある」
アールトはドローンから映し出される映像を見て、目を細めた。
「ただし薄氷、と言うところでしょうが。その点で日本警察とも協力関係を結んでいますし、ウェールズもそれで口説いた。パラスのコネもあるでしょうが、それだけで動く国ではありませんから。いい動きです」
「……どうも」
全て知られていることに、オーケンフィールドと不破は歯噛みするしかない。ウェールズの件は協力関係を知られた時点で想像がついてもおかしくはないが、日本警察とのやり取りは極秘中の極秘である。
不破がいたことで悟られたのかとも思ったが――
「シュウイチロウ・フワがここにいることは重要ではありません。君はアストライアーでもあるのですから、それで答えは出ない。であれば、どこからこの情報に辿り着いたか、これは宿題にでもしましょうか」
アールトは思考を読んだかのように先回りをする。
「第四の男、第一候補だけはありますね」
「ふふ、ならばその資料、紙くずですねえ。第四の男は決まっています。そもそも、私が第三の男である可能性はあっても、第四はありえない。まだ第一、第二の方が可能性はありましたし、それこそゼロ番目ならば良いセン行っていたと思いますよ。まあ、残念ながらキョウジ・カノウに敗れましたが」
「何故、第四がありえないと?」
「私と言う人間にはもう、伸びしろが残っていない。アルトゥールやクラトス、そして貴方にはそれがあった。キョウジの選定理由は例外でしょうが、そちらの方が私には可能性があったはずです。時代遡行による経験、それによる変化、ただ世界が過去に助け舟を出していたわけではない。双方を、いや、三方を成長させるための、必要な過程であったと考えるのが自然でしょう」
彼は、アールトという男はクラトスやオーケンフィールドらと違い、あの時代には行っていない。それなのに、彼は此処まで辿り着き、すでに深めている。彼を知るであろうクラトスはやれやれと首を振るだけ。
つまり、彼ならこれぐらいはすると、思っているのだ。
「始まり同様、締めである今回もまた、選定理由は特殊かもしれない。ですが、まあこればかりは外す方が難しい。私から言えるのは一つ、品の無い広告は必要ありません。世界は知名度、人気などというつまらぬ基準で選ばない。それだけはゼロから三番目まで、一致しているでしょう?」
彼が指している広告とは、とにかく何でも試してみようとアストライアーのサイト上に用意した葛城善の紹介文であろう。世界中で最も閲覧されているサイトに広告を置いておけば知名度の向上になると――
「加納恭爾ですら、死んですぐは」
「そう、無名です。そもそもそれが重要であるなら、貴方よりも父上が選ばれていたはず。ゆえに、ポップであることに力を尽くす必要は皆無です。水物でしかないモノを尊ぶ世界は、価値は、虚飾。真の前では塵芥も同じ」
アールトは立ち上がり、部下に目配せする。
「迷いなく、真を磨けばいい。それが正解です。今日は良いものが見れました、これからの時代を支える者と、ここまでの時代を支えた者、実に良い気分です」
その言葉にクラトスの反応がないことを見て、アールトは苦笑する。
「最後に一つ、賢人会議を侮らない方が良いですよ。トップが何を考えていようと、腐敗した手足は醜く足掻きます。その力、侮ることなきように」
颯爽と第三極フィラントロピー代表アールトが去る。彼がここに来た最大の理由はオーケンフィールドらにわきが甘い、と伝えるためだったのかもしれない。自分が知っていることは、賢人会議のメンバーであれば知っているぞ、と。
彼らを侮るな、という警告。
そして窮地に際し、頼るべき選択肢として自分たちを売り込んできたとも言える。もちろんその際は、アールトの傀儡になってしまうだろうが。
「あの人を信じるのは論外だが、あの人の忠告は聞いといた方が良い。俺もあの人には足元をすくわれたが、すくってきたのが賢人会議の連中なら、今俺はここにいねえ。身をもって理解したからこそ、今がある」
ああいう怪物がわんさかいる。
そして何よりも――
「総合力ではなく、可能性を買われただけ、か」
「おそらく、そこに関しちゃ人為召喚の方も同じだと思うぜ。本当にヤバいのは、このリストに載っていない連中だ。完成し切って、完熟した怪物ども。こっからお前らが踏み込むのは、そーいう連中がうじゃうじゃいる伏魔殿だ」
ケタケタとクラトスは笑う。俺も苦労しているんだ、お前らもしろ、と言う感じの笑い。これほどの強さを、部下を持っていても、容易くないのが世界。
「まあ、そりゃあ先の話だわな。今は加納恭爾で頭一杯だろ」
「貴方は、第四の男、誰が選ばれると思いますか?」
「突然だな。正直分からん。選ぶ基準がな、俺には見えん。確かに、あの人が言うように第一も、俺も、おそらくお前さんも、あの世界に行って人生観が変わったはずだ。それが可能性だってなら、わからなくもない」
オーケンフィールドは心の中で賛同する。不破も、九鬼ですら同じ。
おそらく、あの世界に至り変わらなかった者など――
「だが、肝心かなめの加納恭爾は変わっていない。変わらないのが、あの男の強さだ。始まりが例外なら、次も例外でないとは言い切れない。なら、確実なことは言えん。言えんが、ピンとくるのは、このリストにはいねえなァ」
このリストの意味を、オーケンフィールドはようやく理解した。
「ま、それ見て精々頭捻るこった。とりあえずあれだ、あの一件は最高に痛快だった。久しぶりに思いっきり笑わせてもらったんでな、そいつはその分だ」
クラトスもまた立ち上がる。
「あと、護衛は赤城勇樹あたりにしておけ。魔族ってのが確認された時点でフィラントロピーみたいなことしている連中はゴマンといる。正直俺だってこいつらじゃ力不足だし、そもそも俺より弱いから要らねえって言ってるのに――」
「ひでえ」
「こんなことばっかり言っているから、フィラントロピーに引き抜かれるんですよ。血統的にはミノス様よりもずっと恵まれているのに」
「うるせえ! 弱いお前らが悪い。まあ、魔族相手もそうだし、こいつらみたいのが差し向けられる可能性もある。言いたくねえが、葛城善を地下に送り込んだ時点で、お前ら全員詰んでたぜ? 俺らに害意があれば、な」
まだまだ甘い、引き締めろと言ってクラトスもまた部下を連れ立って去って行く。残された彼らに笑顔はない。上手く回せていたと思っていたが、あくまでそれは時流に乗っただけ。怖いのは、ここから。
「連絡は?」
「きちんと本部の回線で行ったぜ」
「なら、抜かれるとすれば、本部、警察のシステムに穴がある、か」
「もしくは実地にハッカーが潜り込んでいるか、だな」
「今度のアストライアーは難しそうだね」
「寄り付くのが善人ばかりとは限らないからな。俺も少し緩んでいたみたいだ。少し締めなおす。ゼンに、要らぬ心配させるわけにはいかないしな」
「だね。……どうしたんだい、トモエ」
頬をぷくーっと膨らませる九鬼。顔を真っ赤にして、
「……護衛の仕事、続けさせてください」
怒っていた。
「それは君次第かな」
「強くなります。今、ここにいた連中の誰よりも」
「いやぁ、そりゃ無茶だ――」
「なります」
ゼン絡み以外で彼女が見せたエゴ。強烈なそれを見て、不破は苦笑いを浮かべる。自分に足りないのは、得た技術に対するこの執着なのだ。この情熱が、地平線を分け隔てる。そこはスペシャリストのみの領域。
「嬉しい誤算だな、ボス」
「そうだね。彼らの忠告、ありがたく糧にしよう」
力が足りぬことを知った。ならば、力を付ければいい。
ここから先、抜きん出た以上、世界とぶつかる覚悟は出来ている。そのための準備をする。これは、ここから先の話。
されどこの物語は、ここまでの物語である。
○
ゼンは最後に同志が遺した刃金に触れ、微笑む。
「もし、俺に、俺に機会があるのなら、必ず、絶対に、繋げて見せる」
そして、覚悟を決めて一歩、踏み出した。
○
座学と実技、積み重ねるうちに葛城善は気づく。
学ぶことは面白いことなのだと。もちろん、大変なことは多い。だが、知っているものが少しずつ繋がっていく感覚は得難いものがあった。知識と知識が結びついていく。化学は化学だけで独立していない。工学も、何でもそう。
様々なものが繋がり、絡まり、存在している。
知れば知るほど、知らなかった時よりも好きになる。
「……うががががが」
「……プログラミングは厳しいようですね」
まあ、中にはどうしても水に合わぬものもあるが。
それでも多くを学んだ。剣にまつわることだけでも素材から、化学、工学、物理学、多くの観点から見つめなおす機会を得た。
「それでも、飲み込みが早い」
飲み込みが早いわけではない。既知の知識が増えてきただけ。結びつけば理解は早くなる。それは武も同じ。色んなものに触れ、気づけば出来なかったことが出来るようになる。大星の言ったとおりだった。
出来ると信じれば、出来るのだ。
「では、今日はD言語を」
「あががががが」
「駄目みたいですね」
出来ないものも、あるが。
「このリストは何なんだ?」
ある日、ふとオーケンフィールドが見つめる書類に目が行った。
「優秀な人のリストだよ。英雄召喚が行われるかもしれないからね。彼らとは連絡を取って注意喚起をしているんだ」
「そんなこともしていたのか」
その時、ふと、卑怯な考えが過ぎった。
「……彼らのところに召喚陣が浮かべば、それを通って俺も」
「ゼンらしからぬ考えだね」
「いや、忘れてくれ。優秀なものが行くべきだ。俺ではなく、選ばれた者が、行くべきだ。行きたいと思うのは、俺のエゴでしかない」
「言ったね」
「何を?」
「行きたいと、言った」
「当たり前だ。何も成せぬまま、放り出してしまった。俺は自分が許せない。もっとできることはあったはずなんだ。もっと、何か――」
そんな姿をオーケンフィールドは微笑んで、見つめていた。
決してそれが運命だとは思わない。
必然だったという、言葉も正しいとは思わない。
様々なことが絡み合い、そしてこの結果に結びついたのだ。
「……これは」
ゼンの前に輝く、虹色の召喚陣。彼は必死に努力していた。だが、こんな状況など想定していない。自分が英雄として召喚されるなど、考えたこともなかった。何しろ、人の召喚陣を奪うことをも考えていたほどである。
「ようやくか。これで俺も日本に戻れるぜ」
シュウは苦笑する。
「マジかよ。はは、クズから英雄にランクアップか」
「いやぁ、めでたいねえ」
たまたま仕事を終えたイチジョー、アカギは驚きながら、それでも受け入れている自分に気づく。今、自分が選ぶなら、彼だろう。
それが重なれば――
「葛城、くん、行きたくなかったら、行かなくてもいいんですよ。私、全然代わりますから。嫌なら言ってください」
「いや、嫌じゃない。むしろ、望んでいた。こうなることを。本当にこうなるとは、夢にも思わなかったが。だが、本当に俺で良いのか、もっと――」
「グダグダ言うなよ、第四の男」
ゼンの背中をバシンと叩くはオーケンフィールド。
「葛城善は行きたいと言った。そして世界もまた、君を選んだ。どこに迷うことがある? エゴを貫き通せよ、葛城善のありったけをぶつけてこい!」
「オーケンフィールド」
「大星の言葉を借りれば、俺たちは全員、葛城善なら出来ると信じている。君はどうだ、俺たちを信じられないか?」
「……いいや、信じるとも。お前たちは、凄い奴らだからな」
「ああ、俺たちは凄い! そして、君もまた凄い。自分を信じろ、自分の積み重ねてきたモノを信じろ。何よりも、君を信じる俺たちを信じろ!」
「……わかった」
葛城善は深呼吸して、召喚陣を見つめる。
「ギィ、装備一式用意しといたから。バトルオーク用フル装備だよ」
「さ、さすがグゥ。すごいな」
「元々ボスから準備しておけって命令があったからね。あ、九鬼さん、僕、別に調子は乗ってないです、はい」
「別にいいですよ、今日は」
「へ?」
「一緒に、着せましょうか。力、要りそうですし」
「あ、うん」
さっさとゼンの全身がミリタリーコーデされていく。
「まさかこんな日が来るとはな、会った時には想像もしていなかった」
「俺もだ」
シュウの言葉にゼンは静かに頷く。
「俺も、何も残せなかった間抜けの一人だ」
「そんなことはない。シュウは――」
「だから、俺の分も頼んでいいか? 結構楽しかったんだわ、あの世界での生活。恩返し、したくても俺にはもう何も出来ない」
だから、頼む、と。
「……ああ、任せろ」
それにゼンは力強く頷いた。昔なら、過大な期待だ、自分には無理だ、やるだけはやってみる、一番前向きでも右端が限度だっただろう。
だが、今の彼は背負えるのだ。
「おいちゃんもお願いしちゃおうかなぁ。大事な弟分がいるんだ、あの子に、君の背中を見せてやって欲しい。それがきっと、あの子の正しい導となるから」
「よくわからんがわかった」
「ありがとねえ」
アカギは充分だ、と微笑む。
「ま、頑張れよ」
「ああ」
イチジョーの短いエール。それにゼンも短く応える。
「準備完了!」
「葛城君、御武運を」
グゥと九鬼が背中を押す。
「ゼン、君が俺たちのヒーローだ、勝ってこい!」
「任せろ!」
オーケンフィールドの手が、ゼンの背中をさらに押した。ゼンは背中の皆に応えるように、ぐっと暑苦しく親指を立てた。
力強い、サムズアップで。
皆の想いを乗せ、今――
『へいへーい。回想に浸ってる暇はねえぜ相棒』
「黙ってろギゾー」
葛城善は正義の味方として、ここに在る。
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