第21話ストーカーな科学大臣

 アオイ:5人の魔王の中で一番閣僚人事が遅れてるムネミツ皇国。ここでようやくオリンピア王が推挙した科学大臣候補が来たのですが、これがまた曲者・・・失礼。少々どころかかなり性的な意味で危険な方のようで・・・


 魔界時間11:56 首都太刀神 皇城


 砅:誰かに見られてる気がする?


 カロン:ま〜たいつもの過激なファンじゃないの?


 莉音:いや、それが『気配』が全く無いんだ。


 カロン:機械的なもの?


 莉音:視線を感じて生物の気配を感じないとなるとそうかもしれないな。


 砅:隠しカメラとかの可能性があるな。そういうのに長けた部隊がいるから探させてみようか?


 莉音:流石は軍政大臣、頼む。


 皇王執務室を調べる科学捜査部隊


 隊長:大臣閣下!


 砅:あったか!


 隊長:はい!これです。


 砅:陛下、これは何処で手に入れた物で?


 莉音:2週間程前にファンからの贈り物の中にあった時計だ。前のやつが壊れたから丁度良かったと使っていたんだが。


 時計から声がする


 謎の声:ムッフッフ、よく見付けたわねん♡


 砅:誰だ貴様!


 謎の声:怒っちゃや〜よ♪オリンピア王のリストにあった科学大臣候補よ〜ん♡


 梨花:その人を小馬鹿にした様なイラッとする口調、それに手の込んだこの超小型隠しカメラ。さては貴女ドロシー・クラウス博士ですね!


 モニターに映るドロシー


 ドロシー:ムッフッフ、流石は報道部最恐の局アナ♪知ってるわよ〜ん、アンタの『もう1つの隠された正体』♡


 アオイ:この方はドロシー・クラウス博士、種族は妖狐族です。


 莉音:もうこの国に来てるのか?


 ドロシー:来てるわよ〜ん♪


 莉音:梨花、お前は彼女を知ってる様だが。


 梨花:はい、ドロシー・クラウス博士。魔界宇宙で学界の魔女として名高いソフィア・クルーガーさんと双璧を成す天才科学者。陛下の様なイケメン女子にストーカー行為を頻繁にやってて学界追放直前までいった曲者です。


 ドロシー:酷い言われようね〜ん♪オリンピア王から親書でムネミツ皇国科学大臣のオファーが来た時は天にも昇る心地だったわ〜ん♪な・ぜ・な・ら〜、私の好みのどストライクだったから二つ返事でOKしたわよ〜ん♡


 突如モニターから消え莉音の背後に立つドロシー


 ドロシー:この鍛え抜かれた筋肉、たわわに実ったオッパイ、引き締まった大きなおしり、そしてこの高身長に黒髪で褐色の肌に凛とした顔立ち、す・て・き♡


 莉音:転移魔法の一種か。


 ドロシー:あらん、気付いてたの〜。


 莉音:一瞬でも背後を取ったのは見事だ。良いだろう、我が国の科学大臣となるが良い♪


 ドロシー:あら嬉しいお言葉♡


 梨花:良いのですか⁉︎


 莉音:性格には多少難ありだが、あのシルフィード王国の科学大臣ソフィア・クルーガーと双璧を成す天才科学者なら申し分ない♪


 ドロシー:ありがとねん♪


 梨花:前途多難です。

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