第1話:メインプレイ:日常シーン(探偵バディ)

GM:お待たせしました。ロジカの日常シーンに入ります。

 ハードボイルドに決めていきましょう。シーンインをどうぞ!


ロジカ:はい、シーンイン。


クラウ:さて……どうなるのか。

ロボ子:果たしてハードボイルドなるか。

真白:どうなんだろう(笑)


GM:さて……アームチェアに腰掛け、淹れたてのコーヒーを片手に、警察バディの活躍が載った新聞を眺める人物が一人。

 ここは「Militare Investigatore」――ミリターレ探偵事務所。事務所の主は、街にはびこる悪を何度となく成敗してきた名探偵だ。

 だがしかし! それは世を忍ぶ仮の姿。彼女はイタリア政府からの密命、“ヴィランの王”に関する極秘任務を受けた、まさにエリートエージェントなのであるッ!

 彼女は器用に片手で新聞をたたむと、マグカップで湯気を立てるコーヒーに優雅に口をつけ――。


ロジカ:――馥郁ふくいくたる芳香を鼻孔に満たし、白磁の器に注がれた漆黒をゆっくりと嚥下する。

フィリップ(GM):「……ひとつ、簡単な推理ゲームをしよう。1秒後、君はしかめっ面をしているだろう。なぜなら――すまないロジカ。コーヒーに砂糖を入れるのを忘れていたよ」

ロジカ:口内に染み渡る渋みが、今日も謎と事件の始まりを告げ――……ごはっ!

「おい、それを先に言え! せっかく心中で格好いいモノローグを流していたのに!」


ロボ子:ハーフボイルドでした()

守矢:これはハーフボイルド。

真白:ハードにはなれなかったよ……。


フィリップ(GM):「悪かったよ。次は砂糖とミルクもたっぷり入れよう」

ロジカ:「ああ。それと、ちゃんとエスプレッソにしろよ。イタリア人的に考えて」


守矢:イタリア人(大嘘)

ロボ子:わっけわかんねぇな。

真白:イタリア人的に(イタリア人じゃない)

クラウ:このハーフボイルド感、いいなぁ(笑)

守矢:いっちゃん(ロジカ)が何か言うたびに面白いのホントずるいんだけど(笑)


フィリップ(GM):「わかったわかった(聞き流し)。それにしても……」


 そこで一度、言葉を切り、フィリップは探偵事務所の中を見回す。丁寧に掃除が行き届いてはいるものの、人の気配が薄いそこを見て、彼は軽くため息を吐く。


フィリップ(GM):「相変わらず依頼人が来ない事務所だねぇ、ここは」

ロジカ:「仕方ないだろう。一応、非合法だからな、ここ」

フィリップ(GM):「前々から言っていることだが、看板は日本語にした方がいいんじゃないかい? Investigatore(探偵)――イタリア語じゃあ通じるものも通じないだろう。

 まあ、個人の趣味をとやかくは言わないけどね……」

ロジカ:「そういえば、この前レストランと勘違いして来た人もいたな。スパゲティ食わせて帰したが」


真白:ちゃんと食べさせて帰したんだ……(笑)

クラウ:スパゲティ食わせて帰したは笑うしかない。

守矢:ナポリタンだったら腹筋が崩壊する。


フィリップ(GM):「ちゃんと食べさせて帰す辺り、君も探偵なのか料理人なのかわからないね」

ロジカ:「だって、しょうがないだろ! お腹を空かせて困っている人を見捨てるわけにはいかないからな」

フィリップ(GM):「相変わらずお人好しだねぇ、君は」


GM:そう呟くと、フィリップ――君の相棒は依頼人用のソファに腰掛け、白紙の本を読み始める。そして、次の瞬間、目を輝かせ始めるのだった。


フィリップ(GM):「ところでロジカ。本で読んだんだが、君は「たこ焼き」という食べ物を知っているかい!?」

ロジカ:「ん? たこ焼き? ああ、もちろん知って――」

 と、ここで言葉が不自然に途切れ。

「――いやなんだそれは? 私はイタリア人だから知らないぞ」

 イタリア的に誤魔化した!


ロボ子:ポンコツぅ!

守矢:イタリアってなんだろう(哲学)


フィリップ(GM):「本の知識によると、世の中には「たこパ」なる儀式が存在するそうじゃないか」

ロジカ:「デビルフィッシュ(たこ)だろ? いやー、イタリア人だから食べないわー。まあ、味見くらいならしてもいいけど……やりたいのか? たこパ?」

フィリップ(GM):「興味がない、と言うと嘘になるね」


守矢:ここで衝撃の事実。

GM:衝撃の?


守矢:イタリアでは普通にたこ食べます。


真白:!?!?!?

GM&クラウ:(爆笑)

守矢:もうダメだ、面白すぎるぞいっちゃん。

ロボ子:中の人、絶対知っててやってるだろこれ……(笑)

ロジカ:イタリア人(日本人)だから。


ロジカ:「仕方ないな。イタリア人だから勝手はわからないが、作ってやろう。イタリア風に」

フィリップ(GM):「いいねぇ、それは楽しみだ。先払いにコーヒーのおかわりを淹れよう」

 そう言って、ロジカにコーヒーのおかわりを注ぐ。もちろんブラックだ。

ロジカ:「グラッツェ。あ、いいか。砂糖を大量に入れて飲むのがイタリアだからな」

 そう言いながらコーヒーに砂糖さらさら。

フィリップ(GM):「そうだね、イタリアンだね」

ロジカ:「あと、シロップとミルクを入れるのもイタリアだ」

フィリップ(GM):「うんうん、それもまたイタリアだね」


真白:フィリップくん、なげやり(笑)

クラウ:ロジカ……苦いのだめならラッテ・マキアートとかにすればいいのに……(笑)


ロジカ:甘ったるくなったコーヒーを飲んで、「フッ」とかかっこつけながら演出を終了しよう。


GM:……ここはF都。自然と都会の共存する、どこか不思議な魅力を持った街。

 この街には探偵がいる。イタリアかぶれの少女と、知識用旺盛な謎の少年。二人で一人の――迷探偵が。

 ……それにしても、相変わらず依頼人の姿は見当たらないのであった――。

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