第5話スクラップ屋ガレキ
アオイ:破壊と創造は紙一重、一見相容れないように見えてこの2つは切っても切れない存在、職人の国を目指すムネミツ皇国にとっても解体業を生業とする彼は必要不可欠な存在となるでしょう。
魔界時間10:00
アオイ:巨獣が何言ってるかわからない方のために翻訳モードでお送り致しております。
ティラノ:うおーーー!何処じゃーー!『相棒』は何処に行ったんじゃーーー!
莉音:あれが古代種コウボウティラノか。
タブレットを見る梨花
梨花:ホント大きいですよね〜、体長7800万㎢に体重2兆6000億トンは大迫力ですよね〜。
莉音:何か吼えてるようだが?
梨花:でも何言ってるかサッパリですね・・・おや?
莉音:どうした?
梨花:ここ、拡大してみますね。
コウボウティラノの頭の上に映るドワーフ
莉音:誰かいるな。
梨花:これは・・・ドワーフ?
コウボウティラノ頭上
ドワーフ族:気に入らねぇ出来なのにそれを壊してくれる相棒がいない上に自分の不甲斐なさにイラついてるんだな、コウボウティラノよ。
ムネミツ皇国入国2日前 魔王界中枢 帝王都サタンヘイルダム
弟子:ムネミツ皇国に移住するってどういう事っすか親方!
ドワーフ族:あの地はかつて俺の生まれ故郷だったファクトゥリア王国があった。そこは俺たち職人の国だった。国が滅亡した後彼処に再び散り散りになった俺の同胞集めて職人の国をってんだから行かねえ理由はねぇ。
弟子:なら俺らも行くっす!俺たちは親方に一生付いてくって決めたんすから!
ドワーフ族:フッ、物好きな連中だ。好きにしろ♪
弟子達:あざっス!
そして現在
弟子:ど、どうするんすか?ガレキ親方。
ガレキ:そうさな・・・
アオイ:この方はドワーフ族の解体業『スクラップ屋』の社長ガレキさん。彼もこの国の出身なのですよ。
ガレキ:奴の相棒『クラッシュサウルス』がまだ地中深くで眠ってるなら俺がやらなきゃいけねぇだろうな。
弟子:クラッシュサウルス?
地上
梨花:あ!もしかしてこれかな?
莉音:ん?
梨花:コウボウティラノが荒れてる原因です。
莉音:何々、クラッシュサウルス?
梨花:コウボウティラノの相棒で彼が納得いかないものが出来上がるとこのクラッシュサウルスが壊して素材に戻すようなのです。
莉音:詳しいデータがあるな。
梨花:え〜っと。クラッシュサウルス、アダマンタイマイ科アダマンタイマイ目ステゴサウルス亜種。体長8000万㎢、体重8兆9000万トン。尻尾の鉄球状のコブで何でも壊すとありますね。
コウボウティラノ頭上
ガレキ:この2体は気の合うコンビでな。だが、国が滅亡した後前の国の魔王との契約が切れた途端に眠りについた。しかも双方何処にいるかわからねぇんだ。
弟子:じゃあどうするんで?
大きなハンマーを出すガレキ
ガレキ:そこでコイツを使う。
弟子:親方が愛用してるハンマーっすね♪
ガレキ:ああ、コイツならアイツを何とか出来る♪
弟子:いくらなんでもあのバカデカい槍壊せるんすか?しかもアレ偽物といってもあの神槍グンニグルでしょ。
ガレキ:コイツならそれが出来る。何故ならコイツはクラッシュサウルスの抜け殻が素材として使われた『元魔王具』だ。
弟子:え!ま、魔王具っすか⁉︎
ガレキ:ま、今は魔王具としての
弟子:それを何で親方が持ってるんすか?
ガレキ:ま、それは追い追い話す。さあ、オメェ達、仕事だ!
弟子達:ガッテン!
地上
梨花:皇王陛下、アレ!
莉音:何をする気だ?
偽グンニグルに結界を張る弟子達
弟子:親方ーーー!準備完了でさーー!
コウボウティラノ頭上
ガレキ:コウボウティラノよ、オメェの不甲斐なさからくる苛立ちはどうにも出来ねぇが、相棒の代わりに壊す事なら出来るぜ♪
ハンマーを振りかざし頭上から飛び降りるガレキ、偽グンニグルに直撃し壊れる
ティラノ:うおーーー!壊れた、壊れたぞーーー♪
気が晴れたのか身体を小さくさせるコウボウティラノ
梨花:あ、小さくなった!何で⁉︎
莉音:巨獣は自在に身体の大きさを魔法で変える事が出来る。といっても個体差はあるがな。
梨花:小さくなっても7mくらいはある。
尻尾を振って喜ぶコウボウティラノ
ティラノ:おお、それは!ファクトゥリア王に相棒の抜け殻で作ってやったハンマーじゃねぇか!そうか、そうか。それなら壊せたのも納得がいく♪
ガレキ:コイツの持ち主は死んだ。
ティラノ:そうか・・・・あやつは死んだか。やはり病魔には勝てなんだか。
ガレキ:ああ、死ぬ間際にアイツは俺にコレを託した。そしてお前さんに伝言がある。
弟子:普通に巨獣と会話してる。
ガレキ:『お前との物作りの日々は充実して実に楽しかった。もし俺が死んだ後、この地を再び匠の集う国を作る魔王が現れたら契約してほしい』だそうだ。
ティラノ:しかと聞き届けたとファクトゥリア王に伝えてくれ。
ガレキ:わかった。俺もこの地に戻ってきたから墓前で伝えといてやろう。
ティラノ:感謝する。
元のサイズに戻りゆっくりその場を離れるコウボウティラノ
莉音:・・・行ったか。コウボウティラノの憤りを鎮めてくれて感謝する。
ガレキ:アンタが新しいこの国の魔王、莉音・ムネミツ皇王様だな?
莉音:ああ。
ガレキ:ここに再び匠の集う国を目指してるそうだな?
静かに頷く莉音
ガレキ:なら合格だ、これから世話になるぜ♪
莉音:こちらこそ宜しく頼む♪
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