第8話莉音の災難

 アオイ:魔族の女性は美人が極めて多いですね。中には同性にモテる女性ひとも。莉音さんもその1人、そのモテ具合はかなりのものでした。


 魔界時間5:00 皇城


 梨花:最近誰かに見られてる気がする・・・ですか?


 莉音:ああ、いつものように鍛錬してると何処かしらか視線を感じるのだ。


 カロン:でも視線以前に気配は察知してたんでしょ?


 莉音:まぁな、殺気は微塵も感じなかったから気にしてなかったが。


 カロン:ストーカーなんじゃないの?莉音って結構イケメン女子でしょ。


 梨花:ス、ストーカー⁉︎あ、そういえば皇王陛下のスケジュールって非公開の筈なのに鍛錬が終わった頃を見計らって出待ちしてる女性ひと達が結構いましたよ。


 カロン:何処からか漏れてんじゃないの?個人情報。


 梨花:最近あちこちで起きてるネットの個人情報流出もありますし、もしかしたらって事もあり得ますね。


 カロン:どうなの莉音。


 莉音:私はどうもネットとかは苦手だから予定とかはこの手帳に書いている。


 カロン:ネットが息をするように当たり前のこのご時世に手帳って。どれどれ・・・うおっ!物凄い達筆!


 梨花:あ、それもしかしたら私かもしれません。皇王陛下の予定を把握するのも魔王秘書の仕事ですから予定はデバイスのメモアプリに保存して・・・あれ?今日の予定が無い⁉︎え、何で?


 カロン:これはいよいよサイバーテロの疑いが濃厚になってきたわね。


 莉音:魔界宇宙サイバーセキュリティ部門最優秀賞を50年連続受賞しているあのDNSグループが見逃すとは到底思えないのだが。


 カロン:この件は慎重に動く必要があるわね。何にせよファンの達にバレたんだから時間ズラした方が良いわよ。


 莉音:そうだな、これじゃ外にも出歩く事も出来んからな。


 カロン:しかし・・・・


 莉音を見るカロン


 カロン:アンタさぁ、何処ぞのトップモデルじゃないんだからプライベートくらいもうちょっとラフな格好した方が良いわよ。


 梨花:多分全然意識して着こなしてないんですよねコレ。


 莉音:?


 カロン:梨花。


 梨花:そうですね。


 莉音:な、何する気だお前達。


 カロン:大人しくこれ着なさい。


 莉音:こ、これをかぁ⁉︎


 梨花:堂々と表歩きたくないんですか?


 カロン:どうなの?


 莉音:・・・し、仕方ない、やってくれ。


 カロン:先ずはこの髪をちょこっとボサボサにして後ろに束ねて・・・・


 梨花:厚めの眼鏡をかけて・・・


 カロン:半纏をトレーナーの上下の上に着せて・・・


 梨花:靴は少しくたびれたサンダルにすれば・・・


 カロン:スーパーモデル級のイケメン女子もズボラな女に早変わり・・・ってこの背丈はどうにもならないけどま、良いか♪


 梨花:さ、陛下。早速出てみましょう♪


 莉音:お前達なんか私で遊んでないか?


 カロン&梨花:気の所為、気の所為♪


 皇城裏口


 梨花:お疲れ〜♪


 莉音?:じゃ、また明日。


 カロン:行くわよ。


 小声で耳打ちするカロン


 カロン:ね?誰も気付いてないでしょ♪


 莉音:ああ、正直驚いた。これは良いな♪


 カロン:なるべくオフの時に街歩く時だけにしときなよ。


 莉音:わかってる♪





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