第110話 ついつい熱いレビューを書いてしまいました。「旅の報酬は旅の終わりの宝ではなく、旅そのものなのだ」

郷倉さんの下記のエッセイを読んで熱いレビューを書いてしまいました。リンクだけにしようと思いましたが、せっかくなのでこちらにも転載しておきます。


43 職業作家としての戦略。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885784728/episodes/1177354054888362176


下記が私の書いたレビューです。


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「旅の報酬は旅の終わりの宝ではなく、旅そのものなのだ」

ジョブズの言葉です。正確にはちょっと違うかもしれませんが、おおまかこんなことを言ってたと思います。この言葉を聞いた時、ジョブズのことを別に尊敬もしていないし、好きでもありませんが、うまいことを言うなあと感心しました。


郷倉さんの小説家への旅も、小説家になることで至福になるのではなく、夢を抱いて走り続けることが最高の喜びなのだと思います。そして小説家への旅が終わればまたすぐに次の旅に出るでしょう。よりおもしろい小説、人の心を揺さぶる小説、あるいは単純にベストセラーを狙うとか。


願いをかなえるもっとも簡単な方法はハードルを下げることです。人としてのこだわりや矜持を捨てればたいていのことは達成しやすくなります。ただし捨てれば捨てるほど、達成した時の喜びやその後の人生はつまらなくなるでしょう。うまくバランスをとらなければよい人生になりません。そして人によってバランスは違うものです。


郷倉さんが小説家を目指して10年かかっているのは、郷倉さんなりのバランスをとっているからだと思います。がむしゃらにいろいろなものを捨てればデビューできていたでしょう。でもそんなことをしてもおそらく郷倉さんにとってあまり意味はなかった。このエッセイをいくつか拝読すると、いろいろなこだわりがあるのがわかります。それらは郷倉さんの一部であり、人生にとって大事なものだと思います。捨てればデビューしやすくなるものもありそうですが、捨てなくて正解だったと思います。


長くなりましたが、よい旅を!

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これからネット小説が当たり前になってゆくと、プロとアマの違いはほとんどなくなります。必然的にデビューという概念も曖昧になり、「小説家」という肩書きのボーダーラインもなくなります。自分で「小説家」と言えば、それでもOKになるかもしれません。


また小説の形態もどんどん変わってゆくでしょう。自分の好きだった形態が残らないかもしれません。


専業で食べてゆける人はほとんどいなくなるでしょう(すでにそうなりつつありますが)。自分にとって小説を書くこと、小説家を名乗る意味を考えてみるのも大事だと思います。

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