第4話鍛冶巨獣コウボウティラノ

 アオイ:ムネミツ皇国に眠っていた古代種コウボウティラノ、彼が目覚め巣であるファクトゥール連山麓の街ではパニックが予想され莉音様が向かうのでした。


 魔界時間16:00 ファクトゥール連山麓 レンタン市


 市長:これはこれは、皇王陛下!


 莉音:状況は変わらないか?


 市長:はい。目覚めた当初は大暴れしていましたが、なにを見つけたのかかれこれ3時間近く一点を見つめたまま一歩も動かないのです。


 莉音:何かしらの対策は打ったのか?


 市長:ええ。捕獲を試みましたが、我々が近付いただけで威嚇してくるので迂闊に手が出せません。


 市長秘書:コウボウティラノ、ヨルムンガンド科ヨルムンガンド目ティラノサウルス亜種。体長7800万㎢、体重2兆6000億トン。4本の腕の内2本の腕はハンマー状になっていて、そこから繰り出されるアースクエイクは大災害級の技です。


 莉音:何かを一点見つめていたと言ったな。


 市長:え?ええ。


 莉音:何を見ているのだ?


 市長:それが、あまりにも図体がデカイので回り込んで見る事も叶わず、かといって下手に近づけば・・・


 莉音:アースクエイクの餌食・・・か。


 市長秘書:文献によれば、コウボウティラノは武器を眺めるのが好きだとあります。業物であればあるほど強い興味を示します。


 莉音:・・・・・市長。


 市長:はい?


 莉音:コウボウティラノは『一点を見つめたまま一歩も動かない』と言ったな?


 市長:は、はい。


 莉音:それはもしや、コウボウティラノが目を離さないほどの業物があるという事ではないか?


 市長:あ!言われてみれば確かに‼︎き、君!あの辺りの文献で何があったか直ぐに調べるのだ!


 市長秘書:しょ、承知しました!


 1時間後


 市長秘書:市長、ありました!あの辺りにはかつて神殿があり、そこにはグンニグルが祀られていたそうです。


 市長:グ、グンニグルだと⁉︎


 市長秘書:勿論本物ではなくレプリカではありますが、その完成度は本物と見紛みまごうほどだとか。


 莉音:その完成度の高さにコウボウティラノは魅入られたというわけか。


 市役所職員:市長、大変です!


 市長:どうした。


 市役所職員:コウボウティラノが突如何かを作り始めました!


 莉音:巨獣でありながら職人でもある彼はグンニグルを見て職人としての部分が疼いたか。


 市長執務室を出ようとする莉音


 市長:こ、皇王陛下どちらへ?


 莉音:私がコウボウティラノに会ってくる。彼を刺激しないよう護衛も何もかも不要だ。


 市長:で、ですがお1人では危険すぎます!


 莉音:私が簡単にやられるとでも


 市長:い、いえ!皇王陛下に限って流石にその様な事はないとは思いますが。『保険』は不可欠かと


 莉音:fむ、ではるすを頼む。


 次回へ続く・・・



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る