第130話 相談7号 長い話を書けない、新人賞への応募について
相談7号いただきました。
小説 相談
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888845698/episodes/1177354054888845738
相談内容は2つ。
・長い話を書けない。5千字くらい書くつもりでも1千字か2千字で終わってしまう。プロット、キャラ、背景はできている。
・新人賞は応募してみるべきか?
質問に答える前に相談者の書いた小説をいくつか拝読しました。個人的にはすごく好きなタイプの小説です。「プロにならないなら別にこのままでもいいじゃん」とちょっと思ったりもしました。プロにならないなら、とつけた理由は、基本的な問題がいくつかあるからです。その問題を克服すれば長く書けるようにもなるでしょう。
この連載は新人賞を獲ることを目的にしているので、小説そのものの基本や技巧については書きたくないんです。正直、私よりずっとくわしい人はたくさんいて、本になっていたりするのです。でもせっかくなので書きますね。
失礼ですが、まだそんなに多くの小説を書いたり読んだりしていらっしゃらないような気がします(間違っていたらごめんなさい)。そう思った理由=つまり問題点を書きます。なお、これらの問題点と新人賞の受賞はあまり関係ないと思ってください。新人賞はあくまで確率勝負なのです。ただし、これらの問題を克服すると自分で自分の好きな小説を思うような長さと構成で書けるようになります。
・プロット、キャラ、背景はできているということですが、それは文章化していますか? できるだけ文章化しましょう。速筆にはこれらの文章化は邪魔ですが、おそらくその前段階だと思います。プロット、キャラ設定、背景設定だけでも結構な文字量になります。『塔の上の楽園』だったら、それだけで数千字いってもおかしくないくらいだと思います。プロット、キャラ設定、背景設定を文章化して、それに沿って書くとかなり文章量は増えると思います。
・ひとつの小説に長期間集中して書いていない気がします。書き始めたら、数日(もしかしたら1日)で一気に書き上げていませんか? 書き慣れていない方が短い期間で5千字書くのは結構難しいです。最初は1週間で5千字書くくらいのペースにでもいいと思います。この時、プロットがあると、あるシーンにあきたら他のシーンを書くということができるので、長く書き続けやすくなります。
・誤植がある。いや、誤植があるのはいいんです。ただ、勢いで書いてあまり改稿していないままだとよくないと思います。改稿すると意識しなければ文章量が増えることが多いです。
・全体の構成やバランスを考えましょう。地の文と会話文あるいは解説とドラマ部分といったものの登場頻度や順番のバランスをとった方が読みやすくおもしろくなります。世の中には会話文だけ、地の文だけという作品もありますので、必ず同じくらいなければならないわけではありません。問題はプロットや設定から判断して、どういうバランスがよいかを意識して書くことです。
・たくさん本を読みましょう。そして好きな本や文章、構成があったら、それをお手本にしましょう。
・もしプロになりたいのでしたら、新人賞への応募はした方がよいと思います。そうでなくても力試しにもなりますし、書き続けるよい目標にもなります。
とても素敵な世界感の物語を書ける方と思いますので、これからの作品を楽しみにしています。不明点やさらに訊きたいことがあったらどんどん質問してください。
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