第7話 恋人DV

 俺に対する恋人DVは日常的となる。

 イヨが俺を自宅に呼んでは暴力を振るわれた。

 俺はこのときに初めて女性が怖いのだと恐怖に覚えた。

 イヨのニヤニヤした目つき。

 俺はびくびくしている。

 イヨがタバコを吸って俺にこう言った。

「なぁ? お前は根性焼きを知っているか?」

 そしてイヨは俺の手首を掴んでタバコを近付ける。

 俺は無言で必死に抵抗する。

 イヨは女性のはずなのに力が強かった。

 やめろ、やめてくれ。

 イヨは暴力を振るうことに快楽を感じているようだ。

 俺は気付けばイヨの家から逃げ出していた。

 命からがらイヨから逃げた。

 俺は無言で自宅に着いた。

 ミカの笑顔が頭に浮かんだ。

 でも、もう会えない。

 俺は気付けば部屋で泣いていた。

 それから部屋の物に当たり散らす。

 俺は自分の無力さを知った。

 悔しい。

 悲しい。

 つらい。

 ミカからは何も連絡が来ない。

 俺はひとり布団の中で泣いていた。



(続く)

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