最終話:メインプレイ:エンディング2
GM:では続いて、UGNバディのグランドエンディングです。シーンインをどうぞ。
UGNバディ:シーンイン!
面影島での決戦から数日後。青空が広がり、太陽の輝く晴天の下。
クラウとロボ子は“イレイザーヘッド”の言葉通りに形式上の謹慎を受けた。その期間、二週間!
謹慎――いや、数ヶ月ぶりの休暇を満喫すべく、二人はギア・アップでドライブに出かけていた。ロボ子による安全運転を経て、現在はパーキングエリアで休憩中だ。
クラウ:「くぅ~! やはり、休暇とはこうでなくてはな! 今日は良いドライブ日和だ!」
炭酸飲料のペットボトルを傾ける。
ロボ子:「天気も晴れて、良かったねぇ。んくっ、んっ、ップハァ」
オレンジジュースをくぴくぴと。
クラウ:「うむうむ。久方ぶりのヴァカァンスなのだ。存分に羽根を伸ばさねばな!
しかし……ロボ子も大きくなったものよな」
突如、しみじみとした口調になるクラウ。
ロボ子:「んむ? そう? 人造細胞自体は生きてるからまあ、多少は成長もするけども」
クラウ:「ああいや、そうではないのだ。人造人間という観点から忌み嫌われやすかったロボ子が、こんなにも大きく強く、逞しく育ってくれた。余は嬉しい」
ロボ子:「……えへへ、クラウがいつも一緒にいてくれたからだよ」
クラウ:「人を育てるというのは初めての経験であったからな。どう愛を注げば良いのかも不明瞭で、こうも不器用な余であったが……ほっとしている。
そしてだ……ロボ子よ、そなた、そろそろ誕生日であったな?」
いたずらっ子のような笑みを浮かべるクラウ。こういう時、彼女が何か大きな隠し玉を持っている事を、ロボ子は知っていた。
ロボ子:「うんうん。クラウのおかげで僕もここまで――えっ!?」
クラウ:「ふっふっふ……前祝いだ。これを見るが良い!」
そうしてクラウが背後から取り出したのは、とある雑誌の一面。以前、UGN広報部のツテで関わりのあった編集部の記事。そこには、こんな事が書かれていた。
『期待の超新星、発見か!? ~愛車で街を駆ける姿はまるで流星の如く~』
クラウ:イージーエフェクト《フェイマスヒーロー》の効果発動だ。余と共にこれだけ大きな事件を解決したロボ子が、有名にならぬ訳がない!
ロボ子:「……あ、え、お……ぉおぉうぇえええ!?」
ガバっと記事を凝視。
クラウ:「ふっ。あれだけ頑張ったのだ。これくらいの見返りは許されねばな?」 一仕事終えた顔になっている。
ロボ子:「事故未然防止って、出動中のちょっとしたのまで載ってる……凄っ、え、僕たちこんなに活躍してたの……わ、あの時助けたお婆ちゃん、めっちゃ良い笑顔……」
クラウ:「そなたのしてきた事には、しかと意味があった。ならば正しく世に広めていくのが、相棒である余の役目であろう?」 ニヤリ
ロボ子:「そっか……僕たち、皆の事、護れてたんだ……わぁぁ」
実感が目から零れそうになって、嬉しさに頬も緩んで。
そんなロボ子を、クラウは慈愛の表情で見つめる。
クラウ:「ああ。そなたは既に立派なヒーローだ。しかし人気者には少々、面倒なしがらみも増える。
ほら、噂をすれば。そなたの姿と活躍を収めようと、パパラッチが駆けつけてきたぞ?」
見るとそこには、柱の影からカメラを覗かせる取材陣の姿が。
ロボ子:「ありがとうクラウぅ……って、うぇっ!?」
クラウ:「このままでは、せっかくのヴァカァンスを邪魔されてしまう。急ぐぞロボ子! 今は勤務外、逃げるのだ!」
ロボ子:「え、ちょ、逃げるったってそんな」 『GEARUP:FULL THROTTLE』
「うぇ、マナス!?」 『HERO:GO』
独りでに駆けるギア・アップ。
クラウ:「良いぞマナス、わかっているではないか! せっかくだ、用意してきた楽曲でもかけて逃避行と洒落込もうではないか!」
ロボ子:「マナス、いつの間に自我が!?」 『SYSTEM:RADIO MODE』
ギア・アップに設置されたスピーカーから流れ出す、軽快な音楽と偽物のエンジン音。
クラウ:「さぁ征こう! 余たちのヴァカァンスはまだまだこれからだッ!」
ロボ子:「ああもう、何かわかんないけど、とにかく――振り切るぜ!」
駆ける二人の姿は、赤い彗星の如く。
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