第9話スイーツマイスター丹波からの依頼

 アオイ:魔界宇宙には4人の選ばれしスイーツマイスターという方々がいます。ショコラティエのパトリック・牙狼がろう氏、氷菓子職人の雪代氷女ゆきしろひめ嬢、ケーキ職人のピエール・キャラメック氏、そして今回登場する和菓子職人の丹波源九郎たんばげんくろう氏です。果たして彼のムネミツ皇国入国の目的とは?


 魔界時間9:58 首都太刀神 皇城


 カロン:莉音、アンタにお客さんだよ。


 莉音:私に?誰だ?


 カロン:スイートフル王国の丹波って和菓子職人だって。


 莉音:なっ!和菓子職人の丹波って丹波源九郎か⁉︎


 カロン:知ってるの?


 梨花:知ってるもなにも、皇王陛下は丹波さんの作る和菓子の大ファンなんですよ♪


 莉音:通せ、今すぐに!


 カロン:わ、わかったわよ!衛兵!


 衛兵:はっ!


 カロン:早く連れといで。


 衛兵:はっ!直ちに!


 源九郎:お初にお目にかかりますな陛下♪丹波和菓子店代表の丹波源九郎にございます。


 アオイ:この方が妖怪小豆洗い族の和菓子職人、丹波源九郎さんです。


 莉音:おお!其方が音にも聞こえた和菓子職人丹波源九郎か!よくぞ、よくぞ参られた♪


 源九郎:職人の国の貴国に・・・いや、『貴国でなければ』ならないお願いがございます。


 莉音:我が国で出来る事なら何でも言ってくれ!


 カロン:普段クールな莉音が凄いテンション高いじゃん。


 梨花:そりゃあ、夢にまで見た憧れの人が目の前に来たんですもん。


 源九郎:お願いというのは練り切りを作るのに使う『菓子鋏かしばさみ』でございます。


 莉音:菓子鋏・・・か。


 源九郎:和菓子職人は和菓子を作る際、出来上がりをイメージしてからそれを元に和菓子職人が手製で道具を作りますが、それは木や竹細工。鉄製の道具は然るべき鍛治職人にお任せするのが筋ってモンです。そこで貴国の職人で牙狼景光さんに依頼したくお願いに馳せ参じた次第。


 莉音:刀匠にか?


 源九郎:『刀匠だからこそ』にございます。刀匠は切れ味のみならず、寸分の違いなく厳密にその用途にあったものを作ります。だからこそ、上質の菓子鋏が出来るというものです。菓子職人も菓子に魂を込めて作るから道具1つにもこだわりたいのです。


 莉音:委細承知した、お任せあれ!


 梨花:い、良いんですか⁉︎本人が良いというかわからないのですよ!


 莉音:誠心誠意頼む!


 景光:良いですよ♪


 莉音:おお!


 源九郎:受けてくれますか!


 景光:職は違えど同じ『匠』作るものにこだわりがあるのは良いものを作るのに一切妥協しない姿勢の表れ。それを断るは職人の恥、それ故に喜んでその依頼、お受け致しましょう♪


 源九郎:ありがとうございます♪








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る