第36話 最近の仕事について

今年はコロナで多方面大変なわけですが、なぜか私は幸運にもコロナ前の1月までに今年刊行の書籍の仕込みが終わっていて無事に3タイトルを刊行しました。仕込みが2月に終わった理由は本来なら3タイトルのうち2つは昨年刊行のはずだったからなので、幸運と言うより不運かもしれません。


 『義眼堂』(角川ホラー文庫)

 『大正地獄浪漫 4巻』(星海社)

 『新しい世界を生きるためのサイバー用語集』(原書房)


現在進行形で集英社文庫のサイトでクイズを連載しており、これが以外と時間かかっています。おそらく今年いっぱいくらいは連載するんじゃないかと思います。ネット媒体とは思えないギャラのよさです(原稿料プラスアルファがあるため)。連載終了後は文庫になる予定なので、一粒で二度美味しい。


前にも書きましたが、企業からの依頼が増えて小説ではない物書きをせっせとやっています。こちらもギャラはいいのですが、いまひとつ手応えがない感じです。


ニュースサイトへの寄稿は定期的にやっていますが、どちらかというと趣味を兼ねた情報収集&整理の副産物という感じです。


2月以降はほとんど小説を書いていません。先日、カクヨムに投稿し、運良く商業サイトに移転が決まった『サイレントクーデター 超限政変』は、3年前に書いて宙ぶらりんになっていたものです。じゃっかん手直ししましたが、ほとんどそのままです。


3タイトル刊行後の仕事はいずれも新しいもので、刺激があり、勉強になります。小説書いていないのはじゃっかん欲求不満ですが、なんとなく充電した方がいいような気もするので無理に書くのはやめています。そもそも仕事量的にこれ以上増やすのはしんどいというのもあります。


他にもいくつか新しい仕事の引き合いは来ていますが、いずれも小説ではない物書きの仕事です。知り合いの作家にふつうに小説の依頼が来ているそうなので、世間的(あるいは編集者的)には私は小説を書く人ではなく、違うものを書く人になっているのかもしれません。そのうち、「一田さんって小説家みたいな文章書きますね」と言われる日は遠くないのかも。

とはいえ、小説の定義は時代によって変わります。私が書いているものが、小説の新しいジャンルになる時代が来るかもしれません。


私の本はベストセラーになったことはないし、コンスタントに売れているわけでもないので、デビューから9年よく続いているなあと思います。

そのご恩返しも兼ねて、「誰も見たことのない小説」(ちゃんとおもしろい)を世に出せればいいなあと考えています。「誰も見たことのない小説」はいくつかすでに書いて、数人の編集者からは「おもしろい」と言ってもらいました。残念ながら編集長にはねられます。冒険しくにい時代なので、仕方がないのかもしれません。ベストセラー作家でない不便さはこういう時のみ感じます。ふつうにわかりやすくおもしろい作品なので、「誰もみたことがない」という点以外は掲載に足るものだと思うんです。

いずれ機会を見つけて世に問いたいです。

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