第3話:メインプレイ:クライマックス1-3(戦闘)

GM:続いて第2ラウンド。セットアップ!

守矢:《戦術》使うぞい。

アームズ(GM):《装甲強化》を宣言。

クラウ:コンボ「ドムス・アウレア」である。

GM:守矢の侵蝕率が……(守矢:現在141%)

守矢:クラウも割とヤバい。私の速度に追いついてくるか?(クラウ:現在132%)


GM:ではイニシアチブ――。

クラウ:ふっ……追いつく? 何を言うか……。

 追 い 抜 く ん だ よ ッ !!!

 イニシアチブで《氷熱の軍団》+「パワーソース:デーモン」を宣言! ラウンド間、味方全体の攻撃力+24!

GM:マジで追い抜いていった……(クラウ:現在142%)

守矢:超デッドヒート。

クラウ:侵蝕! ロイス! いずれも~……マッハ!

守矢:イッテイーヨ!

GM:やめてくれ……(笑)


GM:次、改めてイニシアチブ。ロジカの手番です。


ロジカ:マイナー放棄。メジャーでコンボ「Acta est fabula芝居は終わりだ」!

 フィリップの《ウインドライダー》も使うぞ!

フィリップ(GM):NPCアシスト《ウインドライダー》を宣言。対象の判定ダイス+2D。

ロジカ:命中判定! (ころころ)達成値58!

アームズ(GM):ドッジ(ころころ)失敗です……。

ロジカ:ダメージ(ころころ)78点。これにクラウの火力支援を含めて、102点だ!

GM:アームズに82点のダメージ! やっべ、いい加減に後がなくなってきた!

ロジカ:機関砲に機関銃にミサイルにクラウの炎が乱舞する!

「これだけ食らっても、まだ意地っ張りを続ける気か! 彼女は待っているというのに、その気持ちを裏切り続ける気か!」

アームズ(GM):「うるせぇ……ああぁ、うるせぇなァ! 黙ってやられとけよ! ヒーロー!」

ロジカ:「貴様……! いいか、ダンテの神曲に語られる地獄界は九つの圏に分類され、より重き罪状の者ほど深きに沈む。

 では、最も重罪である九圏に囚われる咎とは何か。それは――裏切りダブルクロスだ!」


ロジカ:タイトル回収!

真白:格好良い……格好良すぎます!

ロボ子:PC1はこうでなきゃ。


GM:イニシアチブ。アームズが動く!


アームズ(GM):まずはマイナー放棄。

 メジャーでコンボ「フェイタルブレイク」……さっきのコンボに加えて《ギガノトランス》だ!

 おらぁ! シーン攻撃じゃい!

守矢:《時の棺》を宣言する。

「もう……自分を裏切るのはやめたらどうかネ」


 銃を下ろし、アームズの怪人を真っ直ぐに見つめて語りかける守矢。


アームズ(GM):「自分を……? はっ、いきなりなんだよ、おっさん」

守矢:「ヴィランがどうとかで自分を騙すのはやめたまえ」


 断言する。警察の仕事の中で多くの破綻者を見てきた守矢だからこそ、いや守矢にしか、その心の底は見抜けない。


守矢:「君は憧れていたんだろう? ヒーロー……胸を張って生きてる人たちに」

アームズ(GM):「――ッ」 ピクリ

守矢:「そして真白くんに会って気付かされた。あの時から一歩も進んでいない自分に。

 まだ君は若い。いくらでもやり直しは効く。ここらで一歩踏み出す勇気を出してみてはどうかネ」

アームズ(GM):「一歩踏み出す勇気だぁ……?」


 怒気を孕んだアームズの声音と視線。しかし守矢はそれを受けてなお、銃口を持ち上げようとはしない。

 ただ静かに……痛みを堪えるような表情で、幸也に言葉をかけ続ける。


守矢:「取り返しがつかない。どうにもならないってのは……本当に失った時にだけ言えることだ。君はまだ何も失っていないし、手放してもいない」

アームズ(GM):「……もう遅ぇんだよ。俺はとっくに一歩踏み出してんだ……後戻りは、もうできねぇんだよ!」


 絶叫と同時、アームズの背後に大量の砲塔が錬成されていく。


アームズ(GM):「真白は消えた! 目の前にいるのはヒーローだ! 俺に残ってるのは、これだけだァァァ!!!」

守矢:「やれやれ……君の言葉や力は、全て空虚だ」


 呟き、左手をかざす。




守矢:「そろそろ自分の時間を動かしたまえ」




 拳を握る。瞬間、幸也から溢れていた力が唐突に消失する。


アームズ(GM):「なっ――おっさん、テメェ……!」

守矢:「二度は言わない。本当に全てを失う前に、君自身を認めてやるんだ。

 ……さて、私はもうさほど力も残っていない。やるべきことはやった。あとは任せたよ……相棒」


 そう口にして守矢は、地に膝をつくアームズから視線を外した。まるで、自分の役目は果たしたとばかりに。


真白:「ありがとうございます、守矢さん。おかげで力を溜める時間ができました」

GM:守矢の一連の行動が実は時間稼ぎだっただと……! イニシアチブ。真白の手番です。

真白:メジャーで射撃攻撃をする直前に、「インフィニティノヴァ」を宣言!

 判定直前に「カテゴリ:ルーキー」を宣言!

ロジカ:フィリップ! ここだ!

フィリップ(GM):NPCアシスト《ウインドライダー》を宣言。対象の判定ダイス+2D。

(今の彼女に……言葉はいらないね)

 無言で支援を飛ばすよ。

真白:メジャーで《カスタマイズ》+《コンセントレイト:モルフェウス》……コンボ「真銘幸解フォーチュナー」!

 さらに黒崎幸也のタイタスを昇華、C値を-1。アームズにロイスを取得、即座にタイタス昇華してさらにC値-1です!

 いっけー! (ダイスどばぁ)命中達成値……128!

ロジカ:まだまだぁ! フィリップ!

フィリップ(GM):NPCアシスト《妖精の手》を宣言。対象の判定ダイスの出目一つを10に変更。

真白:振り足しいきます! (ころころ)達成値……188!

守矢:そこに《勝利の女神》だ。達成値さらに+15だネ。

真白:最終達成値……203!!!

GM:こんなん避けられるか! アームズはリアクション放棄!

真白:ダメージ! (ダイスどばぁ)低い出目3つを振り直して、173点ダメージです!

GM:装甲値で差っ引いて、アームズに153点のダメージ!

 これは……落ちる! だがしかし!

アームズ(GM):《ラストアクション》を宣言! 戦闘不能直前にメインプロセスを行なう。

PC一同:お、お前ぇぇぇ!

アームズ(GM):行動内容は――


 ――行動を、放棄だ。


PC一同:お、お前……。

真白:「バレットライン最大展開、最小凝縮。全ての弾丸を一発に」 『Limited Over』

「幸也の話を聞いてて、思ったんだ。幸也が言う、ヴィランのヒーローってさ。それ、つまりは『ヴィランですら助け出すヒーロー』のことだよね。

 あの頃、私も思ってた。誰か助けてくれないかなって。確かに誰も助けてくれない。私たちを助けてくれるのは、私たちしかいない。

 でもね、幸也。一緒にどうにかしようとしてくれる人だったら、いたよ」

アームズ(GM):「…………」

真白:「……この一撃。避けられるものなら避けてみて。

 守矢さん、身体の支えをお願いします。一人だと、反動で吹き飛んじゃいますから」

守矢:「ああ。背中は任せたまえヨ」

真白:「ありがとうございます」

 ゆっくりと、アームズに狙いを定める。構えた銃から、夜空のようなもやが立ち上がる。

「さようなら、アームズ。幸也を返してもらうよ」

 トリガーを、引き絞る。放たれた銃弾は空中で分割されその全てが跳弾し、全方位からアームズへと同時集約する!


 無数の跳弾に貫かれ、ゆっくりと倒れていく。


 目指すのはヴィランのヒーロー。それを邪魔する奴らは、全員敵だ。例えそれが、実の妹のように大切な存在――真白であったとしても。

 そう、あいつは今やヒーローだ。俺とは違うところに行っちまった。そしてヒーローはヴィランの敵。つまり――アームズの敵だ。


 倒れゆく刹那、手にした銃の照準が真白に重なる。


 せめて、一発かましてやる。

 そう思って、トリガーにかかった指に力を込める。なのに。


 何故か幸也の指は、ピクリとも動こうとしなかった――。


真白:「……ありがとう、幸也」 『Fortune!』

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