第8話 冬とロリータ趣味の女性

 俺は誕生日が近付いていた。

 ミカを諦めきれないままでとある女性と付き合っている。

 今度こそは、安心できる相手だと信じたい。

 女性の名前はキミエ、二十五歳、服装はロリータ系だった。

 付き合うきっかけ?

 なんだったかな?

 今はカフェで二人の時間。

 キミエはココアを飲んでいる。

 俺はホットコーヒー。

 キミエは黒のロリータを着ている。

 特に俺は何も言わなかった。

 彼女がお人形さんのような服装をしたければすればいい。

 キミエの笑顔は作ったような笑みだった。

 俺は誕生日にひとりで過ごすのがイヤだった。

 もちろん、ミカと過ごせるものならそうしたかった。

 でも、それは叶わない。

 キミエは可愛らしい黒のカバンからパンダのぬいぐるみを取り出した。

 キミエはぬいぐるみを我が子のように撫でていた。



(続く)

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