第3話:メインプレイ:クライマックス2-1
GM:それでは、クライマックス2に入っていきましょうか。全員登場でお願いします。
ロジカ:シーンイン! (ころころ)6点上昇、128%!
守矢:シーンイン! (ころころ)3点上昇、158%!
真白:シーンイン! (ころころ)7点上昇、124%!
クラウ:シーンイン! (ころころ)1点上昇、143%!
ロボ子:シーンイン! (ころころ)9点上昇、129%!
GM:アームズのRメモリは強制排出によって破壊された。君たちの目の前で、幸也は息を荒げている。
黒崎幸也(GM):「くそっ、Rメモリが逝ったか……けどよ、こんなところで止まれねぇんだよ……俺は、俺は――ッ!?」 ドクン
その言葉を遮るように、幸也の身体がビクリと跳ねる。
黒崎幸也(GM):「あ、がッ……があああァァァッ!」
咆哮と共に立ち上がった彼の目に、理性の色はない――間違いない、暴走だ。
ロジカ:「お、おい……まずくないか……?」
ロボ子:「Rメモリを使いすぎたんだ……」
GM:絶叫と共に、彼はありったけの武器を手元に錬成し、狙いもつけず周囲に弾丸をばら撒き始める。
蜂の巣にされては堪らない。君たちは近くにあった廃材の山の影に、一時退避することにした。
PC一同:撤退ー!
GM:廃材の影に収まったロジカの肩に、フィリップのハンドリングが飛んでくる。
フィリップ(GM):「……ロジカ、これは不味い状況だ。あんなエフェクトの使い方をしていては、早晩、彼は堕ちてしまうだろう」
ロジカ:「じゃ、じゃあどうするんだ! 方法はあるのか!? ここで助けられずに悲しい別れなんてさせないぞ、絶対に!」
フィリップ(GM):「ああ、そのとおりだロジカ。彼を止める方法、策がないわけではないが……実行に大きな危険が伴う」
クラウ:「危険とな?」
ロジカ:「言ってみろ」
フィリップ(GM):「方法は至ってシンプルだ。それさ」
そう言ってフィリップは、ロジカの胸に輝く十字架を指し示す。
ロジカ:「そうか。レネゲイド鎮静剤が充填してあるヒーローズクロスなら」
フィリップ(GM):「そういうことさ。レネゲイド鎮静剤を彼に投与することで、暴走を止めることが可能……かもしれない。
だがそのためには彼に接近する必要がある。この銃弾の雨の中を、だ」
真白:「……待って下さい。ここは廃工場です、そんな危険を冒さずとも、暴走が静まるのを待てば――」
レネゲイドウォーステージでは、UGN所属など一部の人間を除きジャーム化の事実が隠蔽されている。
真白が事態の静観を進言したのも、ジャーム化の事実を知らないが故だ。
この場でジャーム化の真実を知っているのは探偵バディとUGNバディだけなのである。
RWの世界観をよく理解した真白のロールプレイに、GMは内心で拍手を贈っていた。
クラウ:「危険だな。それまで奴の心が保つとは思えん。人間でなくなってしまう」
真白:「人間でなくなる……? 一体、何を」
フィリップ(GM):「時間はかけられない。ロジカ、彼らになら真実を明かしても構わないのではないかな」
ロジカ:「――ああ。UGNよ。世界の守護者を名乗る貴様たちに、説明は任せよう」
クラウ:「承った。オーヴァードはな、世間一般には超人扱いをされている。完全無欠の、な。しかしその実態は――」
ロボ子:「オーヴァードの中には、暴走から永遠に抜け出せなくなる者もいる」
クラウ:「そう。我々オーヴァードは……常に化け物になる危険性を孕んでいる。超常の力を使いすぎれば、人の心を失ってしまうのだ」
ロボ子:「僕らの知ってる、人の心を失った化け物たちの名前を教えるよ――『ジャーム』だ」
クラウ:「そしてそうなってしまうことを、我らは『ジャーム化』と呼んでいる」
真白:「ジャーム化――それが今、幸也の身に起きている……!?」
クラウ:「奴は、その一歩手前の状態と言えるだろう。放っておけば人の心を失い、化け物に堕ちる」
守矢:「……今の彼は、最後の抵抗をしている真っ最中というわけか」
一同の間に、重い空気が満ちる。しかし、それは決して諦観に基づくものではなかった。
ロボ子:「真白ちゃん。今しかない。今、君にしか、彼を助けられる絆は存在しない」
真白:「……だったら。私がやります。やらせて下さい」
クラウ:「よいのか? これはとても危険な作戦だ。我々の侵蝕率もとうに危険域に突入している。
下手をすると真白、お主もジャーム化しかねんぞ」
真白:「……目の前の家族を見捨てたら、それはジャームでなくとも人間じゃない。私はそう思います」
自分のヒーローズクロスを外して、手に持ちます。
守矢:「ならば護衛は私が務めようじゃないか」
ロボ子:「真白ちゃんがやるなら、僕も手伝うよ」
クラウ:「うむ。余の名において、出来る限りの手助けを約束しよう」
ロジカ:「このロジカ・ミリターレも手伝おう。なに、
こちらも同じくヒーローズクロスを掲げて、真白のものと交わらせる――ダブルクロスさ。
フィリップ(GM):「……まったく。君だってとうに危険域だろうに」
ロジカを心配そうに見つつ、しかしどこか嬉しそうな声で呟く。
真白:「――ありがとうございます」
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