第19話センダイ大橋

 アオイ:人間の皆さんは魔界宇宙の国ってどんな感じかわかりますか?え?人界では大陸の中に様々な国があるんですか?魔界宇宙では『本国』と呼ばれる母星を中心に幾つもの惑星や小惑星で1つの『国』として存在します。今回はそんな国土の惑星の中にある巨大な橋のお話です。


 魔界時間10:00 首都太刀神 次元国際空港


 ミオ:またね〜でにゃんす〜♪


 莉音:気を付けて行くんだぞ♪


 砅:ちょっと良か。


 莉音:どうした?


 砅:それが・・・


 莉音:センダイ大橋が占拠された?


 アオイ:センダイ大橋とは、首都のある本国から南西にある惑星の巨大な橋でかつてラグナロク時代に巨人族の鍛冶師が剣を作る際に『せん台』として使われたという逸話がある橋です。


 砅:橋を管理する守衛の話では人間の大女だそうだ。


 莉音:まるで『武蔵坊弁慶むさしぼうべんけい』だな。弁慶は男だが。


 砅:それがどうも本人はそう名乗っているそうだ。


 莉音:何だって⁉︎


『ムネミツ皇国領 カネウチ大森林 センダイ大橋』


 砅:実際この目で見ると壮観だな。


 ネットの観光案内を見る莉音


 莉音:霧がかかると幻想的だそうだ♪


 カロン:アンタ達ね、観光に来たんじゃないんだから・・・何あれ?


 白神アナ:はい、こちらはムネミツ皇国領カネウチ大森林にあるセンダイ大橋です。ここにあの『武蔵坊弁慶』を名乗る女性が現れたとの事で魔界宇宙各局のマスコミが殺到しております!


 莉音:これじゃ近づけないな。


 白神アナ:なお、彼女はここを占拠してから21時間経過しており、現地の方々も体調を崩さないかと心配しております。


 莉音:21時間というと、カオスバグマ殲滅作戦の真っ最中からいたんだな。


 カロン:で、どうすんの?


 梨花:彼処まで行けても今度は陛下がマスコミに揉みくちゃにされますよ『皇王陛下はこの状況をどう打開するつもりですか‼︎』って。


 カロン:上手いわね。案外元報道関係者なんじゃないの?


 梨花:OHNテレビ元報道局アナウンサーの・・・あ。


 カロン:とうとう正体現したわね♪朝の情報番組で出てたもんねアンタ。


 梨花:あうぅ。


 カロン:アンタ、まだまだ秘密を隠し持ってるでしょ。


 梨花:さ、さあ!マスコミの方は私に任せて陛下達は別口から行ってください!


 カロン:必ずアンタの正体暴いてみせるから‼︎


 梨花:変なトコでやる気出さないでください!


 マスコミA:なかなか動かないな。


 マスコミB:おい、アレ!


 マスコミC:伝説の局アナ『美澄梨花みすみりか』じゃないか⁉︎


 白神アナ:り、梨花さん!


 梨花:久し振りね。それより貴方達ここ、『撮影禁止区域』で皇王陛下直々の許可が必要な筈だけど、皇王陛下に直接許可取ったの?


 白神アナ:え?え・・・っと。


 梨花:相変わらずテンパってるわね。そんなんだからいつまで経っても『白神カミカミアナ』とか『編集泣かせ』って言われんのよ。読者しちょうしゃからの指摘で創造主さくしゃがどれだけ恥かいたと思ってるのよ。


 白神アナ:すみません。


 梨花:私、陛下からそんな話全然聞いてないんだけど。これって無許可で違法行為よね?社長に抗議してやろうか?


 白神アナ:す、直ぐに撤退します!ですから社長だけは‼︎


 梨花:アンタ達もよ。えっと・・・グローバリア公国のグローバーテレビに、スターマイトテレビ、更に魔鏡新聞社まきょうしんぶんしゃ六戒新聞社ろっかいしんぶんしゃ私、そこの社長達と交友関係にあるんだけど、どうする?クレーム言ってやろうか?


 マスコミ達:てっ撤収させます!


 管理棟から監視カメラで覗くカロン


 カロン:怖っ!目が座って完全に別人じゃん!報道局を恐怖させたってホントだったんだ・・・・これ以上正体探るの怖くなってきた。


 弁慶:誰だ?


 莉音:この橋を占拠してるのはどういう理由だ?


 弁慶:ここで刀を集めてる。お前の刀も良い業物だな♪


 莉音:やめておけ。これはお前達でいうところの『妖刀』だ。


 砅:このセンダイ大橋からの眺めを楽しみにしている観光客が困ってるぞ。


 弁慶:む?京の『五条大橋ごじょうおおはし』ではないのか?


 莉音:魔界のセンダイ大橋だ。


 弁慶:通りで誰も刀を持ってないわけだ。服も面妖なのばかり着てると思った。それなら合点がいく♪


 莉音:其方が良ければ住まいを用意させるが来るか?


 弁慶:この国の王自らの誘いとあっては断る理由はない。有り難くその誘いお受けしよう♪











  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る