第1話:メインプレイ:オープニング3
GM:では続きまして。ロジカのオープニングです。
シーンインをよろしくお願いします。
ロジカ:イタリアパゥワーでシーンイン! (ころころ)9点上昇、48%!
ごはッ! 9点か……。
GM:イタリアパゥワーとか言うから……(笑)
クラウ:というかそもそも。
ロボ子:イタリアパゥワーってなんだよ(笑)
GM:では描写に入りましょう。
さて、君とフィリップが相変わらず閑古鳥の鳴いている探偵事務所で時間を潰していると。
カランカラン。
何者かが事務所の扉を押し開き、来客を知らせるベルが鳴る。
クラウ:事務所にお客が!?
フィリップ(GM):「おや、訪問者とは珍しいね」
来客用のソファから体をどかし、依頼人を迎える準備を整えるフィリップ。
ロジカ:「またレストランと間違えてきた可能性もあるがな……」
ベルの音を聞きつけて慌てて襟を正し、玄関まで行く。
GM:そして事務所の扉から入ってきたのは……小学校低学年くらいの、数人の子供たちであった。
子供たち(GM):「あの……ここって、探偵事務所で合ってますか……?」
恐る恐るといった様子ですね。
ロジカ:「……あ、ああ。合ってるけど(というかよく読めたなイタリア語の看板)」
子供たち(GM):「ってことは、本物の探偵さんだ……! お願いします! ブン太を、ブン太を見つけて下さい!」
GM:ロジカの言葉を聞くなり、彼らは豚の貯金箱を前に差し出し、揃って頭を下げてくる。
ロジカ:「ブン太???」
果てしなく疑問符が浮かぶが、差し出された貯金箱を前に……。
「事情がありそうだな。お金はともかく、話を聞かせてくれないか」
少年たちと同じ目線に身をかがめ、優しく告げる。
子供たち(GM):「は、はい……! ブン太っていうのは、僕たちが可愛がってる野良猫なんです。だけど最近、いつもの場所で見かけなくなって……」
フィリップ(GM):「……つまり、行方不明の野良猫を捜索してほしい、と」
ロジカ:「ね、猫……それも飼い猫ですらない、野良猫か……」
形の良いあごに手を添えて考え込むロジカに、フィリップはこっそりと告げる。
フィリップ(GM):「(小声で)……ロジカ、言うまでもないが、あえて言うよ。この依頼は受ける必要性がないものだ。
第一に、手がかりもなしに野良猫を捜すのには途方もない労力がかかる。
第二に、あの様子では報酬に期待できない。
そして最後に……――僕は子供が苦手だ」
ロジカ:「そうだなフィリップ。お前の言うことは、まったくもって正しい。何一つ瑕疵がない」
そこでロジカは、フィリップの顔を見据える。
ロジカ:「だがな――」
子供たちに向き直り、ロジカは大仰にポーズを取る。
「少年たちよ。このロジカ・ミリターレに依頼するとなれば、本来1万ユーロが相場だが……」
ちらり、と豚さん貯金箱に目をやり。
「運が良かったな。今は特別割り引き期間だ。日本円にして120円で受けようじゃないか」
子供たち(GM):「本当ですか!? ありがとうございます、探偵のお姉さん!」
フィリップ(GM):「あぁ……またいつもの病気が出たか……」
ロジカ:「はーっはっはっは! Sperate, figli!(希望を持て、ああ子らよ!) このロジカ・ミリターレに任せるがいい!」
フィリップ(GM):「……特別に通訳しよう。「希望を持て」と彼女は言っている。安心したまえ、ロジカの腕は本物だ」
GM:そんなロジカの姿に頭を抱えるフィリップとは逆に、安堵の表情を浮かべる子供たち。その笑顔を見られただけでも、依頼を受けた価値はあったのかもしれない。
フィリップ(GM):「まったく、君といると退屈しないね……」
ロジカ:「そう褒めるな! むず痒い!」
フィリップ:「……うん、そうだね」
ロジカ:「あ、もちろんお前にも手伝ってもらうからな、フィリップ!」
と、笑顔でフィリップの肩に手を置く。逃さないぞ。
GM:呆れるフィリップを尻目に、ロジカのやる気は燃え上がるのであった……。
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